言葉ひとつに生き方が宿る
しばらく頭から離れない言葉があった。以前「マツコ会議」で満島ひかりさんが言った一言だ。
「成功とか失敗とかどっちでもよくて、自分が今持っているエネルギーが一番いいように循環するのがいいと思ってる」
以前から満島ひかりさんの独特な雰囲気が大好きで。柔らかくていい意味で軽くて、だけどうまく他人と距離をとってるところとか、芯が強そうなのに儚げな感じとか、あの不思議な魅力はどこから来るのだろうと思っていた。
で、この言葉だ。なにを考えて生きていけばその考えに至れるんだろうか。
失敗を恐れないことの素晴らしさはよく語られるけれど、そもそも恐れるどころか、失敗も、成功すらも「どっちでもいい」と言い切ってしまう強さ。いや、強さというより潔さ?
とにかく私も、そんな風に考えられる人間になりたい。だってもしも私が満島ひかりさんくらい有名だったら、成功してるという実感に酔いしれるだろうし、失敗したらやばいと怖くなるから。
それなのに、それどころか。自分の今持っているエネルギーが”一番いいように”循環することを大切にできる芯の強さと感度の高さ。それこそが満島ひかりさんの放つ魅力の根源なのかもしれない。
で、すごいなぁ素敵だなぁと思いながら数日間熟成させていたのだけれど、最近ある考えに思い至った。
満島ひかりさんは、いつだって自分の考えや感じたことを、ないがしろにせず生きてこられたんじゃないだろうか。その結果、あの考えに、発言に至ったんじゃないだろうか。
自分をないがしろにした方が、生きていく上で楽だったり、うまくコトが運ぶシーンは多い。だけど楽を選ばずに自分自身を諦めないことが、思考や言葉にきっと宿る。宿ってしまう。
ならば文章を扱う仕事をしている以上、無意識にでも自分自身を諦めることで生まれる言葉を世に届けたくない。私も、自分が今持っているエネルギーを観察し、いい風に循環する人生を選んでいきたい。
いつか「成功も失敗もどっちでもいい」と言えるような自分になりたいな。