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ミス計画性!食いっぱぐれない人生設計が緻密なIさんの場合【母親インタビュー #4】

世の中の「母親」に、母・妻・娘・ビジネスマンの4つの顔についてお話を聞く企画、「母親インタビュー」

4回目となる母親は、友だちのS.Iさん(30代/2児の母)。

彼女と出会ったのは、なんと旧Twitter。当時Twitterでお仕事のアシスタントを募ったところ、応募してくれたのがIさんでした。面談で「めちゃくちゃ優秀な人が来てしまった...」とニヤニヤし、即採用。優秀なのに気さくな人柄で、効率的でありながら楽しく働いてくれました。

そんな彼女から妊娠を聞いた時はお仕事は続けられなくなり残念ではあったものの、嬉しかったし母になる姿が楽しみでもありました。その後、私も結婚して子どもを産み、今はママ友。人の縁っておもしろい。

現在は4歳(男)と1歳(女)の育児をする2児の母。今回は無痛分娩の話も聞きたかったので、妊娠出産の話から聞いてきました~。


妊娠出産について


ー妊娠前はピル飲んでたよね。ピルで妊娠時期を計算してたの?

I 大学生の時からピル飲んでました。生理日のコントロールができるのが魅力的で。割と数日単位でずらせるんですよ。社会人になってからも飲み続けていて、たまたま卵子の老化を防ぐ効果もあるってことを知って、じゃあそのまま飲んどこうかなって。だから明確に時期を計算していたわけではなくて、結婚して式を挙げたタイミングで「もういつできてもいいよね」ってピルを辞めた感じです。

ーなるほど。めっちゃ時期を計算してるのかと思ってた!

I 1人でできるものだったら結構緻密に計画を組んでやるタイプです(笑)。だけど相手がいるものは、思っていてもそうならないことが多いから計算してなかったですね。でも割ときれいにというか、いいスケジュール感で妊娠してくれました(笑)。

ーいいスケジュール感(笑)。出産は1回目が自然で2回目は無痛だったよね。

I ですね。本当は1回目も無痛がよかったんですけど、コロナ禍で急遽できなくなったんです。

ーやっぱ全然違う?

I ふたりとも入院して促進剤っていう順番は一緒だったので、陣発からの時間はどちらも5時間でした。だけど無痛分娩は痛みに耐える時間がほとんどなかったですね。ほぼ0。終わった後も5時間くらいで自分で歩けるようになりました。

1人目の時は、痛かったし筋肉痛もあるし、1ℓ出血したこともあって回復までかなり時間がかかったんです。全身の疲労感が全然違ってましたね。無痛分娩の方は、3日くらいで帰れるわって感じだった(笑)。産後3週間後の保育園の公園でやるイベントに普通に参加してるんですよ。

ーなるほど。回復度が全然違うんだ。3人目産む予定はある?

I 経済面を考えて2人で止めました。だから私ミレーナ(避妊リング)入れてるんですよ。器具を子宮に入れっぱなしにして、5年で変える感じです。

ー避妊リングしている人に初めて会ったかも。違和感とか痛みはないの?

I ないですよ。入れた時は生理痛みたいな鈍痛はあったけど、その日だけでした。避妊以外にもメリットがあって、ミレーナで運のいい人は5人に1人ぐらいは出血がなくなるらしいです。残念ながら私はなくならなかったんですけど、 量は少し減りました。それもめっちゃいいなって思ってます。

母親/仕事人として


ーどんな母親になりたいとかあった?

I あんまないですね。子どもはまだ幼児なので、どんな子なのかがまだ分からないし、結局その子に合わせてくしかないかなって思ってます。子どもの個体差半端ないじゃないですか。上の子と下の子を見比べても全然違うから、ビジョンを掲げられない。

ーめっちゃ意外。でもそうかも。子どもによって全然違うもんね。

I そうそう。お尻を叩いて欲しい子かもしれないし、放っておいてほしい子かもしれない。自分が介入する度合いは子どものキャラによって変わるのかなと思ってるので、今の時点では毎日生かすのみって感じです。

ーいいね。生かすのみ。今一番大変なことはある?

I 保育園の時間までに仕事を終わらせることと、仕事が終わらなかったとしても、その気持ちをあまり持ち込まず、子どもと夜向き合うことですかね。

ー分かりすぎる。仕事はどう?復帰してどれくらいだっけ?

