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嘘つきなあなた

またこの日が来たね


1年に1度、唯一あなたに会える…日なのかもしれない


私はあなたの名前が彫られた墓石の前でひとり呟く


夏鈴)1年ぶり…だね


夏鈴)…元気してた?


夏鈴)そうだよね…元気とかそういうのじゃないよね


あなたがそこに眠っていても
私が話しかけてるのはただの…墓石

どれだけ私が話しかけてもあなたからの返事なんてこない


夏鈴)あっ…私ね最近新しいお友達ができたよ


夏鈴)守屋ちゃんっていう子なんだけど


夏鈴)〇〇は良く知ってる人…かもね


夏鈴)守屋ちゃんは私のこと気づいてない感じだったんだけどね


夏鈴)そう言えばお花とかまだだったね


そして私は花を置く


夏鈴)これイヌホオズキって言うんだって
〇〇にピッタリな気がしたの


夏鈴)気に入ってくれるかな?


夏鈴)…少しはなにか言って欲しいな


…ポツンと水滴が私を濡らし始めた


夏鈴)…雨降ってきちゃったね


夏鈴)私が泣いてるの気づかれるの嫌だってこと覚えてくれてるんだね


私は涙を流した
だけどその涙は雨が綺麗に洗い流してくれる



夏鈴)今思えば…〇〇と会う時って雨が多かったね


夏鈴)〇〇が雨男なのかな
それとも…私が雨女なのかな


夏鈴)初めてのデートの時も
付き合って1年記念の時も
2年目の時も
3年目も…プロポーズしてくれた時も


夏鈴)全部…全部、、、雨だったね


夏鈴)〇〇は晴れが好きって言ってたけど
私は雨…結構好きだったんだ


夏鈴)だって雨が降っていたから〇〇と出会えたから


夏鈴)でも…お別れする日も雨だったね


雨が降っていて傘が無く困っていた私にあなたは傘を差し出してくれた
それが私たちの始まり


そして大雨の日あなたは車に…


夏鈴)あの日私の家に来るって言ってたのに
なんで真逆の所であなたが見つかったんだろうね


夏鈴)ふふっ…嘘


夏鈴)私、全部知ってるんだよ


夏鈴)そう…全部ね


夏鈴)あの日、本当はあの女の所に寄る予定だったんでしょ


夏鈴)あなたは今まで私に嘘なんてついてこなかったのに…ね


夏鈴)気がついたら嘘まみれになってたね
でも私ね…怒ってないんだよ


夏鈴)最初はショックだったけどね
けど今はそれすら愛おしいと思える


あなたの全部が好きだから
顔も性格も声も笑ってる時も
私じゃなくてあの女を選んだところも


全部…全部…全部大好きだから


夏鈴)…今日でここに来るのも最後になるかな〜


夏鈴)ふふっ…でも安心して
私と守屋ちゃんとも会えるよ


夏鈴)だって私が連れて逝ってあげるからね


夏鈴)また愛し合おうね


夏鈴)それじゃあ…私はもう行くね


「またね」



私はあなたの墓を去った


次はどっちを選んでくれるのかなぁ?と考えながら私は守屋ちゃんのお家に向かう


ふふっ…ちゃんとあるね


そういって銀色に輝くものを手にする


嘘つきってダメだよね




…Fin





〜あとがき〜
読んでいただきありがとうございます
今回は夏鈴ちゃんで書きました
よく分からない系のお話です


リクエストや感想等いただけると嬉しいです
それでは- ̗̀( ˶^ᵕ'˶)bおおきに~







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