「アメリアの花」第3話
いつのまにか寝ていたようだ。目が覚めると、陽はもうとっくに暮れていた。いつの間にか弟の浩太も帰ってきているようだ。
浩太は野球をやっている。今日は始業式の後に練習があると言っていた。もちろんこれは僕の世界の話である。この世界でも、あいつは野球をやっているのだろうか。そんなことが気になって、急いで起き上がり、部屋を出た。一階に降りると、母さんと鉢合わせする。
「あら、やっと起きてきたのね。一回声かけたんだけど、全然起きなかったわねぇ。ぐっすり寝てたのね」
「あ、あぁ。あれ、浩太