I 今まだ育休明けて1ヶ月半なので、今はまだどうにか回ってる感じですね。忙しくはありますけど、期待してくれてるのが分かるので、そこに応えたいなって感じです。かなり忙しくなりそうな気はするので、その時はどうなるか分かんないです(笑)。

ー仕事内容は育休前と同じ?

I 同じ法人営業です。部署が変わったので顧客は変わったけど、やることは基本変わらず。変わったといえば1人目の育休明けから時短で働いてるんですけど、それを継続してるくらいかな。新しい部署の顧客は以前より少し大きい企業さんに変わったんですけど、私は割とそっちの方が合ってて。だから本当はもうちょっと仕事したいんですけど、どこかでバスッと切らなきゃいけないので、そのフラストレーションはありますね。

ーそうだよね。仕事を終えて育児に切り替えるために工夫してることってある?

I 事務所を出て、迎えに行く道筋で切り替えるようにしてます。「ここからは今日の第2弾・育児編へ」「もう一回出勤です」(笑)。

ーそれいいね!第2弾。

I フルタイムで働いている人には「仕事が早く終わっていいね」って思われるかもしれないけど、「いやいや2個仕事してますからね」って私は思ってます。毎日2個仕事してて、偉いと思います。

ーホントそうだよね。夜はどう過ごしてるの?子どもたちは夜泣きする?

I それがですね、うちの子たち、夜泣きが全然ないんです。上の子も下の子もないんですよ。だから夜はだいたい試験勉強に費やしてます。

ーそうだった。中小企業診断士の勉強してるんだよね。勉強は何時から何時までやってるの?

I やるとしたら平日は22時~0時です。でもやれてない時も多いんですよ。いろんな用事が夜の時間に入っちゃう。仕事が入ったり、寝かしつけが押したり、なんなら寝落ちしたり。 あとは土日の朝に時間もらって、スタバ行って7時から9時までちょっと勉強してくるねとか、子どものお昼寝中とか。

ーすごいなぁ。自分の時間はある?

I ないです。全然ないです。Xをたまに見るくらい(笑)。

ーX(笑)。推し活とかは?(笑)

I 私、推しとかいないんですよ(笑)。家にふたりもいるから十分。二次元に興味がなくて、現実とか日々の日常が好きなんです。ドラマとかYouTubeも全然見ない。

ーそうなの?!ストレスたまらない?

I 逆にテレビ見た方が時間がもったいないって思っちゃうかも(笑)。

ーじゃあ今の人生の時間配分は、育児と仕事と勉強のみ?合間でX?

I ですね!

ーすごいね。Xってもう空気みたいなものじゃない?Xの時間が取れた~!って感じではないじゃない。

I ないですね(笑)。時間が取れた感があるのは今だと勉強ですね。

ーいやすごい。どうやって息抜くの?

I うーん(笑)。あ、でも子どもと遊ぶ時間が息抜きになってます。昨日も朝、奥武島の海で磯遊びして、コンビニでお昼ごはん買ってグスクロード公園で食べて、子ども遊ばせて帰ってくる。その道中でスタバを買って、親たちは飲む。楽しいじゃないですか。 帰ってきて親たちは交互にお昼寝をして、夕方パルコに行く。これで十分楽しいです。

ー自分の時間が欲しいとはならないの?

I 勉強するために欲しいって感じですね。でも私、考えてみたら昔から趣味がないんですよ(笑)。だから母親になる前は暇だったんです。沖縄に移住してきてからは友だちもいないし、お酒も飲まないし。夜とか暇すぎてカーシェアで車借りて、意味もなくドライブしてました。

ーなるほど!子どもを産んで逆に暇じゃなくなった感じなのか。やるべきことがいっぱいある感じは、わりと苦じゃない?

I 苦じゃない方だと思います。むしろ無の時間が耐えられない(笑)。だから、実際の利益になることの方が楽しいかもしれない。無駄なことができない、もったいないって思っちゃう。

ーそれは昔から?

I そうですね。そんなに裕福な家庭の育ちじゃないので、 お金が大事ってすごく思っていて。DNAレベルで刻み込まれてるような気がします。身になることをしていないと気持ち悪いとか怖いっていう、脅迫観念みたいなのはあるかもしれないです。

ー子どもと過ごす時間ってわりとゆっくり流れるじゃない?それは平気なの?

I それは平気ですね。子どもとの時間は私にとって人生の大事なミッションだし、子どもと向き合うことは自分のやりたいことの1つなので。そこは全然削ろうとは思わないです。

ーなるほど!重大ミッションは他にもある?

