あなたへ(第5号)
お月さまが綺麗ですね。澄みきった空気のせいでしょうか。
十月十五日は後の月、十三夜のお月見でしたね。中秋の名月を眺める風習は中国から伝わりましたが、十三夜の月を愛でる風習は日本で生まれたそうです。栗や豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれますね。生きる糧である旬の作物、育んでくれる人や物事に感謝しつつ月を見上げます。
月と太陽は陰と陽の象徴でもあり、月は「お陰さま」の心に通じているようにも思います。
自らの力のみで輝く者はいません。他の力添えがあり、それぞれは輝かされていると思うのです。
『徒然草』に「すべて何も皆、ことのととのほりたるはあしき事なり。し残したるを、さてうち置きたるは、面白く、いきのぶるわざなり…」とあります。完璧な形より幾分欠けているもの…十三夜の月の情趣に私もひかれます。己の心は丸く、月の光の如くありたいと願いながら。
今年もあなたにいただいた穂芒をお月さまにお供えしました。
螺鈿の貝のような月光が葦原に降り注ぎます。
秋の夜長は『夢みたものは』第5号と共に素適な夢を。 お月さまが綺麗ですね。
※『夢みたものは』第5号は2024年10月20日発売です。
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