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カサブランカの混沌と、モロッコのタブーと
9月29日
道を歩いてる人に「おはよう!」と声をかけて、強い口調で「ノーッ!」って返されたらムカつくよね。
カサブランカで、そういうことがありました。
声をかけてきたのは地元のお兄ちゃん。
ノーと発したのは、船を降りて私の前を歩いていた日本の方。
ジモティーはご立腹の様子で、「なんだよ。挨拶しただけじゃん⁈」と英語でまくしたてる。
ノーさんは英語がわからないのか怖くなったのかで、知らん顔。
ジモティーが今度は私に向かって文句を言い始めたので、「そうだよねえ、ごめんねえー」といなして離れました。
ノーさんのふるまいも、わかんないわけじゃないんだ。船を降りるとすぐに、タクシーどうだ?ツアーどうだ?と、アラブ系統のいかつい顔のお兄さんたちが寄ってくるからさ。
おはようと声をかけてきたのも、おそらく客引き。でももしかしたら、ホントに挨拶しただけなのかもしれなくて、だとしたら申し訳ない……。
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というわけで、昨日はモロッコのカサブランカ。
セールスにいそしむ方々のグイグイくる感じは、カイロとよく似てる。カイロのほうがもう少し無秩序だったかな。
道路には信号のある場所もあるけど、みんな車の間を縫ってスイスイ渡っていく。車の方も結構なスピード出してるので、見てると怖いよ。
しかし、そうやって渡らないと行きたい場所に行けないから、一日が終わる頃には私もだいぶうまく渡れるようになりました♪
コツは、焦らずに歩くこと。車の方が勝手に止まってくれる。
私ら、どうしても早く渡らなくちゃと気が急いて、ちょこまか小走りになりがちなんだが、「道路を走るのは日本人と泥棒だけ」と言われたよ。んで、日本人認定されると、小金持ってるし押しに弱いしで、ワラワラと売り子さんに囲まれるのであります。
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映画「カサブランカ」の、ロマンチックかつエキゾチックなイメージがあって旧市街に行ってみたかったけど、途中で道に迷いそうになって断念。ここで迷子になったらシャレにならないごちゃごちゃ加減だったのでね。
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代わりに、広場の近くでバザールを見つけて少し歩いてみた。おそらく観光客相手の場所だと思うんだけど、いかにもアラブの市場的な雰囲気で、ヘタレ日本人にはちょうどいい経験かな。
ヘアオイルがなくなったところだったので、アルガンオイルの小瓶を一つ買いました。店のオヤジが「無添加!無香料!」と盛んに言ってたけど、どうなんかなあ。あまり信用はしとりませんw
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モロッコという国のことはほとんど何も知らず、カサブランカに降りて初めて、あーイスラム教の国なんだと認識した。
女性は皆、スカーフみたいなもので髪をおおっている。
ふと見上げると、作業中のクレーン車のてっぺんに絨毯を敷いて、お祈りしてる人がいる。
街の中にはたくさんカフェがあって、道路にも椅子とテーブルを出しているんだけど、中も外もお客は全員男性なの。これも何か宗教的な決まりごとなのか? トラブルになりそうだから写真は撮らなかったけど、どの店でも全員男性客というのは、少し異様な感じがした。
一度「ここはカード使えますか?」と聞きに入ったら、お客さんたちにジロッと睨まれたような気がするんだが、気のせいかな。
男女七歳にして席を同じうせず、というのは儒教の教えだったか? カサブランカでそのフレーズを思い出したよ。ハッサン2世モスクという、立派なモスク(信者がお祈りをするための場所)があるんだけど、モスクに入る時間は男女で決まっているみたい。
地下に女性用の場所、みたいな広場とトイレがあったり(写真を撮ろうとしたら、ダメと言われちゃった)。
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カサブランカには英語の表記がほぼない。全くわからんアラビア文字みたいなのとフランス語表記なので、色々とわからないことが多かった。モスクの標識なんかも、ほとんど理解できないのが残念だったな。
タクシーとの交渉や露店でのやり取りは、お互いにブロークンかつ稚拙な英語で、笑っちゃうような応酬。現地の人は顔つきがイカツいので最初はちょっとビビったけど、いろんな場面で親切にしてもらってありがたかった。
朝のあの「おはよう」お兄さんも、やっぱりただ挨拶してきただけだったのかなあ。船に戻りながら、チラッとだけ胸が痛んだのだった。
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そして。
モロッコには、語ることさえタブーとされている西サハラ問題があることを初めて知った。
モロッコ政府は、サハラウィーと呼ばれる西サハラの民を40年にわたって隔離しているという。病院もまともなインフラもなく、多くのサハラウィーは荒れた砂漠の地しか知らずに生まれ育つ。長く続いている抗議活動は非暴力を標榜しているけれど、国際社会のあまりの無関心と事態の膠着にしびれを切らし、暴力でしか解決しないとする気運も高まっているらしい。
西サハラ地区は、国際法上は今もスペイン領なので、スペインが問題提起をすれば事態は動くともいう。だけどやらない。国連では時々問題が取り上げられるけれど、利権が絡むフランスが常に反対するのだとか。
先進国の思惑が絡んで、先住民を隔離したり土地を勝手に分割したり。パレスチナ問題のようなことが、ここでも起きているのだった。
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