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未来の冬を思い出す




のような
淡く薄い記憶の
心にしまっておきたい
夢だったかもしれない話
やさしくて あたたかい気がする
目を閉じて思い出してみたくなった


たどり着いた先にはなにもなかった
歩き出したこと
後悔はしていない
強いきもちを持てたこと
きらきらと輝くこころが 嬉しかった


暗い山の上から 星を眺めよう
オオカミは 吠えない
冬の針葉樹はつんつんと
寒く ぴんと張った糸のような夜
闇は深く 大きな口をあけて 
待ち構えている


三日月をみた
黒闇の中で黒を輝かせた瞳
たどり着いた先はここで
黒の絵の具と それと何色の絵の具で
この景色は うつしだせるだろう


予定にもなく恋をしたようで
オオカミの瞳の中にある銀河
その中の小さな星に住んでいたという記憶


すぐに闇へは向かうことができる
けれども 
向かい方は知らない
死ぬまでに自分のことを好きになれたのなら
それでいいからねと
言って 行って


わたしはまだ山の上にいたい


星座の静寂の波が押しよせる
いつか誰かが手に取って
開いて見つける
そして 知る
小さくとも
確かな




7/??


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