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「働く子どもの人権」を考える。大切なことだけれど、切ない
10月30日
ペルー・カヤオの港3日目。
マチュピチュ組の帰船を待っての停泊が続いている。
港のゲート付近で強盗被害が出たと小耳に挟む。クルーズ船の乗客は小金を持っているので、ピンポイントで狙われるらしい。お金を取られただけでケガはないとのことだが、噂話で真偽の程は定かじゃない。
確かに治安は悪いし、強盗や殺人事件も多いらしいけど、どうしてこんなことになってるのかなと思う。
ペルーの国民を経済状況別に5段階に分けると、下から2番目の貧困層が24.6%、一番下の最貧困層が38.2%。国民の、実に60%以上が貧困だという。首都・リマで働く人の7割は非正規雇用なんだとか。
なぜこんなに貧困層が多いんですか?と識者に尋ねたら、「スペイン統治時代の社会体制、少数による搾取の構図が根強く残っている」のだと。
実際にはさまざまな要因が絡んでのことだろうが、先進国・金持ち国がやりたい放題の果てに社会が疲弊するのは、南アメリカの多くの国に言えることらしい。アフリカも同様かな。
そんなペルーで、昨日は働く子供たちに会いに行ってきた。
児童労働がよろしくないことは世界的なコンセンサスだけれど、実際には子供が働かざるを得ない国も多い。
そうであれば、よりよい環境で働こう、自立的に働こう、そして子どもの働く権利を守ろうという目的で設立された組織、マントックへの訪問であります。リマ以外にも、全国に支部があるという。
リマのマントックは砂丘地域のスラム街にある。埃っぽくて治安も悪い。
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この日、マントックに来ていたのは6歳から18歳までの15人ほど。
仕事は魚売りとか、お母さんの仕事の駄菓子売りの手伝いとか、色々。自分で商売を始めたという子もいた。
学校に通いながら早朝や夕方だけ仕事をしているケースも多い。日本の学童保育のような雰囲気でもあった。
ちょうどお昼時で、美味しいランチをご馳走になりました♡
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マントックは、働く子供を「かわいそうな被害者」ではなく、社会を変えられるアクターだと考えているという。
実際、子どもたちからは「家族を支えられる仕事に誇りを持っている」「自分にどういう権利があるのかがわかった」「お父さんがマントックを通じて、子どもに暴力を振るうのはよくないと考えを改めてくれた」などという声が聞こえてくる。
それはとてもいいことだと思う。
だけど、聞いてて切なくもなった。
自分が10歳かそこらのことを思い出してみる。なんの不安もなく、毎日当たり前のようにご飯を食べて学校に行って友達と遊んでた。お金を稼いで家族を助けなきゃなんて、これっぽっちも考えたことはなかった。おそらく、今の日本の多くの子どももそうだろう。
生まれた場所が違うだけで、こんなにも早く「大人」にならなきゃいけないのだ。仕事とは何か、自分の権利と義務とは何かを考えざるを得ないんだなって。
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心づくしのおもてなしが嬉しくて、だけど健気な子どもたちの姿がちょっぴり悲しかった。
アンデスとは、「段々畑」の意味だという。昼・夜・月・星・太陽・光・植物……自然との折り合いを大切にするのがアンデス文明だったそうだ。
自然と共存していく文明をスペインが滅ぼし、その子孫は500年経っても貧しさにあえいでいる。
なんかうまく言えないのだけれど、モヤモヤしたものが残ったのだった。
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※子供たちの撮影とSNSへの投稿は許可を得ています。