保健室で君に出会い恋をした
僕はほとんど病院の中で過ごしてきた
生まれたころから体が弱かった
小学校に上がってすぐに病気が悪化し入院をした
17歳になっても退院できないままでいた
毎日検査の繰り返しでなにも面白くない
普通の高校生活を送ってみたかったとずっと思っている
そんなある日担当の医者から言われた
僕はもう半年ほどしか生きれないことを
僕はどうせ死ぬなら最後ぐらい高校生活を送りたかったので
必死にお願いをして残りの期間外に出て高校生活を送ることにした
と言っても普通に学生生活を送れるわけないので保健室登校になった
コンコン
○○)失礼します。2年の○○です
○○)…あれ?
天)今保健の先生ならいないよ
○○)そうなんですか どうしよう
天)どしたの?
○○)ちょっと今日から保健室登校することになって…
天)そうなんだ
私も保健室登校してるの
これからはクラスメイトみたいなものだからよろしくね!!○○
○○)はい よろしくお願いします
えっと…
天)私は山崎天!
同い年だからタメ口で話そうね
○○)わかりました あっ わかった
よろしくね山崎さん
○○)てかどうして僕と同い年って分かったの?
天)保健室来る時に学年と名前言ってたからだよ
○○)あっ
天)ふふっ ○○って案外天然だね
○○)そうかな?
天)うん今の所だけどね
○○)山崎さんは普段ここでなにしてるの?
天)先生と話したり本読んだりとかかな?
○○)案外することなかったりする?
天)うーん そうだね笑
天)けど○○が来てくれたから暇じゃなくなるよ"!!
○○)…ハハ そうですね
天)○○はなんで保健室登校なの?
○○)んーまぁ色々とあって
天)そっかみんな色々とあるよね
○○)山崎さんはどうしてなの?
天)私はね…いじめだよ
二年生に上がってからいじめられるようになっちゃてさ
○○)そうなんですね
その、聞いちゃってすみません
天)大丈夫だよ
今の生活のほうが好きだしね
僕は普通の生活に憧れてきた
だけど普通の生活にも苦労があるんだなと知った
天)ねぇ○○放課後暇?
暇だったらさ私と出かけない?
○○)…うん暇だしいいよ
僕の体力的に少ししんどい所はあるが放課後に友達と遊びに行ってみたかったので行くことにした。
○○)ところでどこに行くの?
天)最近できたショッピングモールだよ
○○)へぇ 最近できたとこがあるんだ
天)知らないの⁉
○○)うん
天)この辺だと結構話題になってたと思うんだけどな
○○)僕あんま外に出ないからさ…
天)そうなんだ なら今日はいっぱい楽しもうね
僕は初めて行くショッピングモールはどんなところなんだろうと胸をドキドキさせながら保健室で一日を過ごしていたら気がつけば放課後になっていた
天)○○!ショッピングモールに行こう!!
○○)元気だね山崎さんは
天)そりゃあ私の取り柄は元気なことだからね
○○)ふふっ いいね
天)でしょ ○○も元気にいこう!
○○)僕はいつも通りでいいかな
天)それじゃあ行こう!
…
○○)広いね 僕こういうとこ初めて来た
天)初めてなの⁉
○○)う、うん
天)じゃあ一緒に回ろう
まずは服を見に行こう
○○)うん!
天)うーん この服いいな
けどこっちの服もいいしなー
悩むよ~
天)○○はどっちがいいと思う?
○○)え⁉僕
天)うん ○○なんかセンスいい気がしてさ笑
○○)そんなことないよ
絶対山崎さんのほうがセンスいいよ
天)とにかく○○はどっちがいいと思う?
○○)んー僕はこっちのほうがいいと思うな
天)そっかありがとう!
じゃあ買ってくるね
○○)え、そっちでよかったの?
天)うん だって今日は○○と来てるんだよ
せっかく意見もらったんだからそっち買わないと
もったいなくない?
○○)そう言う問題?
天)うん そういうことなの
○○)ならいいんだけど
天)それじゃあ買ってくるね
…
天)買ってきたよ
次行きたいところある?
○○)とくにないよ
天)じゃあクレープ食べたいから
クレープ屋さんに行こう!
○○)わかった
天)○○はなににする?
○○)僕は抹茶かな
天)○○は抹茶かー
なら私はストロベリーにしよ
天)いただきます
うーん美味しいよ!
天)○○も早く食べなよ
○○)じゃあ僕もいただきます
○○)クレープ初めて食べたけど美味しいね!
天)そうでしょ!!
あっ○○ 顔にクリームついてるよ
○○)えっ 本当?
