隠れ毒親と離れて一人暮らしを始めた話
一人暮らしを始めて1年が経ったので、そのときのことを書きます。
ものすごくひどい親ではないけれど一緒に暮らすのがしんどい、だけど一人暮らしをする自信がないという方の参考になれば嬉しいです。
■一人暮らしを始めた理由
端的に言うと、母親と一緒に暮らすことがしんどくなったことが理由です。
私の母親はいわゆる隠れ毒親です。
他人からするときっと問題なさそうに見えるけれど、否定的、過干渉な面が強いところに私は毒を感じていました。(母親のことは今後書きたいと思います。)
友達にいたら嫌だなって思うような人と一緒に住んでいた、みたいな感覚が近いかなと思います。
学生の頃は研究やアルバイトで忙しかったため、親と過ごす時間も年相応に少なかったと思います。
2021年4月、新社会人として入社した会社はコロナの影響でフルリモートであったため、私はほとんど家にいる状態が続きました。
もちろん、新しい環境でのストレスもありましたが、在宅により母親に心を乱されることが増えたことが最もメンタルに負担がありました。
次第に母親以外のことでも、自分の身の回りのちょっとしたこと出来事で嗚咽したり、イライラしたり、極度に不安を感じて眠れなくなることが増え、こんなの今までの私じゃない、おかしいと自覚し始めました。
それに加え、以前まではうっすらとしか考えたことがなかった暮らしの終わらせ方を具体的に想像するようになりました。(このあたりから、病院へ通うようになりました。診断としては不安障害です。)
母親に縛られていると思っていたけれど、自他境界がないというか自分も母親と結びつけてばかり考えていると気が付いてそんな自分も嫌でした。
早く母親と離れたい、ちゃんと自分で自分の人生を生きたいと思って一人暮らしを考え始めました。
■一人暮らしを決心したときのこと
病院の初診の少し前の頃、(初診予約が少し先になってしまったが耐えられそうになかったため)
別のオンラインサービスでビデオカウンセリングをお願いしました。
自分の気持ちや悩み事を話す中で、一人暮らしをしたいと思いつつも、
・こんな不安定な状態で一人暮らしをしても大丈夫だろうか
・やっぱり不安ですぐに実家に帰ってしまうのではないか
・家事がうまくいかなくてつらくなってしまわないだろうか
などとなかなか踏み出せずにいることも話しました。
カウンセラーさんは、
「自立すべき年齢で親に対してそう思うのは悪いことではなく、通常のこと」と肯定しつつも
「親へのイライラがなくなれば安定するから一人暮らしをすべき」とはっきりと断言しました。
その言葉に勇気づけられて私は一人暮らしを決心しました。
今思えば、初めてリモート上で会ったカウンセラーさんの言葉ですぐに決心したのもすごいことだったなと思いますが、その時ほとんど限界を迎えていた中で安心感と心強さを与えてくれたから決心できたのだと思います。
■一人暮らしを認めてもらう
私は今まで母親に相談したことがほとんどありません。
話しても相談に乗るのではなく、意見を押し付けることを知っていたから。
しかしながら絶縁ではなく円満にしたいと考えていたため、一人暮らしをすることの説明がどうしても必要でした。
インターネットで情報を集め、事前相談ではなく「事後報告」で押し切ったという経験者の声をいくつか見つけたため、その方針で対応することにしました。
私は一旦は会社の寮(借り上げのマンション)に住むことにし、
・金銭的な問題はないこと
・同じ会社の人が住んでいるため、近所トラブルなどの心配がないこと
を明確に示して会社に届を提出したことを報告しました。
初めは怒っていましたが、父親がなんとか説得してくれ、一人暮らしできることになりました。
■一人暮らし開始~現在について
人のことで心を乱すことが格段に減り、確実に格段にメンタルが安定しました。
日々通っているカウンセリングの効果もありますが、
前の自分を取り戻しつつあること、自分の感情を自分で持てていることを感じます。
自分の状態をもっと知って自分で対処していけるようにとたくさんの本を読み、着実に自分の足で立てるようになってきていることも感じます。
あとは実家ではワイドショーのテレビ番組をつけていることが多かったのですが
・コメンテーターの話に反発した意見を自分の中で出してイライラしてしまうこと
・衝撃的な表現、見せ方をして傷つくこと
が嫌で、一人暮らしでは客観的な事実のみ伝えるものしか見ないようにしたのもよかったです。このような実家でのちょっとした好みの違いも少しずつストレスになっていたんだなと実感しました。
正直、ぼんやり終わらせたいなと思う波はまだたまに来ます。
だけど、自分にとっては一人暮らしをきっかけにいい方向へ向けることができたと思っています。
一人暮らしを始めたら必ず誰にとってもよいとは限らないはずですが、
私のひとつのプラスの経験によって誰かを勇気づけることができたら嬉しいです。