僕が抱えた問題児は、緊張しい純粋ガールでした
アルノのやる気を引き出せた数日後
美空:んふふ
和:むぅ…
アルノ:はぁ…落ち着く
〇〇:…
〇〇:あの、皆さん…
美空:どうしたんですか〜?
〇〇:あの…避けてくれません?
和:やだ
アルノ:ここ落ち着くんですよね
〇〇:…
状況を説明しよう
まず、美空は僕の右腕に抱きついている
女の子特有の柔らかさを腕全体で感じているため、ちょっとやばい
そして和は、僕をバックハグする形でいる
時折首元に息がかかって、くすぐったい
そしてアルノは、あぐらをかいている僕の足に座っている
ジャストサイズで収まりはいいが、作業が全くできない
〇〇:あの、作業できないです
美空:そんなの後でいいじゃ〜ん
〇〇:いや、この作業にプラスして大学の課題あるの
アルノ:ん、アルノ?
〇〇:いや、アルノのこと呼んでないのよ
アルノ:な〜んだ
〇〇:はぁ…
3人に手を焼いていると
?:みんな、勉強しないの?
美空:後でする〜
?:それで点数落としたら、〇〇先生悲しむよ?
和:っ…〇〇、本当?
〇〇:そりゃもちろん
和:今すぐ勉強する
美空:美空もやる!
美空:〇〇さんの悲しい顔見たくない!
アルノ:私も頑張らないと
〇〇:(すげえ…)
〇〇:ありがとう、菅原さん
咲月:いえいえ、〇〇先生が大変そうだったので…笑
〇〇:好かれるのはいいけど、ちょっと大変だよ…笑
咲月:いいな…
〇〇:ん、何か言った?
咲月:あ、いえ何でもないです!
咲月:今日も頑張ります!
〇〇:うん、頑張ろうね ナデナデ
咲月:うぅ…
美空:あ〜!咲月のことナデナデした〜!
和:…あとでしてね
アルノ:もちろん、私にもね〜
〇〇:…はい
こんな風に手を焼いている現在です
_____
数日後の金曜日
金曜日ということは、小テストだ
〇〇:はい、みんなテストやるよ〜
アルノ:ねえ、今回もご褒美ある?
〇〇:そんな毎回はあげません
美空:え〜、じゃあ頑張れない〜!
〇〇:なら、ご褒美の代わりに…
美空:え、キスくれるの!?
〇〇:1番点数低かったら、罰ね
桜:∑(・ω・ )ビクッ!
美空:い…痛くしないでね…?
〇〇:何される気?
美空:〇〇の…Sな部分が…
美空:私、Mに目覚めちゃうのかな…
アルノ:放っておきましょう
〇〇:だな
〇〇:まあ、課題プリントを3枚くらい出そうかなって
和:3枚…嫌だな…
〇〇:大丈夫、気負わずやってくれ
〇〇:(ビリの本命は自覚あるみたいだし)
桜:(絶対ビリだなぁ…)
しかし、そんなビリ本命の他にも
ビクビクしている人が1人
咲月:…
咲月:(やばい…私ビリ取っちゃうのかな…)
咲月:(もしここでビリなんて取ったら…)
_____
〇〇:最下位は、菅原
咲月:あぁ…
〇〇:菅原、信じられないぞ
咲月:うぅ…すみません…
〇〇:まじで幻滅した
〇〇:やる気ないなら、この塾辞めるか?
咲月:や、辞めたくないです!
〇〇:いや、まじでやる気ないやついらないから
〇〇:はい、荷物持って帰って
咲月:えっ…
〇〇:ほら、早く帰って
〇〇:他の子の迷惑になるから
〇〇:この邪魔者が
_____
咲月:いやぁぁぁぁぁぁ!!!
〇〇:菅原さん!?
咲月:はぁ…はぁ…
美空:咲月、大丈夫?
咲月:あれ…私邪魔者じゃない…?
〇〇:菅原さんは邪魔者なんかじゃないよ?
〇〇:菅原さんの頑張り、僕はちゃんと知ってるからね?
