モアイ観光お預けで沈思黙考。トランプさん今度は何やらかすんかなー?
11月6日
2022年夏、安倍元首相が銃撃された日に、私は九州・都井岬を訪れていた。
まだコロナの脅威が消えていない時期。観光地はどこも閑散としていて、不謹慎ながら一人旅を満喫していたのだ。調子良く旅日記なんかつけて、ふとネットニュースを見て仰天したのだった。
何でそんなことを思い出したかといえば、船内で森達也「僕がコロナ禍で考えたこと」を読んだからなのだ。
実は今、船はイースター島沖にいる。一日に上陸できる人数に制限があるので、希望者が全員上陸を果たすまで、3日間停泊するのです。
上陸する日(私は明日)以外は、沖に浮かぶ船内にとどまるしかない。寄港中はイベントやアクティビティもないし、あろうことか島の周囲ではWi-Fiもほぼ使えない。やることなくて、終日読書にいそしんでいるのであります。
話を戻すと。
当時テレビを見なかったので、安倍氏の死去が伝えられた直後から各局のアナウンサーやMCがこぞって黒スーツ・黒ネクタイになったのを今の今まで知らなかった。
折しも、参院選投票日の2日前。彼は元総理であって皇帝でも王様でもない。銃撃された時点では、自民党の一議員に過ぎない。
それなのに、日頃は不偏不党を金科玉条とするメディアが、このタイミングで大っぴらに彼の死を悼むんだ⁈ 弔い合戦のつもりで投票に行きましょうと呼びかけたアナウンサーもいたらしい。これをテレビ関係者はどう考えているのだろうという著者の疑問を、私も同様に抱いたのだった(しかし、アナウンサーがみんな黒服とか、ホントなのかしら? 本からの受け売りなので、自分では実際に見聞きしてないんだけど)。
……て、この程度のことも、最近は「パヨク」とか揶揄されるんかなあ?とか考えてたら、今度はトランプ当確のニュースが飛び込んできた。
今日は何だか、ややこしいことを考える日のようなので、ややこしく混乱したままの考えを残しておこうと思う。
で。
トランプかあー。
これからの4年間、いったいどうなるんだろうか。やりたい放題やるんだろうなあ。彼は有罪を宣告された犯罪者のはずなんだが、当然全部チャラにするんだろうな。調子に乗って盛大に「やらかし」をしそうな気もするが。
地球を一回りしながら、世界には広く報道されることのない虐殺や紛争がたくさんあることを思い知らされている。
アウシュビッツは悲惨な歴史だけれど、同じようなことはアフリカでもアジアでも中南米でも行われたし、今まさに行われているものもある。
その全てとは言わないが、かなり多くにアメリカが関わっているのよね。
歴史は勝者のものだというが、正しくは強者のものなんじゃないかな。
アメリカは朝鮮戦争やベトナム戦争では勝てなかったけど、強い国力を維持しながらいろんな所で弱者貧弱を食い物にしてる。
アウシュビッツや南京虐殺が糾弾されるのは当然だし、反省すべきことだと思う。でもそれなら、アメリカの原爆投下や、ガザを無差別に攻撃するイスラエルへの肩入れも、同じように非難されるべきなんじゃないのか。
南太平洋で何十回と核実験をして、小さな島の人々の暮らしを破壊した責任を取るべきじゃないのか?
アメリカ人は陽気でおおらかでちょいと単純で愛すべき人たちだけれど、彼らが「Make America great again」なんて叫ぶのを聞くと、オイオイと思わずにはいられない。いい加減、やりたい放題やってきたでしょうが。地球はキミらのためにあるのではないのだよ。も少し謙虚になってもええんでないかい?
と、トランプには言うだけムダか。
というか、白人系の彫りの深い顔族の人たちって、全体的に攻撃的じゃないですか?
南北アメリカでもアフリカでもアジアでも、先住民族は彼らに散々な目にあわされてる。無意識なのかもしれないが、民主主義や自由や平等を無条件で享受できるのは自分たちだけだ、という驕りがあるんじゃなかろうか。
まあ、こういう考えを押し進めると、「先の大戦は、欧米列強の支配からアジアを解放するための聖戦だった」という理屈になりかねないんだが。
私は、「先の大戦は、欧米列強に代わって日本がアジアを支配するためだった」と思っとります。
やっぱりパヨク認定かなー。
うーん……。
うわ、トランプかぁ〜とゲンナリしてからこっち、考えがまとまらないや。
まあ、今回じゃなくてもいずれトランプ的な人が出てきた可能性は高いよね。世界が大きくうねって変化するであろう時代に生きてることは、興味深くもあるのだった。
船内本ではもう一冊。「ひよっこ社労士のヒナコ」。タイトルと軽い感じの装丁から、肩の凝らないお仕事小説だと思って読んだんだけど。
いや、語り口は軽い本でしたよ。だけど個人の力ではいかんともし難い会社組織の理不尽さを、いやというほど突きつけられた。
立場上、正論を主張できずにグッと堪える人。なんだかんだ言いながらうまいこと立ち回ってオイシイとこ取りする人。やっぱりやっぱり女性に厳然とあるガラスの天井。全てのサラリーマン&ウーマンが多少なりとも感じるであろうストレスを、定年後久しぶりに思い出しちゃったじゃないか。
明日は島に上陸してモアイ見るんだ!
今日はもう寝ちゃお。