新しい体験-夢乃くらげ生誕祭2024「人の話を聞いて成長しよう企画」②横林大(バケツズ)さん-
3月に誕生日がある。それに合わせて、「夢乃くらげ生誕祭2024」を企画した。企画のひとつとして「人の話を聞いて成長しよう企画」というのをやっている。ざっくり言えば、取材して思ったことを文章化するというものだ。
いろんな話を聞き考えることで、自分の成長に繋げるという目的がある。詳細は以下のホームページを確認してほしい。
今回、取材させてもらったのは、横林大(バケツズ)さん。横林さんとは、最近、知り合った。バケツズとしてされていたイベントにお客さんとして行ったのが最初。それから、何回もイベントに行っている。
今回は、自分でもまだしっかり言語化できていない「横林大(バケツズ)」の魅力を文章にしたいと思う。
文芸サークル「バケツズ」
横林さんと言えば、「バケツズ」だ。「横林大(バケツズ)さん」と書くくらいなのだから、そりゃあそうだ。
「バケツズ」の誕生を書くには、高校生まで遡る必要がある。高校演劇を始め、中学校の同級生と劇団を作った横林さん。
その時期、高校演劇で知り合った子を好きになったのだが、「高校演劇では恋愛禁止」という謎の約束を律儀に守っていた。
横林さんが好きな子には、別に好きな人がいた(Tさん)。ふたりが進学で京都へ行くと知り、それから、横林さんも京都へ行くことが増えた。
その後、演劇を一緒にやろうと言ってきたのは、Tさんだった。恋愛的には嫉妬していたけれど、演劇にはひたむきな人だと知っていた。脚もスラっとしてる。そして、一緒に吉田寮の食堂で演劇をやった。
そこから、繋がりが出来ていき、脚本の依頼があったり、朗読をやったりした。脚本を書いていると演劇などとは違い、孤独感があったので、イベント会場で即興小説を書くことも増えた。
その一方、正社員として働き始めた仕事は超大変だった。創作意欲が無くなっていく上に、コロナがやってきて、イベントなどは自粛せざるを得なくなった。そうこうしている内に30代に。
20代の頃と比べると周りは変わった。自分もギラギラとした「やってやる」という気持ちがなくなっていた。何をしても上手くいかない。しんどい。
そんな状況から逃げるために「バケツズ」は誕生した。好きなことをやり始めたのだ。
「この1年はあって良かった。人生が良くなった気がする」
小説のかたちを変えること
「誰かのことを笑わせたいな」と思っていたときに「即興小説バトルあったな」と思いついた。そして、新しくボードゲームを作った。
名前は「物☆語☆王 オフィシャルカートバトル」。
ふたりで遊ぶゲームで、「いつ」「どこで」「誰か」「何をした」「ジャンル」のカードがある。先攻後攻をじゃんけんで決め、「起」「承」「転」「結」の4ターンを使い、交互にフィールドへカードを置く。フィールドに出たカードに従って、制限時間内に執筆をする。執筆も交互に行う。
「ふたりで遊ぶゲーム」と書いたが、ひとりでもできる。自分がやってみた記事もあるので、良ければ読んでみてほしい。
「なんでこんなカード入ってんねん」と思うような、ちょっとおかしなデッキになっている。そのため、自分が書きそうにないストーリーを辿る。
どのようなエンディングになるのか、誰がどこで登場し、何が起こるのか。ほとんどの小説は書いた後に推敲するし、物語の流れなども整理して、調整するだろう。しかし、それができない。ゆっくり考えていられないのだ。
小説は「静的」なものだと思うが、ここでは「動的」なものになる。そして、だからこそ、真っすぐな物語ではなく流動的なかたちになる。それが、瞬発力のある面白さをも生んでいると思う。
前に、両目洞窟人間さんという方が出ていたときは、唐突に「ねこ」が登場して、両目さんのことを知らなかった自分はめっちゃ笑った。
アニメやドラマで、パンッと面白いシーンが入るようなリアルタイムで、瞬発力のある面白さが、物☆語☆王 オフィシャルカートバトルを使うとできたりする。小説を書いて読むのとは、全く違う体験ができる。
バケツズは「小説」の概念を変え、新しいかたちにしていると感じる。
これからやりたいこと
中学校3年生のとき、友人が持っていた黒い袋をリュックに入れてきた。帰ってから開けてみると「ToHeart2」というゲームが入っていた。
プレイステーション2で遊べる恋愛シミュレーションゲームだった。とりあえずプレイしてみると、これが面白い。可愛い絵にBGMも良く、ハマってしまった。初めに攻略した子のシナリオが感動的で、たくさん泣いたのをよく覚えている。
しかし、次にプレイしてみたゲームは、物語の前提をエピローグで覆してくるという荒業を使ってきた。そこから、興味を無くして恋愛シミュレーションゲームから離れた。
月日は流れて、7年前。
「恋愛シミュレーションゲームを作ろうかな」と思い立ち、イラストを発注。大まかな話などを考えた。そして、7年経った。
「面白いのを作りたいですね」
喫茶店でココアを飲みながら、赤いチェックのシャツを着て、ニコニコ話している。店内は満席に近く、すぐそばにカウンターがあるテーブルに座っていた。
自分は取材に来たはずなのに、いつの間にか、横林さんのギャルゲーの話を聞いている。人の多い喫茶店で。
恐らく、「子どもの頃、ギャルゲーにハマって、これから作りたいんですよね」なんて話を聞くことはもうないだろう。新しい体験だ。
ぜひ、新しい体験がしたい人はバケツズのイベントへ来てほしい。いろいろ書いたけど、文字だけでは伝わらないので、やはり体験してほしいと思う。
取材を受けてくれた横林さん、ありがとう。
「夢乃くらげ生誕祭2024」は3/11の誕生日当日まで、何かしらやってます。良ければチェックしてください。よろしくお願いします。
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