放置された場所
何らかの事情によって放置されて荒れるがままになった場所とでも言えばピッタリでしょうか。何故かそんなところをほっつき歩くのが好きでして、描く絵もそちらの感じが多くなっています。この理由がどこから来ているのか分かりません。幼児体験なのか前世からの因縁なのか…。
これは透明水彩ですが、私の絵はほぼすべて心象で、しかも半ば抽象っぽいところを狙っていますので、本来であれば透明水彩は適さないかも知れません。心象画はしっくり加減によってドンドン描き直すのが普通なので、その場合は不透明の方が適していると思います。
しかしそれも時と場合で、透明水彩でも面白いものができると思います。なにしろ描かれた雰囲気そのものが違うので透明不透明の双方が私には捨てがたいです。
ところが、この双方に関して優劣を付けたがる人って意外に存在するように思います。考えは人それぞれあるでしょうが、私は双方に魅力を感じています。感じるならやってみるのです。
不透明は修正ができるので透明水彩に比べると簡単だと言いたい雰囲気の人ってかなり居られる気配ですが、しかし不透明は明暗双方に描き進むことを考えるのが普通です。考える範囲もその分広がります。厄介で難しいのはどちらも同じです。しかしそれ故の楽しみもある訳です。ひとつの結論を出す前に色んなことに取り組んだ方が良いように私には思われます。
以前にも記しましたが、私は絵画論をやりませんのでその辺のことではあまり語ることがありません。私はちらかと言うとガッシュの経験の方が多いのですが、わが国では不透明水彩に関してはあまり人気がないようです。アニメの背景にポスカラが用いられている辺りが精々でしょうか。
これはちょっと可哀そうな気がしますので、今後は色々と取り組んでちょっとばかり肩入れしてやりたいと思っています。どうせ居酒屋通いの酔っ払い絵描きなので大したものはできませんが、それはともかくあれこれやってみたいと考えております。
皆様に良き日を。台風にご用心くださいませ。