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苦い思い出の消しゴム

上の画像が消しゴムだと判った人はその方面で仕事をしていた人かもしれません。これは電動消しゴムのゴムの部分なのです。器具もう手元にありませんが、モーターで回転する器具の先端に取り付けてこれを回転させて紙を擦るのです。電動消し使っている人ってもう居ないんじゃないかな。

私は主に図面の仕事をしてきました。ドラフターとロットリンクなどを使って図面を起こしてインキングするのですが、それに使う用紙が何種類かあって、記憶が違っていなければ大きな図で使っていたのはAKトレスという紙でした。それ以前はオールマイティーという薄いビニールのようなのをサンドイッチにした、ちょっとパラフィンの感じの紙を使っていたのですが、いつからかほとんどAKトレスになりました。安かったのかな。

より小さな図面では普通のトレペに近いのを使っていたのですが、もっと表面のツルッとした紙もありました。名前はもう覚えていません。その紙に応じて消しゴムにも種類があったのです。茶色っぽいのは普通のトレペ用、白っぽいのはちょっとプラスチックのような感じで、こちらがツルッとした感じの紙に適していて、やっぱり紙の感じと合うのですね。

売っている業者さんは確か水道橋か神保町辺りにあったと思うのですが、いつ切れても大丈夫なように自分で足を運んで多い目に買っていました。

だから在庫は有り余っていたのですが、何故か会社の事務の女性が妙な機転を利かして頼んでもいないのに会社から注文してしまったのです。

たっぷりあるから要らないと言ったら--。・゚・(ノД`)・゚・。というので、ああいいよいいよそれならもらっとく--と、確か一箱1000円だったか2000円だったか、引き取ることにしました。

しかし当時私は会社の中でちょっと浮いた状態にあることを何となく意識していて、そろそろ環境を変えたいな思っていたような時期だったので、その後長く持たずに会社を去りました。その仕事からも遠ざかり、もう消しゴムを使うことはありませんでした。

今は図面の仕事を再開していますが、とっくにデジタルですから言う必要もありません。無用のものです。面白い使い道がないかとふと思うこともあったのですが、無理にそうする必要もありません。

振り返って見ると、過去に似たようなことで小さなお金を無駄にするような、そんな生き方ばかりしてきたなと自分で思わず苦笑します。とっくに捨てれば良いものなのですが、苦しかった当時のことを忘れぬためにずっと手元に置いています。自分の健康状態とか人間関係とか社内の雰囲気とか、いろんな面でしんどかった時代でした。

人には何故か、どんな理由か、そういう状態になることがあるのですね。時々振り返ると言っても、ぼんやり思うだけで、今さら深く考えることはないのですが…。

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