日記|夜更け過ぎにファンクラブに入会する
今日の仕事は疲れた。
いつもとは違う仕事だった。
なんかバックヤードから該当する衣料をピッキングしてきてと言われ、いざバックヤードに行ってみると、箱!箱!箱!
このダンボールの山からどうやって該当の服を見つければいいのか。
一個一個ダンボール箱をどかしていって、箱の外に書いてある商品番号と照らし合わせていくものの、全く見当たらない。
箱あり過ぎ。
しかも、どかすの重い。
高い所にもあったりするから脚立を使ったりもした。
これはもうチカラ仕事だ。
結局、1着探し当てるのに2時間くらいかかった。
あったどーー!!
見つけた時は“やった感”に満ち満ちたが、そのあとすぐ、もう帰りたいと思った。
今日が週末で良かった。
夜は早めに寝た。
ピロロロン
ピロロロン
携帯が鳴った。
「もひもひ?」
父からだった。
母が呼びかけても返事しないってよ。
「ほえーー」
時計を見たら夜中1時過ぎだった。
とりあえず訪問看護師さんに電話をし、ふらふら着替えて実家に向かう。
あ、歯も磨いて顔も洗った。
預かっている母の保険証やらお薬手帳やらもトートバッグに放り込んだ。
訪問看護師さんの判断で、救急車を呼び、自分も一緒に乗り込む。
総合病院に到着し、母は検査および処置のためにどっかに運ばれたので、ひとり控え室で待つ。
とりあえずほげーっと座って、斜め前にある自販機の光を眺めたりした。
だいぶ時間が経ったように思うが、一向に呼ばれない。
妙に冷静で、いやとにかく疲れていたが、手持ち無沙汰だったので、Twitter(X)を開いた。
すると、馴染みのある方がなにとはないツイートをしていた。
こんな時間に?!
何してるんだろ。こんな時間に。
思わずコメントを送る。
返事が来て、それから「おやすみなさい」をした。
そのままスマホをいじっていたら、なにやらelephants社長の動画があがっているらしいことがわかった。
それを見るためにはファンクラブに入らなければならない。
バンドの方には入っているが、ソロの方はいっかなぁと思っていたが、その動画がどうしても見たくなって、その場で新規入会の手続きをした。
なにこれ最高!
なんて彼らしい!
思わず、寝てるであろう娘にファンクラブに入ったことをLINEした。
するとすぐ既読になってびっくり!
ちょうど娘も今日入ったらしい。
キャッキャしたあと、夜更かしはダメよ!と釘を刺した。
担当医から呼ばれた。
どうやら低血糖による意識障害だったようだ。
このまま入院になるとのこと。
それからまた控え室で待つ。
入院に係る資料や、記入事項のいっぱいある書類をたくさん渡されたが、何度読んでも頭に入らなかった。
「お話しできますよ」
看護師さんが呼びに来た。
点滴で意識は戻っていた。
「ばーちゃん!」
経緯をゆっくり大きな声で説明したが、
「サッ、パリ、ワカ、ラン」
と繰り返すだけ。
控え室再び。
さらに時間が経過する。
別室にて看護師さんの説明があって、いろいろ回答も求められたが、これまた頭が動かず、とりあえず明日、必要な物を持ってくることになった。
「え?明日? 今日ですかね?」
「あ、そうですね、日付け変わりましたから今日ですね」
ふらふらと部屋を出た。
看護師さんが心配して、タクシーを呼んでくれた。
「では明日、夕方にお待ちしてます」
「え?今日ですよね?」
「あっ、今日ですね」
もう私も今日なんだか明日なんだかよくわからなかった。
実家に着いた時には、いやタクシーに乗りこんだ時からすでに外は明るくなっていた。
ごくごく簡単に父に説明をし、
「とりあえず休も!また明日……いや今日の夕方に!」と告げて自宅に戻った。
「サッパリワカラン」と泣きそうな顔で繰り返す母の顔を思い出した。
泣いた。
「ばーちゃーん!」と叫んで泣いた。
あんなに無情で冷静だったのに。
2分くらい泣いた。
45秒程だったかも知れない。
そのあとまた何事もなかったようにスンとなり、そのまま布団に果てた。
今は今日なのだろうか。
もう明日なのだろうか……。
さっぱりわからん。
グゴーー💤