I とにかく幸せな家庭を築くってことが最上位にあって、その下に色々ある感じですね。勉強とか仕事はそのひとつです。仕事は自己実現の手段としても楽しいですし、一生懸命やってますけど、やっぱりそれは働いたお金を自分の家庭にいい形で還流させたいって思いの中にある、あくまで1つのパーツかなと思ってます。結局は自分の家族がハッピーなことを1番大事にしてるんですよ。

ーなるほどね。将来子どもとどんな関係でいたい?

I 本当に困った時は頼って欲しいなって思います。帰ってこれる基地的な感じですかね。親が原則先に死ぬので、基本的には自立してもらって、 やりたいことはどんどんやってもらった上で「まじでお金ない」とか「どうしてもこれがこうやりたくて使っちゃったから頼む」みたいなのは健全に言えるようになって欲しい。

ー幼児の時点でそう思ってるのすごいな。中学生くらいの子どもがいる人と話してる気分になってきた(笑)。

妻として


ー夫さんとは大学生の頃から付き合ってるんだよね?結婚と移住は同じタイミングだったんだっけ?

I そうですね。東京の大学で一緒だったんですけど、彼は卒業後に沖縄で就職したので実は卒業後はずっと遠距離だったんです。1年くらいかな。だからトータル2年付き合ってるけど、実は近くにいた期間は短い。

ー移住するタイミングで結婚したんだよね。沖縄に行くことは割とすぐ決めたの?

I そうですね。割とすぐ。私も地方出身なので、東京でずっと生きてくイメージは持ってなかったし、子どもが欲しかったので、沖縄ならのびのび生きられるかなって。

ー夫さんはどんな人なの?

I とっても静かな人ですよ。おとなしくて静かな人。

ーIさんと正反対だ(笑)。子ども産んでから関係性って変わった?

I 変わりましたね。今は戦友です。同じ目的を持った家庭の共同運営者。

ーいいね。子育てはどう?分担できてる?

I よくやってくれてる方だと思います。ごはんも作れるし。時々「男性の割にやってくれてる」って表現があると思うんですけど、その考え方はあんまり好きじゃなくて。だって一緒に働いて一緒に子どもを育ててるのに、女性が多く持つのが前提なのはおかしい。男性の割にやってるよねっていう見方はしたくないので、あくまで一緒に頑張りましょうねってスタンスです。

ー大事!じゃあ男性の割にとかじゃなく、ちゃんと分担には満足できている感じ?

I そうですね。我が家としては今がベストだと思ってます。本当は夕食の時間に帰ってきて欲しいとか、なんなら週1回は自分の代わりにお迎えに行って欲しいとかはあるけど、現実的に考えて2人とも時短を取得するのは家計への打撃が大きいので難しい。私の給料が上がっていく余地よりも、 彼が今後昇給していく余地の方が大きいから、私の上がり幅が少ない分、我が家の分担はこのあたりが落としどころかなと。

ーさすがすぎる。将来も見越したうえで分担の割合を計算してるんだ。

I そうですね。私は時短勤務で最大限仕事ができる状態を確保しつつ、彼を上げていく方が、世帯で考えると効率がいいかなっていう判断で我慢してます(笑)。本音を言えば、もっと働きたいですけどね。

ーいやでもすばらしい。賢い。中小企業診断士の資格を取ったら、そのタイミングで分担の比率は変わってきそう?

I いや、中小企業診断士はもう趣味なんで(笑)。

ーすごい趣味だなぁ(笑)。

I 余暇を使ってマネタイズできたらいいなくらいです。それこそ三好さんの仕事をお手伝いしてた頃くらいのテンションでやりつつ、経験を積みつつ、もう少しお年を召したら、いつかそっち1本でやってみたいな、くらいの感じですね。いつかの種まき。

ーどう転んでも食いっぱぐれがないね。

I 結局怖いんだと思います。食いっぱぐれるのが。そこに囚われてるような気がします。

ーIさんは計画的なタイプじゃん。そこに夫さんはどういうスタンスというか、どういうポジションで存在しているの?

