終わらない夏に終止符を
高校2年生の最後の夏の日。彼女は死んだ
夏休み最後の日に僕は高校のクラスメイトの賀喜遥香さんと遊園地デートに行く約束をしていた
そして僕はこの遊園地デートで遥香さんに告白をする
1年の頃からずっと好きだった。けど僕に告白する勇気がなかったから今までは出来なかったけど今日は違う もう覚悟を決めているんだ
…………………………………
〇〇)少し早く着いちゃったかな〜
僕は少し早かったかな?とも思いつつ待ち合わせの場所に行くことにした
〇〇)…ってもう遥香さんいるじゃん!?
遥香)あっ!?〇〇君!!
〇〇)遥香さんめっちゃ早いね笑
遥香)楽しみすきで寝れなかったの///
〇〇)ふふっ可愛い
遥香)は、恥ずかしい///
〇〇)まぁ少し早いけど行こっか?
遥香)うん!!
そして僕と遥香さんは遊園地に行き沢山楽しいんだ
自分で言うのもだけどエスコートもできてカッコイイ?ところを見せれたんじゃないかな
隣を見たら遥香さんが笑っている
僕はその笑顔を見れるだけで嬉しかった
〇〇)結構いろんなアトラクション乗ったよね
遥香)うん!!どれも面白かった!!
遥香)…
〇〇)ん?どうしたの?
遥香)私あれ食べたい
そう言われ遥香の目線の先を見てみると
そこにはチュロスが写ってあった
〇〇)あ〜チュロスか。いいね
〇〇)僕買ってくるよ 少し待ってて
……
〇〇)買ってきたよ…はい
遥香)ありがとう!!…いくらだった?
〇〇)別にこれぐらいいいよ
遥香)でも…
〇〇)ほんと気にしなくていいよ
今日は遥香さんが居たから楽しかったからそれのお礼?として…ね?
遥香)そっか…ありがとうね
遥香)それじゃあ いただくね
…パクッ
遥香)ん〜美味しい!!
〇〇)んっ…僕のも美味しい
遥香)ねぇ…
〇〇)なぁに?
遥香)〇〇君のも食べてみたいな?
〇〇)ふえっ!?
遥香)ダメ?
〇〇)べ、別にいいけど
遥香)…パクッ
遥香)シナモンだ!!
〇〇)///
遥香)なんで顔赤くしてるの?
〇〇)気のせいだよ///
遥香)…関節キス恥ずかしかった?
〇〇)そりゃ少しは気にするよ
〇〇)遥香さんはどうなの?
遥香)私だって少しは恥ずかしいよ
でも私は〇〇君のこと好きだから
〇〇)…えぇ!?
〇〇)今なんて?
遥香)だから、私は〇〇君のこと好きだよ
〇〇)遥香さんが僕のことが?
遥香)〇〇君は私の事好き?
〇〇)…好き。ずっと好きだった…
〇〇)だから僕と付き合ってください!!
遥香)喜んで!!
まさか遥香さんも僕のことが好きだなんて
夢みたいだ
僕は少し浮かれた気持ちになりながら遥香さんと帰り道公園に寄り少し喋っていた
〇〇)ねぇ僕って遥香さんの彼氏になれたの?
遥香)〇〇君は私の彼氏だよ?
〇〇)そっか…
〇〇)ほんとに嬉しくて夢なんじゃないかなって…
遥香)そんなことないよ…ギュッ
〇〇)///
遥香)〇〇君は夏好き?
〇〇)僕は好きだよ
遥香)そっか…
〇〇)遥香さんは好きじゃないの?
遥香)私は…嫌いかな
〇〇)そうなんだ…
…にゃ〜
遥香さんがそう言った時猫がこちらにやってきた
遥香)猫ちゃん!!可愛い!!
〇〇)かわいい(ボソッ)
〇〇)あっ…でもこの子足怪我してない?
遥香)え?…ホントだ!?
…にゃッ!
そして遥香さんが猫を抱えようとした時
少し僕たちを威嚇するように鳴き
どこかに行ってしまった
僕は追いかけようとしたが
それより早く遥香さんが追いかけていった
僕はそれについて行った
猫は横断歩道のど真ん中で止まっていた
遥香さんは危ないよといい飛び込んでしまった
赤に変わった信号機に
トラックは遥香さんを轢きずり鳴き叫んだ
僕はなにもできないまま夏の暑さと君の匂いにむせ返って倒れてしまった
蝉の声とともに…
…………………………………………………
朝、目が覚めた
日付を見てみると夏休み最後の日で遥香さんとデートに行く日だった
一体さっきのはなんだったんだろう
なにか夢でも見ていたのか?
煩い蝉の声しか思い出せなかった
……また遥香さんと公園で喋っていた
その時、僕は夢を思い出した…
だから僕は言った
〇〇)もう帰ろうか?
遥香)うん
もういい時間だもんね
〇〇)家まで送っていくよ
遥香)ありがとう
公園を抜けて歩いていると
上から物音がした
なにが落ちてくる
僕は口を開けて見上げることしかできなかった
落下してきた鉄柱が遥香さんに突き刺さった
劈く悲鳴も風鈴の音も蝉の声も全部空回りしていた
眩む視界に遥香さんの横顔が写る
なぜか遥香さんは笑っていた気がした
……そして僕はまた目が覚めた
日付を確認してみると…やっぱり夏休みの最後の日だった
僕はこの時確信した
あれは夢なんかじゃなく現実だってこと
そして多分これはループしていると
僕は遥香さんが死なない未来を導くことを決めた
…この時から僕は何百回、何千回、何万回、と遥香さんを助けようとやってきた
だけど、どの選択をしても…
遥香さんは死ぬ未来しかなかった
もう僕が思いつく手段は次で最後だ
この方法はとっくに思いついていた
だけどこれだけはしたくなかった
僕にとっての切り札みたいだった
だけどもうこれしかないんだ
だから…
僕は繰り返す夏の日の向こうを押しのけ飛び込んだ
…瞬間トラックにぶち当たった
不思議と痛くはなかった
これで遥香さんが助かるならと思えたから
僕は少し勝ち誇った顔して遥香さんの方をみようとするけど
血飛沫の色が君の瞳と乱反射して上手く見えなかった
………………
夏休み最後の日。とある少女が目を覚ました
その少女は呟いた
「またダメだったよ」と
…Fin
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