穂長月。筋雲流れる空は少し高くなったような気がします。 太陽は遠くなり、柔らかな澄んだ日差しが薄紅の秋桜を揺らします。 赤蜻蛉の透けた羽が、何とも言いようのない寂しさを運んできます。 見上げる青い空。あなたが幸せでありますように……願わずにはいられません。 しっかり召し上がっていますか?食欲の秋ですね。 中でも秋の味覚、秋刀魚はあなたの大好物。毎年お魚屋さんを覗いては、近年の秋刀魚の高騰を嘆いていました。温暖化による海水温の上昇、潮流の変化による漁場の沖合化
立秋を過ぎたとはいえ 相変わらず続く厳しい暑さ 朝涼に 色とりどりの朝顔が垣に微笑む 揺れる 名残の夏の色 氷いちごの鮮やかなピンク 快晴の空のブルー 小学一年の理科 朝顔を育てた あなた 覚えているだろうか 一学期の終業式 持ち帰った支柱付の重い鉢 満開の友達の鉢 空っぽの私の鉢 双葉が出たのが嬉しくて 嬉しくて 葉先に付いていた種殻の帽子 重そうでかわいそうで つまんで取ってしまった それがいけなかったのか 本葉もつけず 双葉のまま枯れた 私の朝顔 悔やんだ
『夢みたものは』第2号をお届けします。 緑の季節ですね。陽の光に溢れる空は、万緑に染まるようです。 薫風の中、むせ返るような草木の息吹を浴びながら自転車を走らせます。 心地よくて、ついつい鼻歌を歌ってしまいます。 この季節、お決まりの曲です。 しろつめくさの はながさいたら さあ いこう ラスカル 六月の風が わたるみちを ロックリバーへ とおのりしよう かみさま ありがとう ぼくに ともだちをくれて…… アニメ「あらいぐまラ
「夢みたものは」をお届けします。本誌は、立原道造の詩「夢みたものは」から名付けられた総合誌です。創刊にあたり、様々な分野で活躍する夢みる方々に作品を寄せていただきました。詩、短歌、短編小説、戯曲、写真……様々な夢のかたちをお楽しみください。 あなたの夢は何ですか?キラキラした目で夢を語るあなたの顔が目に浮かびます。 夢をみ続けるあなたに寄り添い、あなたを癒やし、励ます夢が、ここにはあります。 漱石が言っていました。住みにくい世の中、束の間の命を、束の間でもくつろぎ、住み
総合誌「夢みたものは」もお陰様で次号で第5号を迎える事ができました。 賛同いただいた皆様のおかげです。 ありがとうございます。 「夢みたものは」とは立原道造の詩に由来します。 夢みたものは‥‥ 夢みたものは ひとつの幸福 ねがったものは ひとつの愛 山なみのあちらにも しずかな村がある 明るい日曜日の 青い空がある 日傘をさした 田舎の娘らが 着かざって 唄をうたっている 大きなまるい輪をかいて 田舎の娘らが 踊をおどっている 告げて うたっているのは 青い翼の一羽の