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2024年7月8日 イライラした1日に

 仕事でイライラすることがあって、休みの今日もずっとイライラしていた。イライラしてしまうのは自分自身の精神的未熟さのせいだという気もする。精神的にもっと大人なら、もっと大人な対応ができて、休みの日にまで引きずることなんてなかっただろう。
 話題の『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』は楽しく興味深く読んだし、全身ではなく半身で働け、という提言には感動さえしたけれど、半身で働くと本を読むエネルギーは余る代わりに、全力で仕事をしなかったという後悔のようなものが残る気がする。その後悔が読書への集中を妨げる。自分の場合は。

 今日はイライラしていたし、落ち着いて読書という気分ではなかったのだけれど、その代わり無性に何かを書きたくなった。イライラは書く原動力になるのである。浄土ヶ浜に行ったときの日記を書く。
 書きたい、と思うとき書く内容は実際のところどうでもいい。ただ書きたい。なら何だって書けばいい。それで少なくとも書きたい欲は満足するし、精神は安定する。

 坂口恭平の『生きのびるための事務』の中で、何を書くかに悩まず、ただ書くやり方を実践する、というフレーズが出てくる。何を書くか考えず、ただ書く。
 浄土ヶ浜の日記は、何も考えなくても書きやすかった。実際に起きたことをただ時系列に沿って書くだけなのだから。書く素材はたくさんある。
 書いていると気分がよい。完成するとさらに気分がよい。
 書いていて思ったのは、ジュリアキャメロンが『ずっとやりたかったことを、やりなさい』で書いていたモーニングページにも少し似ているな、ということ。書くことによって発見がある。書くことで解放されていくものがある。その時大事なのは気負いすぎないことだ。いいものを書こうと思いすぎるとプレッシャーになる。だから日記くらいのものを肩の力を抜いて書くのが良い。

 そのあとは映画を観た。盛岡には映画館が4つもある。映画の街盛岡だ。いろんな映画をやっているので、フィルマークスで点数を調べる。フィルマークスで4.0を超えていればまず間違いない。でも、目星をつけていた映画が軒並み低評価だった。現代人の悪い癖かもしれない。昔だったらそこまで評価を確認せずに、観たいと思うのは観た。でも口コミで酷評されているのを見ると、萎える。口コミの感じから、どんな感じに失敗した映画なのか何となく分かってしまう。稀に低評価な映画の中でも自分にとってはいい映画ということがあるけれど、それは稀だ。貴重な休みの時間を、つまらないと分かっている映画で浪費する訳にはいかない。


言えない秘密

 観たのは『言えない秘密』だった。映画ドットコムでは4.3、フィルマークスでは3.8だった。映画ドットコムで4.3というのは物凄い高評価だと思ったけれど、フィルマークス3.8というのが気になった。映画の評価で一番参考にしているのはフィルマークスである。

 観終わった感想としては、悪くはないけどちょっと陳腐だな、というものだった。古川琴音は好きな女優である。何を考えているのか分からないけれど、内面ではいろんなことを考えていそうな演技をする。少しクラシカルな匂いのある恋愛映画のヒロインとして割とはまっていたように思う。

 ただ物語としてはあまりはまれなかった。タイトルにある秘密がちょっとだけ複雑で、理解するのに時間がかかってしまった。あとは登場人物の描きこみが少し足りなかったように思う。主人公の苦しみもどこか類型的で、友達役の登場の仕方もあまりにも典型的な友達役みたいな感じで、人物それぞれに深みが感じられなかった。それは古川琴音演じるヒロインにしてもそうである。その抱えている悩みはあまりにも古典的な恋愛映画のヒロインが持っているようなものだった。

 物語を創る上である程度の登場人物の類型化は仕方のないことだと思うが、深く掘れていないと上っ面だけを描いているような、軽い感じが出てしまい、物語にはまれなくなってしまう。この映画については、もっと登場人物の内面を描きこんで、人物のリアリティを浮かび上がらせる必要があると思った。まあでもそれは簡単じゃないんだな。

 映画が終わったら18時15分くらい。どこかのカフェでもうちょっと書きたいような気もしたけれど、割といい時間なので酒でも飲もうかとふらふらと歩く。休日の夕方、飲み屋を探して歩くそんな時間が好きだ。わくわくする。自由なんだって思う。

 目星をつけていたお店はいくつかあり、その内のひとつにえいやっと入る。知らない店に入るときのコツは「えいやっ」。「えいやっ」と思えれば大抵のことは上手くいく。


春夏秋冬

 初めて入ったそのお店の名は、春夏秋冬。盛岡の内丸にある。晩酌セット税別3000円。この晩酌セットがとても素晴らしいものだった。ドリンク2杯と食事5品プラス〆のおにぎりと味噌汁で3000円なのだが、メインに鶏肉もあって、ボリューミーでお腹いっぱいになってしまった。


刺身も旨かった
鶏肉

 店主の接客もよくて、こちらの様子を常に気にかけてくれるような感じがあり居心地が良かった。常連らしい他のお客さんと話しているときでも、時々こちらに意識を向けてくれているのがわかる。そういうお店は居心地が良い。
 居心地が悪い店は、注文しようと思っても全然こちらを向いてくれなかったり、呼び止めたときに少し迷惑そうな顔をする、気がする。
 この店はそういう瞬間がなく、常に気分よく過ごせた。
 またいい店を見つけた。
 何だか気分が良かったのでその後久しぶりのバーに行ってしまった。
 でももう少し飲みすぎないようにしたいな。
そして書いたり読んだりする時間をもっと増やしたい。


すもものロングカクテル


 
 

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