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「忘」

たったの一年前が二年前、三年前となる
かなしい、うれしい、
そういった感情や記憶を
引き戻すことができるうちは幸せだ

記憶に、それが いなくなったとき
跡形もなく心から消えてなくなったとき
どんな気持ちにもならない
今までの一部をわすれて生きていく可能性があるのがすこしこわく思う

きっとたくさんのことを忘れて、忘れたことも忘れているから、
感傷的になる理由も忘れているから、
からっぽの涙と思い込んでしまっているのだろう

何となく涙がでるときは、なみだで頬を輝かせればいいとおもう
きっと忘れられた記憶に涙を流しているはずだから

毎日 四角い箱によって目的地まで運ばれる

朝が夜に見えたなら夜でいいし
夜が朝に見えたなら朝でいい

ずっと秋がいいなら秋でいいよ



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