I よろしくねって感じです(笑)。任せてくれてる。彼はゴーサインを出すだけというか。だから私が彼に確認する時は、決済者に何かを聞くときの態度ですね。こっちで全部用意しといて「これはこうでこうだと思うからこれでいいよね?」「いいんじゃない」みたいな。

ーすばらしい。夫の「なんでもいいよ」に妻がキレるパターン、結構あるあるだと思うんだけど、それがない(笑)。そこは期待してないってことなんだよね。

I 一応確認はしますけど、任せてもらってリサーチは全部した上で提案するのは趣味みたいなもんなんで(笑)。

ーすごい(笑)。ベテラン秘書だ。

娘として


ーめちゃくちゃしっかりしてるなっていつも思うんだけど、小さい頃はどんな子どもだったの?

I 昔からこの感じでした(笑)。3歳くらいの頃から上のお兄さんお姉さんに絵本を読んであげたりしてたみたいで。3歳からずっとSちゃんはしっかりしてるねって言われてた。

ー家はどんな家庭だったの?

I ハッピーな家庭でした。私、自分の家庭が大好きなんです。特に母をすごく尊敬していて、自分もお母さんみたいな家庭を持ちたいなって思ってたんです。中学生とか高校生とかからそう思ってました。

ーどんなところを尊敬してた?

I たとえば私は北海道の田舎の出身なんですけど、早く北海道を出たいと思ってたんです。地方だと「 わざわざ出る必要ないよね」とか「別に高卒で働けばいいじゃん」っていうのが全然まかり通ってしまうんですけど、専業主婦の母がそれを当たり前に受け入れてくれて、応援してくれてたんですよ。それってあんまりないことかなって。

ーたしかになかなかないのかも。

I うちの母は高校に行けなかったんです。8人兄弟の末っ子だったので、行かせてもらえなかったみたいで。それなのにたまたま出来の良かった娘を本心で応援してくれて、大学まで送り出してくれるってなかなかできることじゃないかなって。

ーお母さんとのやりとりで印象に残ってることある?

I すごく印象に残ってることはないんです。特段エピソードがあったというよりは、日常がよいものだった。子どもの話をめちゃくちゃ聞いてくれる人だったから、学校から帰ってきたら今日あったことを全部話してました。それがすごく楽しかった。もちろん家にいてくれたからっていうのは大きかったし、だからといって私が家にいたいっていうのはないんですけどね。

ーなるほど。いざ自分が母親になってから、母親の真似とか応用してることってある?

I 話を聞ける限りは聞いてあげたいなって思います。働いている分、母よりは子どもと接する時間は圧倒的に短いですけど、時間の限りちゃんと聞いてあげたいし、基本的に子どものやりたいことは応援してあげたいですね。

ーお父さんはどんな人だったの?

I それがですね、うちの夫に似てるんですよ(笑)。後から気づいたんですけど、好きなものも性格も似てる。THE・真面目に仕事してきた昭和のサラリーマンです。家のことは全部母親が決めてた。

ー同じ構造を辿っている(笑)。母親の方が圧倒的に存在感が大きかったんだ。

I そうですね。だから父親のことは普通にいい人だなとは思うけど、無害な存在という感じ(笑)。母親とは今でも仲良くて、定期的に連絡とってます。それこそ週5くらいでスカイプ繋いでます。

ー週5でスカイプ?!

I 夜ごはんの時にパソコンで繋いで、一緒にご飯食べてる感じで会話してるんです。平日は夫の帰りが遅いんですけど、私も大人と喋りたいじゃないですか。

ーそれいいね。今度やってみよう(笑)。

将来について


ー老後はどういう暮らしをしていたいとかある?

I ずっと働いてたいですね。またこの話になっちゃうけど、暇じゃないですか(笑)。毎日じゃなくてもいいから、可能な限り一生働いていたい。ほかに何をしたらいいのか、分からないんです(笑)。

ー南の島でのんびり暮らしたいとかはないの?(笑)

I そういうのは全然ないです。暇じゃないですか(笑)。海何分見てられるかな、海見ながらX見てるかも(笑)。

ー爆笑。そうか、お年寄りが海見ながらX見る時代が来るのか。なんか中小企業診断士の資格を取っても、また別の勉強をはじめそうだね。

I 全然あると思います。勉強すること自体に意義を見出したくはないとは思ってるので、あくまでも手段と思いつつも、やることあんまないんですよね。

ー(笑)。やっぱりレアキャラだなぁ。

I 趣味ないやばい人間のインタビューが出来上がりそうですね(笑)。

ーそれはそれでかなりおもしろい(笑)。お金の心配が一切なくなった時、どうなるんだろう。

I どうなるんでしょうね(笑)。虚無ですよ、虚無(笑)。

ー最後までキャラが一貫してていいね(笑)。ありがとうございました!


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