【浦和明の星女子中学校2020年度入試算数第4問】いよいよ問題が本格化
さて、浦和明の星の問題も今回で5回目。大問に入ってから3問目ですが、いよいよ本格化してきました。
浦和明の星女子中学・高等学校
2018年9月23日、Urawa-akenohoshi撮影、Wikipediaより
問題
1から300の数を1枚に1つずつ書いた,同じ大きさの正方形のカードがあります。
これら300枚のカードを,1のカードの右に2のカード,その下に3のカード,というように,時計の針が進む方向にうずをまくようにして小さい順に並べていきます。下の図は,カードを11枚並べ終えたときの様子を表したものです。
(1) カードを25枚並べ終えたとき,25のカードを同じ縦の列および横の列にならんでいるカードは,25のカードを含めてそれぞれ何枚ありますか。
(2) カードを順に並べていくとき,100のカードのまわりはどのようなカードになりますか。下(原文は右)の図のア,イ,ウに当てはまる数を答えなさい。(下図のa, b, c がア,イ,ウです。)
(3) 300枚のすべてのカードを並べ終えたとき,300のカードと同じ縦の列および横の列に並んでいるカードについて,それぞれ最も小さい数を答えなさい。
(注) ○のカード(○は数字)と書かれている数字は,原文では四角で囲まれた数字です。
解答解説
この問題は、今までの問題よりも骨が折れます。決して難しくはないのですが、きれいに解く方法がなく、地道に考えていくほかなさそうです。
ただし、同じ数を2回かけた数(平方数と呼ばれています)のカードを並べ終えたときに正方形になることに注意すると考えやすいかと思います。
平方数は1, 4, 9, 16, 25, 36, 49, 64, 91, 100, 121, 144, 169, 196, 225, 256, 289と続いて、18 × 18 = 324 は300を超えるので、下で確認するように、右上から左下に行く途中でカードがなくなることになります。
・1
・2~4:右上から左下
・5~9:左下から右上
・10~16:右上から左下
・17~25:左下から右上
(以下続く)
さて、まず (1) は、25が平方数であるため、きれいに 5×5 の正方形ができているはずです。ですので、(1) どちらも5枚ということになります。
次に (2) ですが、100も平方数です。しかも、10 × 10 = 100 と、偶数の平方数ですので、右上から左下に到達したところで出てくる平方数です。したがって、アは1つ前の偶数の平方数、ウは1つ後の偶数の平方数となります。また、イは100の次の数となります。
したがって、(2) はア 8 × 8 = 64、イ 101、ウ 12 × 12 = 144 となります。
さて、問題の (3) です。これがちょっと面倒かと思います。泥臭く求めるしかないように思います。時間がかかる可能性があるので、本番ではひとまず飛ばしていいような気もします。
まず、直前の平方数は 17 × 17 = 289 なので、17 × 17 の正方形の右上の端に 289 がいます。289の右隣に290、そこから下に10個進んだところに300が置かれることになります。
ということで、縦の列で最も小さい数字は簡単で290となります。
問題は横の列。これは実際に概略図を描いた方が早いと思います。
実はマス目をきれいに書く必要はなくて、実際に書きたいのは平方数の部分と290から300までの部分、それだけです。(135については後ほど)
これを見るとわかるように、300と同じ横の列には16という平方数があります。これは、右上の10から左下の16までが連続して並んでいて、300と同じ横の列に並ぶのは13, 14, 15, 16 となります。これ以外の数字は16より後に書かれるので、当然大きな数字です。
これで、横の列の最も小さい数字が13であることが分かりました。
よって (3) の答えは縦の列の最も小さい数字 290、横の列の最も小さい数字 13 です。
この問題のカギは「平方数」で、平方数+1~次の平方数を一つのセットにして考えると理解しやすくなります。
最後の問題はちょっと難しいかもしれませんが、並べている原理を平方数と結びつけて考えると解きやすいのではないかと思います。
ただし、今回は最も小さい数字なので、その数字の列(もしくは行)の最初の数字と行(もしくは列)にある内側の連続する数字を求めるだけで簡単に求まりますが、もし「135と同じ縦の列および横の列に並んでいる最も大きい数字」だとちょっと面倒だと思います。
参考までに,135と同じ縦の列の最も大きい数字285、横の列の最も大きい数字259です。
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