『桔梗』

かすかに揺れながら
移りゆく季節(とき)の姿
誰ひとり気づきもせず
流れ過ぎて気がつく
あの人の声が聴こえるような
そんな気がして
ひそかに耳を澄ましてみても
夜の静けさ ただ虚しくさせる
暁露に我が立ち濡れて
長い髪を我が手に抱え
少しずつ膝の上に流してみれば
仄かに薫る桔梗は揺れて
長月の夜は更けゆく

何故あの人の面影を胸に抱き
萩の丘 見向きもせず
ひとり歩く月の夜
ひたすらに羽を振る鳥のよう
待つやも知れぬあなたの元へ
飛んでゆけたら
夜はしんみり ただ更けゆくばかり
影さえ見えて 世に忘られず
洗い髪に 風 心地よく
わずかなる紅い色の爪紅さして
仄かに匂う秋桜抱え
長月の夜は流れる

長い髪を我が手に抱え
少しずつ膝の上に流してみれば
仄かに薫る桔梗は揺れて
長月の夜は更けゆく

作詞・作曲 夢有眠

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