天)うん じっとしてて
山崎さんはそう言い僕についたクリームを指ですくい取り
その指を口に運んだ
天)んーほんのり抹茶の味がする
抹茶も結構美味しいね
天)ん?どうしたの?○○
○○)…いや何でもないよ
天)ほんとに?少し顔赤いよ
○○)大丈夫だよ
天)そっか ならよかった
天)ねぇストロベリーも美味しいから○○もどうぞ
○○)僕は大丈夫だよ
天)そんなこと言わずにさ ほら
○○)じゃあいただきます
○○)確かに美味しいね
天)でしょう!! 美味しいよね
天)クレープおいしかったね
○○)そうだね
天)次どこ行くって言おうと思ったけどもういい時間だね
もう帰る?
○○)そうだね
今日はありがとうね 楽しかったよ
天)ううん こちらこそありがとうね
天)またどこか行こうね
○○)うん じゃあ気を付けてね
僕は今日初めての体験をたくさんした
今日初めて高校に行き
初めてショッピングモールに行き
初めてクレープを食べた
やっぱり病院の外は楽しいことばかりだ
楽しいと時間がたつのも早かった
僕と天が出会って4か月が経った
天とはすぐに仲良くなり
最初は山崎さん呼びだったが今は天と読んでいる
天は僕に新しい体験をさせてくれる
初めてカラオケにもいった
初めて映画館にも行った
僕は知らなかった
こんなにも学校が楽しくて友達と遊ぶことが楽しくてたまらないことを…
今まで僕の人生には色がなかった
だけど天がそこに色を付けてくれた
天といると毎日が楽しいしずっと一緒に居たいと思う
多分僕は天のことが好きなんだろう
だけどこの気持ちには蓋をしないと
僕はあと1か月しか生きれないのだから
……そしてある日僕は天から大事な話があると言われ
学校の近くの公園に呼び出された
時間より早く行くとまだ天の姿はなかった
○○)少し早く来ちゃったのかな
天)ごめん 待たせちゃったね
○○)全然僕もついさっき来たばっかりだし
天)そっか
○○)それで 大事な話って?
天)うん あのね○○
私○○のことが好き 付き合ってください
○○)ありがとう 僕も天のことが好きだよ
天)それじゃあ
○○)だけど天とは付き合えない
ごめん
天)なんで?○○も私のこと好きなんでしょ?
だったら
○○)僕ね、天には言ってなかったけど
余命宣告されてたんだ
あと1ヶ月もないぐらいなんだよ…
天)うそだよね……
○○)ごめん ほんとのことなんだ
半年前に余命宣告されてさ
僕は小学校に上がった時ぐらいからずっと病院で過ごしてきたから
最後ぐらい普通の暮らしがしたくて先生に無理言って高校に来たんだ
天)それじゃあ残りの1ヶ月一緒に居させてよ
○○)ごめん それもできない
だけど天には感謝してるんだよ
こんな僕と仲良くしてくれたし
僕の知らない事を沢山教えてくれた
僕だって一緒に居たいと思ってる
○○)だけど天には僕の事を引きずってほしくないんだよ
僕と天はきっと本来会うはずじゃなかったんだ
だから今日で忘れて
今までありがとうね
さよなら
天)ちょっとまってよ○○!!
ねぇ○○!!
こんな最後いやだよ
○○!!!!!
後ろで天が叫んでいる
だけど声が震えている
きっと泣いているのだろう
今すぐにでも抱きしめに行きたい
だけどそれをしてはいけない
してしまったらこの先 天を苦しめることになるなるから
…だけど僕は気がついたら天の元に行き
唇を重ねていた
ダメだと思っているのに
ごめんね天…
僕はあの日の数日後に入院した
段々と体調が悪くなっていくのがわかる
毎日、天のことを想う
けど想うたびに心がしんどくなる
瞼が重くなってきた
それに体の感覚もないような気がする
耳も聞こえない
声も出ない
五感が機能してないのだろう
「あぁ僕はもう死ぬんだな」
「最初で最後に好きになった人が天で良かったよ」
「大好きだよ天
幸せになってね」
〜あとがき〜
読んでいただきありがとうございます
今回もまた少し切ない系で書かせて頂きました
直接的に死の表現をするか、しないかで悩みましたが
今回はさせて頂きました
プロットを書いてやっていたのですが
途中からメチャクチャ変更しました
書いてるうちにこっちの方がいいかな?
とかが多くてですね…
切ない系書くのは難しいです
https://querie.me/user/kikiyumemi4228
リクエストや感想等頂けると嬉しいです
それでは- ̗̀( ˶^ᵕ'˶)bおおきに~
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