君と僕
夫と知り合ってから
彼の影響で、川でのルアーフィッシングに夢中になった時期がありました。
信州に住んでいた頃はフィールドも近く、50cm位の大物が多く生息する川へ、休み毎に出掛けていました。
ただ、あまりにも好き過ぎて・・・
彼らに(自然全般、生き物全般)そのままでいて欲しい思いの方が徐々に優ってしまい、あんなに好きだった釣りですが、私だけすっかり卒業してしまいました。
私は竿を置きましたが、好きで続けている夫も、実はよく言われる、ただ“魚が釣りたい”だけの釣り師ではなく、(どちらかというとそっちの思いは薄いみたいです)
彼にとっての釣りは、自分と繋がる行為なんだそうです。
つまり、釣りをしていると「内観」出来るのだと彼は言います。
自分の内側が出るのだとか。
釣りの時は、仕事や、釣り以外の諸々を考えることがなく、直観に従って川を歩くのだと。
正に道場に入る面持ちなのです。
自然を前にいつも謙虚な彼は、実際川に行くと、礼に始まり礼に終わっております。
横を流れる川の水の中に、見えずとも確かにそこに生きている魚達。
その岸を歩き、息をして生きている私達。
陸では人、水の中では魚が生息し、それぞれいる場所が変われば、もちろん生きていけないですよね。
何もなければ、ただ平行線で関わることのない君と僕の関係。
釣りは、その二つの生き物が、ある時一本の糸で繋がります。
それも大きな魚体と繋がった時は、かなりの力で引き合います。
(川の魚でさえ物凄い引きなのですから、きっとマグロなどの海の魚ならそれはもう、、、想像を絶します。)
私にも川で経験がありますが、一度それを体験すると、その力強さに驚愕し、恐怖さえ覚え、体中の細胞が活性し、集中力が高まり、原始のままの、素の自分になるのが分かります。
因みに、
男の人って、女性より力があって、筋肉量もあるのに、ある程度大人になってからの日常のシーンで、全速力で走ったり、男性が持ち合わせているその力を、力の限りウリャ~ッ!って出す事ってあんまりないですよね。
(アスリートの方や、肉体労働等のお仕事で日々「力」を出している場合は別ですけど、、、あ、運動会の綱引き?とかある地域ならあるのかなぁ?)
男性自身の持てる力を、めいっぱい出す。
特に男性は、そういうのが時には必要なのではないかしら?と、、、
勝手に私が思ってるだけですけどねww
もしかしたら、
川で大物と対峙する時の夫は、そういう感覚を無意識に体感し、原始の自分に戻り、心身のバランスを彼なりにとっているのかもしれません。
そして、何より癒されているのでしょう。
自然の中に身を置き、五感を研ぎ澄まし、川の流れを見て、そこにいる魚達から多くの事を学んだ、私にとっても、川での釣りは本当に貴重な体験でした。
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