煙に巻かれて全部思い出す
僕は今日いろいろあって仕事を辞めた
上下関係のいざこざに巻き込まれたりして嫌になった
気がついたら心身ともに疲れ切っていた
もう僕を縛るものがなくなり自由になったきがした
だけど現実はそう上手くいかない
生きるためにまた職に就かないといけない
だって僕はニートなのだから…
だけど今は現実から目を背けたい
…なので一旦煙草を吸いに喫煙所に行くことにしよう
○○)はぁぁぁ これからどうしようかな
僕は胸ポケットからhi‐liteとzipooを取り出し火をつける
煙を吸って 吐く 何万回としたはずなのになんだか新鮮な気がした
そんな時後ろから誰かに話しかけられた
夏鈴)あの…
○○)はい?
振り向いてみるとそこにはとても綺麗な女性がいた
だけどなぜか消えてしまいそう…そう思わせる儚さがあった
夏鈴)火貸してもらっていいですか?
○○)…
夏鈴)…?
○○)すいません とても綺麗だったので見惚れいました…
夏鈴)ふふっ君面白いね
○○)あっ…すみません///
夏鈴)いいよ それより火欲しいんだけど
○○)そうでしたね どうぞ
僕は彼女に使い古したzipooを渡した
彼女は煙草に火をつけ 煙をひと吸いし 煙を吐き出した
夏鈴)火 ありがとう
○○)いえ 全然…
夏鈴)ねぇ 顔とても疲れてる顔してるけど大丈夫?
○○)いやぁ いろいろ疲れちゃって仕事辞めてきたとこで…
○○)…って僕なに言ってるんだろう
今の忘れてください
夏鈴)そっか なら私の家来る?
○○)はい……はい!?
今なんて?
夏鈴)だから私の家来る?って
○○)いやいやいや 自分が何言ってるかわかってます?
どこの馬の骨かもわからない人を家に入れようとしてるんですよ
夏鈴)でも君ニートなんでしょ?
○○)それはそうですけど…
夏鈴)ならいいじゃん
○○)どうしてそんなこと言うんですか?
夏鈴)んー…気分かな
○○)気分でって…
僕が悩んでいると彼女は煙草の火を消し僕の手をつかみ
歩き出した
○○)ちょ…
夏鈴)…いいじゃん 行こ?
○○)…わかりました
僕はもうめんどくさくなり彼女の家に行くことにした
そして彼女に手を引かれ着いていくとそこにはタワーマンションがあった
○○)…
夏鈴)どうかした?
○○)まさか 家というのは…
夏鈴)ん? ここだよ
やっぱり彼女は目の前のタワーマンションに住んでいた
僕は初めてのタワーマンションにソワソワしながら彼女の部屋に入った
夏鈴)まぁ適当に座って
○○)わかりました…
夏鈴)あっ 紅茶か珈琲どっちがいい?
○○)なら珈琲でお願いします
夏鈴)わかった
……
夏鈴)おまたせ…あっブラックでも大丈夫だった?
○○)はい 全然大丈夫です ありがとうございます
彼女が出してくれた珈琲はとても美味しくほんのり甘く感じた
沈黙が続き少し気まずくなったので彼女の方を見つめると
彼女と目が合った
夏鈴)どうしたの?
○○)いや…
夏鈴)まぁ 一旦煙草吸おうか
彼女はそう言い煙草に火をつけ吸いだした
○○)…
夏鈴)君は吸わないの?
○○)いいんですか?
夏鈴)別にいいよ
○○)なら僕も…
僕が煙草を吸おうと口に咥えると
彼女は顔を近づけてきた
そして火種をくっつけてきた
僕はそういうことなのかと思い
煙草を吸った
少し恥ずかしかったがそれを隠すように
僕はすました顔で煙を吐き出した
○○)…今のってシガレットキスですよね?
夏鈴)そうだね
○○)なんで急に…
夏鈴)してみたかったからだよ
○○)…あなたは何がしたいんですか?
僕を無理やり家に連れてきて
変なことまでして…
夏鈴)…君のことを好きになったからだよ
○○)なに言って…
夏鈴)んっ
途端彼女は僕の唇を奪ってきた
僕の口内を犯すように舌を入れて絡ませにくる
なぜか…僕は受け入れてしまった…
なにか懐かしい気がしたから
○○)んっ///
夏鈴)結構ノリノリだったね
彼女の唇が離れたとたん
僕は物凄い痛みが頭に走った
意識を失う前に彼女を見てみると
…さっきまで居た彼女の姿はなかった
………………
次に目を覚ますと僕は道路の真ん中に立っていた
○○)あぁ そっか 僕、今から死ぬのか
僕は全部思い出した
一週間前に僕は夏鈴と別れたんだ
婚約までしていたのに…
多分今のは走馬灯だろう
僕と夏鈴が出会った時の記憶だ
なんで最後まで夏鈴のこと考えてるんだろう
でもまぁずっと夏鈴のこと好きでいれてよかったか
僕は届くはずのない夏鈴への愛をつぶやきながら
この世を去った
…Fin
〜あとがき〜
まずは読んで頂きありがとうございます
今回は夏鈴ちゃんです!!
テイストを少し変えてみましたがどうだったでしょうか?
こういう感じのものは書くの疲れますね笑
https://querie.me/user/kikiyumemi4228
リクエストや感想等お待ちしております
それでは- ̗̀( ˶^ᵕ'˶)bおおきに~
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?