ダーリン
ハロウィンのトリックオアトリートで、大量にお菓子を集めた娘たち。1日に一個、もしくは特別な日だけ(チョコレートフライデーと名付け、金曜日だけ甘いものを食べるとか)とルールを決めて、手の届かない場所に置いたりするのだけれど、まあ、そう簡単にはいかない。
特に4歳次女は嗅覚が異様にするどく、お菓子が隠してある場所をすぐ見つける。夫の書斎にあったチョコを隠れて食べたこともある。
昨日はハロウィン当日とあって、さんざん色々食べたので、今日は食べるのをやめようと話した。長女は年齢もあってか、わりとすぐ聞き分けて他のことを始めたが、次女はまあ、粘る粘る。知らんぷりを決め込んでいると、私では話が通じないと思ったのか、夫のところに行った。
Daddy, can I have some of my treats? Pretty please?
(ダディ、お菓子少し食べてもいい?おねが〜い!)
You had enough for a week last night. No more sweets darlin.
(昨日、1週間分食べたでしょ。もう、お菓子はなしだよ)
と、やはりオッケーはもらえなかった様子。こんな時、ダメと言いつつ、愛を伝えるために彼らが使う言葉がDarlinである。
イギリス人がよく使う言葉ランキングの上位5位には間違いなく入ってくるであろうこの言葉。日本人の感覚からすると、恋人同士で使うイメージだけれど、実際は子供たちに対してよく使われている。
Darlin, you need to be careful when you cross the road.
(道を渡る時はよく気をつけないとね)
James darlin, time to go home.
(ジェームスくん、お家に帰る時間だよ)
など。名前の後につけることも多い(James darlin, Yumi darlinなど)。
また、アンティークマーケットやフラワーマーケットなどに出かけると、お店の人が
Are you alright there darlin(love)?
(元気?何かあったら聞いてね)
と、声をかけてくれることも多い。
全く見知らぬ人にdarlinやlove(ダーリンと同様の意味でよく使われる表現)と使うのを聞いて初めは驚いたけれど、慣れてくるとなんとも温かい気持ちになるいい言葉だと思う。
ロンドンに来たばかりの時は、この辺の事情を知らなかったので、手紙を届けてくれる郵便局の男性が私に向かってdarlinと言うたびに「この人、初対面からずっとdarlinって言ってくるけど私に気があるのかな」と本気で思っていた(んなわけない笑)。
彼はただ、親しみを込めて挨拶をしてくれていただけだったのに。分かった時は、1人でものすごく恥ずかしい気持ちなったのを覚えている。