20代で4人出産したUさんの場合【母親インタビュー#7】
母親インタビュー7回目!
今回お話を伺ったのは、20代で4人の子どもを産んだY.Uさん(40代/19歳女子・15歳女子・14歳女子・11歳男子の母)。
実はUさんとは前職の同僚です(ちょうど私が辞めるタイミングにUさんが入社したので、一緒に働いてはいません)。
入社時の印象は「若くてかわいい人が来た」。
...だったんですが、実は私より年上で、子どもが4人いるというギャップに驚きました。
しかも20代のほとんどを妊娠出産に費やしているという。
(21歳長女出産/25歳次女出産/26歳三女出産/29歳長男出産)
キャリアはどうしたの?4人も産んで何で綺麗なの?気になることを全部聞きました。
母親として
ー早速色々お聞きしたいんですが、21歳で1人目出産とのこと。結婚出産は早くしたい派でした?
U はい。20歳でできちゃった婚したんだけど、そもそも私が早く結婚したい人だったから、できたし結婚しようかって流れで。
ーその時仕事はしていなかったんですか?
U 医療事務してたよ。妊娠して辞めたけど。
ー専業主婦になろうと思って?
U 専業主婦になるつもりはなかったけど、入社してすぐの妊娠で、会社があんまり良く思っていないのが伝わってきて。そうなっちゃうのは分かるけど、うちらも若かったからそんな会社もういいよね、辞めちゃおうって、すぐに辞めた。
ーなるほど。じゃあ一時的に専業主婦みたいな感じですか。
U そう。私自身は「すぐに働きたい人」「ずっと家にいられない人」だから、すぐに就活したんだけど見つからなくて。2年くらい経ってどうにか見つかって、婦人科で医療事務の仕事をはじめました。
ーその後、2人目妊娠までの経緯を聞いてもいいですか?
U 実はもともと男の子が欲しかったから、勤めていた婦人科で産み分け方法を試してみたんです。だけどなかなか妊娠しなくて。1年くらい試してダメだったから、諦めて辞めたらすぐに自然妊娠したの(笑)。
ーおお、あるあるかも。妊活辞めたらできる説。
U ね。ストレスだとは感じてなかったけど、ストレスだったのかもしれない。で、結局また女の子で、その後もまたすぐにできて、また女の子(笑)。
ーなるほど。もしかして男の子産むまで頑張ろうと?
U ううん。実はもう3人目で締めよう(避妊手術)と思ってたわけ。だから一緒に手術できる帝王切開を希望してたの。1人目も2人目も帝王切開だったしね。でも結局、手術予定日より早く陣痛が来てしまって、そのまま下から産んだわけ。
ー帝王切開って1回やったら、ずっとそうなのかなって思ってました!
U 先生によるみたい。その先生は子宮が強かったら全然下から産めるよって言ってた。で結局、締められず。
ーじゃあ希望としては3人だった感じなんですね。でも最後は男の子だから結果オーライ?
U 予定外だったけどね。29歳だったから節目だし、那覇マラソンとかもやりたかったから、最初は4人目なんて無理って思った。だけど旦那は産んでほしいって言うから、色々喧嘩したけど見るって言ってくれたから、じゃあ産むかって。 そしたら男の子だった!で、それを最後に締めました。
ーなるほど。4人の子育てで一番大変だった時期って覚えてます?
U 三女が生まれた時くらいかな。年子だからね。次女と三女が生まれてからしばらくは記憶がない(笑)。保育料も3人分で10万とかかかっちゃって、お金もきつかった。
ーお金も時間もないってきついですよね....。どうやって乗り切ったんですか?
U もうね、助け合い。最後の方なんて保育料が払えないから三女だけ保育園辞めて、1年間おばあちゃんに見てもらったし。
ーだいたい何歳くらいまで大変でした?
U 小学校に入るまでくらいかなぁ。小学校に入ったらね、自分で歩いて帰れるし、ひとりでできることが増えるから、6割くらい手が離れるかな。
ー逆に子育てしてて嬉しいことってあります?やってて良かったなって思う瞬間とか。
U 今、一番下の男の子がレスリングの習い事してるんだけど、全国大会に出たりしてて。頑張った結果がついてきてるから、その応援をするのが今楽しいかな。あと女の子3人ももう大きいから、色々話せて女子会みたいで楽しい。
ーめっちゃいいですね。将来子どもたちにどんな関係でいて欲しいとかってあります?
U 助け合って生きて欲しい!
夫婦関係について
ーどうして早く結婚したかったんですか?
U 知識がなかったの。女は結婚して、子ども産んで、専業主婦になることがゴールだと思ってた。だったら若いお母さんって言われたい、みたいな。そんな安易な考えしかなかったんだよね。
ーいやでも20年続けてるからすごいですよ。20年、夫婦関係は良好ですか?
U 波はある。子育てに疲れ果てて喧嘩が増えて、お金がなくて喧嘩が増えて。落ち着いたと思ったら三女が生まれて、また余裕がなくて喧嘩。今はふつうに「家族」かな。
ー「家族」。今でも「好き」って感情はあります?
U ...う、うん(笑)。
ーどういうところが好きですか?
U やさしいところかもしれない。
ーどういう時にやさしさを感じますか?
U 料理作ってくれるし、喧嘩するとがーじゅー(頑固)な性格の私は絶対謝らないんだけど、先に謝ってくれるところかな(笑)。
ーどんな父親になって欲しいとかあります?
