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9月の日記 〜手に染み込んだ醤油の愛しみ〜

1日(日)
朝から晩まで息子とアクティブに過ごした1日。たいへん疲れたがたくさん笑った。ふと、小説『海と毒薬』にて、とある人物が飼い犬を「愛のはけぐち」と表現していたことを思い出す。いくらでも愛を注げる相手がいるということはとても幸せなこと。

2日(月)
土日にたくさん遊んだからか、原稿の進みがすこぶる良い。休日はちゃんと休んだ方がよい。

3日(火)
文章に悲しい感想をもらい落ち込む。心を動かせないわたしの実力がすべて悪い。

4日(水)
合同説明会を見たことがなかったため、見学に行くことに。行った先で、素敵な活動をしている人と素敵な本に出会う。出かけてみるもんだ。

5日(木)
母に母の顔面がプリントされたどらやきを送った。花もアクセサリーも喜ばない母は面白いものが大好き。笑ってくれてなによりだった。笑いのツボが合うとプレゼントを贈りやすい。

6日(金)
母に顔面どらやきを送ったことを友人にLINEすると「これどらやきもあるんだ!」と返信んあり。その後、知らない女の顔面がプリントされたマカロンの写真が届いた。「わたしこれのマカロン版を友だちにプレゼントしたことあるよ」とのこと。夜中にフフッて声出た。わたしはこういうシーンに友情を感じるタイプ。

7日(土)
最近のいちばんの楽しみは息子と海へ行くこと。海も空も、海ではしゃぐ息子も、海の後食べるおにぎりも海後の疲労感もぜんぶ大好き。

8日(日)
息子が獅子舞にガブされて大泣きしているのを見て突然、謎の幸福感が押し寄せる。育児をしていると、よくわからない種類の幸せが込み上げてくるから不思議。突然発狂したくなる日も多いけれど。

9日(月)
誰かが自分らしさを取り戻すことは幸せなことだと思っていたけど、『そして夫は完全な女性になった』の要約文(X)を読み、そうか近親者が苦しむこともあるのだなと思った。本を読んでいないけど書かれてある状況を想像すると割と地獄で、ご本人は長年押し殺してきたものがあって止められないのも分かるが、対話とペース配分が必要だよなと。とりあえず本は買うことにしたが、きっとすぐには読めない。

10日(火)
夕食を作っていると、息子が突然「ヤキイモ、タベタイヨー」と言い出す。夫が読み聞かせていた絵本に焼き芋が登場したようだ。わたしもちょっと食べたくなったので、みんなでスーパーへ買いに行く。180円で買った焼き芋はお値段以上にあまくておいしい。わたしが用意した料理は冷めたり硬くなったりして散々だったが、ノリで買いに行った焼き芋が抜群においしいことの喜びが勝っていていい夕飯だった。たまにはいいよね。

11日(水)
仕事をいくつか断った。無理をすればできたけど、無理をしないことにした。代わりはいるのだ、いくらでも。それよりも自分がいっぱいいっぱいになることが怖かった。そして風邪をひいた。断ってよかったぁ。

12日(木)
わたしの風邪が息子にうつったようで、夕食ほとんど食べず。わたしも食欲がなかったので、ふたりして夕飯を残し、ゼリーとみかんとアイスを食べるというだらしないことをした。たまにはいいよね。

13日(金)
この歳になると、いやこの歳だからこそ今まで選ばなかった方を選んでみることで世界が広がる、と感じる出来事が相次いでいる。たとえば人に相談すること。人に教えを請うこと。

14日(土)
台風時の育児対策として、誕生日級のおもちゃを買うもまさかの台風不発。ちょっと悔しいが、何事もなくよかった。やっぱりちょっと悔しい。

15日(日)
ワンオペ育児の日が1週間でいちばん楽しい。

16日(月)
久しぶりに家族集合。夫がいると体力的には少しばかり楽だが、精神的疲労度はアップする。自分の優先順位が3番目になるからだろうな。

17日(火)
仕事も多読スタイルにしようと思い立ち、午前と午後で3つの案件を3割ずつくらい進めた。いい。夜、運動会の感想を書く紙が保育園から手渡され、気の利いたことを書こうと思うもありきたりな文しか書けず、なにがライターだと思う。

18日(水)
2ヶ月続けて楽しみな飲み会を台風に潰されて(_| ̄|○)の絵文字が脳内にずっと鎮座している。

19日(木)
息子がふりかけにハマったことに私も夫も影響され、各々が好みのふりかけを追求するようになった。気づけばみんなそれぞれに好きなふりかけごはんを食べる食卓ができあがり。ちなみに大人2人はまず白米でおかずとの相性を楽しむため、自動的に2杯以上ごはんを食べる習慣ができてしまい、体重増加中。

20日(金)
この年になって必要なのは、実はうっすら気づいていることにちゃんと気づくことだと学んだ日。

21日(土)
わたしはさまざまな人と少しずつ喋れる異業種交流会的なあつまりが結構好き。

22日(日)
ワンオペ。子のイヤイヤ期vsわたしのイヤイヤ期。

23日(月・祝)
家族みんなで川へ。川に行く前にハッピーモア市場でお弁当を買っていると、ピザの試食に遭遇。食べられるものはなんでも食べたいわたしはすぐに向かう。試食してすぐ、夫がおいしさに感激し、今すぐに買いたい!と熱意を表明している。わたしはこんなにも試食で感激したことがなくて羨ましかったが、冷凍ピザを今買うわけにはいかない。川の帰りにまた来て買うと言い出したので、ちょっと道順的にめんどうだな...と思っていると、別の場所でも買えることを店員さんが教えてくれた。夫は家の近くでも買えるっぽいことがわかり、なだめられるようにしてその場を後にした。

24日(火)
夜ラーメン食べに行こうという誘いを2日連続で断られた。

25日(水)
打ち合わせ。尊敬する先輩が「思い返すとあの時あっちを選んでいたらもっと成功していたかもしれないと思うことはあるけど、総じて今『私にしか生きられない人生を生きてるな』と感じてる」と仰っていて、他人軸の「成功」よりも「私にしか生きられない人生を生きている」実感の方がよっぽど人生に成功していると思った。お昼ごはんはひとりでラーメンを食べた。

26日(木)
保育園から呼び出しがあり、午後はわたしが見ることに。溜まっていた仕事のことを瞬時に頭から切り離す...ことが当然できず、苦しんでいたが2時間くらいでどうでもよくなった。どうでもよくなると脳みそがリフレッシュしたのか、仕事のアイディアが突然思いついてラッキー。

27日(金)
息子、元気がなかったり大泣きしたり大笑いしたりする。絵に描いたように不安定で心配。不安定な人間を支えるには自分が安定していないといけない。

28日(土)
お風呂で息子の体を洗ってあげると、真似して息子がアンパンマンの小さなマスコットを丁寧に洗いだしたので「なんてやさしい子」と思った。見守っていると、全メンバー洗っており「なんてやさしい子」と思った。

29日(日)
めちゃくちゃよいセミナーを聞いた。noteに書いたのでぜひ読んでください。

30日(月)
40年以上料理に向き合い、醤油もガリも手作りだというマスターのお寿司。醤油が染み込んでいるような指だった。長くやるということは、その職業を自らの心身に染み込ませるようなものなのかもしれない。

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