呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン
映画007、ダニエルクレイグのジェームズボンドが大好きな夫は、アイルランド民謡や、スコットランドのバグパイプの音色、イギリス英語の発音を聞くと、何故かもの凄く落ち着くと言います。
もしや前世がそちらなのか?!それはどうかは分かりませんが、特に、バグパイプの名曲「Highland Cathedral 」を聞くと、不思議と涙が溢れてくるのだと。
(そういう彼は一度もイギリスへ行った経験はないんですけどねww)
それに比べて私は、その辺りがどうも鈍感なのか、何かを感じ取る様なことって、、、どうだろう?今まであったかなぁ?
よく、「ここ、前に来たことがある気がする」とか、「私のルーツはここかも!」とか、「この土地のエネルギーは凄い!」など、その「場」に何かを感じる人も結構いますよね。
時々そういう人を目の当たりにすると、凄いなぁ、っていうか、なんかこうアンテナ冴えてます感あって羨ましいなぁって思ったり、いや、きっとまだそういう場所に出会ってないだけで、私も時が経てば出会うのかもしれないし、でもそういう場所がない人生ならずっと出会わないかもしれないし、エニウェイ←なんで英語?、まぁどっちでも別にいいんだけどね〜って、頭の中でふんわりと着地していました。
ただ、
今年の4月に出雲へ一人旅をした際、空港から外へ出た時点から、不思議な感覚になったんです。
そこは、生まれて初めて訪れる場所なのに、、、
飛行機で約一時間、出雲は雲が出ると書きますが、上空はお天気なのに着陸態勢に入ってからは、いきなり雲の層になって、結構な揺れに見舞われ、(正直、神様あぁ!!!って心の中で叫びました)かなり日常を離れた「旅感」バッチリなはずなのに、、、
送迎の車へ向かう途中に吸い込んだ風の匂いや、車中から見る初めての町の風景が、何故かどっか「よその場所」じゃない感覚なんです。
今さっき家を出たのに、まだ玄関出て間もない感じと言いますか、出たのにもう戻って来ちゃったみたいな。
あれ、これもしかして「ただいま~」なのか?
そんな事をぼんやりと思っていたら、正面に今までの人生で見たことのない夕焼けが!!
それはまるで、夕陽が温かく大きく両手を広げ、空全体を鮮やかな朱色に染めている様で、あまりの有り難さに思わず手を合わせ「ありがとうございます」と声に出したら、自然とぽろぽろ涙がこぼれちゃったんです。
「島根は夕陽スポットも多く綺麗な夕焼けが多いけど、こんなに見事な夕陽は珍しいので、せっかくだから稲佐の浜へ行ってみましょう。」と、今回お世話になる「民泊すさのわ」の森脇さんが少し遠回りしてくださって、神在月に全国の神様達をお迎えする有名な稲佐の浜へと向いました。
浜へ降りた時「ん?」って思ったのは、所謂「潮の香り」が感じられなかったんです。
太平洋側で育った私には、海と言えば、遠く離れた辺りからでも、あ、海近いなって分かるくらい潮の香りがして、深緑色の波ざっぶーーん!みたいな、男性的な力強さが肌感覚としてあったので、なんだか妙な気分でした。
目の前の海の、優しく穏やかに寄せる遠浅の波、さらりとした砂、透明感のある水の色、手を浸し少し舐めてみたら、、、
、、、しょっぱくない。
いや、きっと塩気がありますよ、だって海だもの。
ただなんかねぇ、あの時の私、味覚だけじゃなく感覚が少しおかしくなってたのかも。
夕陽に戻ります。
朱色鮮やかに水平線に沈む太陽を、小さくなるまで静かに見つめていました。
周りの空も時間の経過とともに淡い絵の具を滲ませたように色を変え、それはそれは芸術的で素晴らしく、おかげ様で、根の国の美しい夕暮れ時を十分に堪能出来ました。
私はその日から3日間、須佐町に滞在して、主に絵を描いたり、周辺を散歩したり、共同浴場の様になっている地元の小さな温泉施設に行ったりして過ごしました。
その間、ずっと不思議な感覚の中にいたんです。
それはなんていうか、柔らかな水の中にいる様な、きっと羊水の中はこんな感じなのかなぁって、息をしているのに海の中にいる様な感覚なんです。
すさのわの森脇さん曰く、
「出雲に来る方は、何かを卒業するっていう方が多いんですよ」と。
卒業か。
ってことは、次の新しいフェーズが始まるのか。
もしや、この羊水の中にいる様な感覚は、また新たに生まれ出づる、再生、Rebornってこと?
何ヶ月も前から予定していた訳じゃなく、旅に行こうと思い立ち、目に入ったものにピンっと来て、何の疑問も持たず「そうかここに行くんですね」と決めたら、ストリートビューの小さな黄色いペグマンのように、何かに持ち上げられて、ポンっと置かれる、何の不安も恐れもない、前情報もなく、何も分からない直観任せの、私はただ身体を移動させるだけという旅。
あの時の私は、どうもそれをする必要があった様でした。
割愛しますが、
今回、私にとって、もんの凄ーーく意味のある、鈍感な私でもバッチリ肚落ちする、情報量満載の旅だったんです。
「出雲に呼ばれましたね」と森脇さん。
全てはそうなる様に、そしてもう既にそうなっていたという事実。
それを体験した思い出深い旅でした。
みずのゆみ https://lit.link/yumimizuno
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この旅で、とーってもお世話になった「民泊すさのわ」森脇さんのnoteはこちらです。
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