U うーん、多分ね、やってる方だと思うのよ。教育関係は全部任せてるし。長女には「将来看護師になりなさい」「離婚したとしても養っていけるようにした方がいい」って言ってて、そのための導きは全部旦那がしてた。逆に厳しい部分は旦那に任せて、私は辛い時に弱音を吐いたりフォローする係って感じかな。あえて言うなら息子びいきがすごいので、娘たちとも平等に接してほしいかも(笑)。
仕事について
ー20代の間はずっと妊娠出産を繰り返してきたわけじゃないですか。その間の仕事ってどんな感じでやってたんですか?
U 2人目の時働いてた婦人科も3年くらいで辞めて、産んだ後にすぐまた就活。そしたら内科のクリニックで働くことになったんだけど、実はすでにお腹に3人目がいて、約5か月間妊娠していることに気づかずに仕事していました(笑)。今じゃ笑い話ですけど、当時はまさかの出来事だったので申し訳ない一心で「すぐ復帰しますんで」って伝えて、育休は取らず産休に入りました。で、産後8週で復帰。
ー大変...!その間はじゃあ、子どもは祖父母ですか?
U そう。あと保育園。8週で入れてくれる保育園があったから、4人ともその保育園でお世話になりました。
ーそんな保育園があるんですね。そしてUさん、めっちゃガッツある...。体、きつかったんじゃないですか。
U まだ20代だからね。自分の親も旦那の親も協力的だったから、それも大きかったかな。しかも旦那がシフト制だから、私より家にいるっていう(笑)。だからお迎えの電話があったら、まずは旦那、お互いの祖父母、最終的に私の順番で対応していたので、環境がとても良かったなって思う。
ーすぐ仕事に戻りたいと思ったのは、どうしてだったんですか?キャリアを積みたかった?
U いえいえ。全然。長女の時に多分1年ぐらい家にいたんだけど、社会から取り残された感じがあって、それが本当に苦しかったかな。 旦那も当時は寮にいたから週末しか帰ってこなかったしね。
ーあぁ、それはきつい。
U そう。だからもう無理だと思った。
ー4人目の時も産休のみですか?
U うん。産休のみで復帰したけど、30歳の節目で色々考えるようになって。4人目が3歳になったタイミングで転職したんです。そこがP社(私とUさんが出会った会社)。
ーおお、なるほど。P社は何年ぐらい勤めたんですっけ?
U 4年とかかな。
ーなるほど。それで今は?
U 叔父さんの会社で経理をやってます。叔父さんは保険の代理店を自営業でやってるんだけど、なかなか身内でできる人もいなくて、最後に一番転職しやすい私に声がかかったんだよね。最初は断ったんだけど、小さい会社だから今いるお客さんを見てくれたらそれでいいって言うし、他にやりたいことがあるならやってもいいよって言ってくれて。じゃあやろうかなって。
ーそうなんですね!じゃあ継ぐ予定で経理を?
U そう。今は社員として経理をやってます。これを月~金やって、土日は個人で介護タクシーの事業を立ち上げたから、そっちをやってる感じ。これは会社とは別でね。
ー介護タクシー!すごいバイタリティ。
ご自身の話
ーUさんって自分のことをどんな人間だと思います?めっちゃ難しい質問だと思うんですけど。
U えー。むずかしいね。ずっと迷ってる人かな。
ー何に迷ってるんですか?
U 今まで何か1つのことに熱中したり極めた経験がないんだよね。部活をやるにしても、バスケしたけどやっぱ違うからバレーとか。そういう人生だから、なにか見つけたいってずっと思ってる。だけど最近は諦めてもいるかな。こういう性格なんだろうな。なんか見つけられないんだろうな一生、って思いかけている。
ー趣味とかないんですか?
U ないのよ。
ー子育てが趣味ということは?
U それもないかな。子育ては全然好きじゃない方だと思う。子どもは1人の個人だと思ってるから、それ以上でも以下でもないというか。
ーそうだったんですね。逆にすごい!でも4人子育てしながら、自分で事業作ってて、すごくチャレンジャーな感じはします。
U うん。やっぱり色んなことしたいんだよね。今迷ってるからこそ、今は色んな人に会って色んな話を聞きたいなって思ってて。その上で選びたい。だから常に縁は大事にしてる。あとこの前、何かの番組でひとつのものを誰かと創り上げる、みたいなのを見て感動して泣いたのね。そういうことがしたいなって思った。一人じゃなくて、色んな人と何かを創ること。
ーいいですね。合ってそう!
U 多分、青春時代を味わってないから、今になって来てるんだはず(笑)。だから今、結婚式の余興なんかも率先して引き受けてるよ。
ーそうか、青春時代を子育てに捧げてたから。今、自分のこと好きだなって思います?
U うん。うん。昔は違ってたけどね。今は自分のことを考える余裕や時間ができて、色んな人に会う機会が増えたから違う分野の話を聞いて勉強なるし、なにより楽しい。「楽しくしている時=自分を好きになれる時」なんだと思う。
ーなるほど!話飛ぶんですけど、子ども4人いるのに、なんでこんな綺麗なんですか?
U でも中学生の時は太ってたよ。転校生だったから友達がいないし、ずっと帰宅部でゲームばっかりしてたら太っちゃった。でも高校生になって、ダイエット頑張って痩せたんだよね。それからは太るのが怖い。妊娠出産したら太るじゃん?その都度、元に戻さないといけないって、めっちゃ努力した。
ー何したんですか。
U 若い頃は自然と痩せたんだけど、29歳で長男産んだ時は結構大変で、ウオーキングとかしてたかな。
ーやっぱ有酸素運動が大事なんですね。最後に、老後はこんなおばあちゃんになりたいとかありますか?
U そうだなー。デヴィ夫人のようなおばあちゃんになりたいかも。年齢を感じさせず、何事にも興味を持って色々チャレンジしているのをTVで見ると、自分も孫にいつもおばあちゃんは楽しそうだねって言われたいなって思う。
ーいいですね!ありがとうございました!