咲月:はぁ…良かった…
〇〇:では気を取り直して、テスト始めます
そして準備を済ませ、テストを始める
テストの様子を見ていると
咲月:あわわ…
咲月:やばい…わかんない…
咲月:うぅ…終わったぁ…
〇〇:(独り言多くない?)
和:〇〇…
〇〇:ん、どうした?
和:咲月が…ちょっと
咲月:あ、和ごめん!
〇〇:菅原さん、心の中でお願いね?
咲月:ご、ごめんなさい!邪魔者ですみません!
〇〇:だから、菅原さんは邪魔者じゃないよ?
咲月:ご、ごめんなさい…
〇〇:ううん、テストできそう?
咲月:できます…
〇〇:よし、なら再開しよっか
咲月のパニックを抑え、何とかテストを再開できた
そして、テストを終え、採点中
和:咲月…何かあった?
咲月:ふぇっ!?
美空:ねえ、邪魔者って何?
美空:美空たち、邪魔者なんて思ったことないよ?
咲月:そ、そう…?
アルノ:何なら、〇〇からしたら1番扱いやすい生徒でしょ
桜:咲月が、1番真面目な生徒だよ〜
咲月:そ、そうかな…//
〇〇:採点終わったぞ〜
〇〇:返却する前に…菅原さん、どうした?
咲月:え?
〇〇:あの、0点なんだよね
咲月:え…
〇〇:菅原さん、放課後残ってもらっていい?
咲月:は…はい…
咲月:(終わった…本当に邪魔者になる…)
〇〇:えっと、一位はアルノ
アルノ:やった〜
〇〇:アルノ、地頭いいんだな
アルノ:やればできるんですよ〜
〇〇:最初からやっててくれればな〜
和:負けた…
美空:次こそは…!
_____
そして放課後
美空:〇〇またね〜
アルノ:今度デートしてね〜
〇〇:またな、美空
〇〇:デートはする予定ないぞ〜
和:次のテスト、頑張る、じゃあね
〇〇:おう、期待してるよ、和
〇〇:あ、川﨑さん
〇〇:もっと頑張ろうか
桜:あ、は、はい
咲月:…
咲月:(終わったなぁ…)
〇〇:よし、菅原さん
咲月:∑(・ω・ )ビクッ!
〇〇:あっちの部屋行こっか
僕は菅原さんを、準備室に連れてくる
〇〇:そこ座って
咲月:はい…
菅原さんを椅子に座らせると
〇〇:菅原ぁ!
僕は人生最大の声で叫んだ
咲月:ひゃぁぁぁ!!!
咲月:ごめんなさいごめんなさい!
咲月:なにも出来ない役立たずでごめんなさい!
咲月:もっと真面目にやるので、辞めたくないです!
菅原さんは、目に涙を湛えていた
〇〇:…
〇〇:うん、やっぱりそうだ
咲月:え…
〇〇:菅原さんさ、前に僕が和にブチ切れた時も泣いてたじゃん?
咲月:あぁ…ありましたね
〇〇:その時からちょっと思ってたんだけど
〇〇:菅原さん、色々考え込むタイプでしょ
咲月:え?
〇〇:「ここで低い点数取ったら幻滅されちゃう」とか「他の人は頑張ってるのに私何してんだろ」とか
〇〇:それがさ、解答欄間違えるミスとかに繋がってる気がして
咲月:そうかもしれないです…
〇〇:菅原さんが自分で気づいてるか分かんないけど
〇〇:僕、菅原さんはダイヤの原石だと思うんだ
咲月:どういうことですか…?
〇〇:これを見てほしいんだけど…
僕は菅原さんに、菅原さんの過去のテストを見せた
〇〇:何か気づくことない?
咲月:解答欄ズレすぎだし、計算ミス多い…
〇〇:まあ、それもある笑
〇〇:でも、何か不自然じゃない?
咲月:え…?
〇〇:菅原さん、問1とか問2は間違ってるのに
〇〇:問5とかは正解してるの
咲月:あ、本当だ…
〇〇:これさ、テスト中に色々考えすぎて、簡単な問題をミスしてるだけな気がするんだ
咲月:確かに、テスト中は頭がパンクしてます…
〇〇:やっぱりそうか…
咲月:だって…悪い点数取ったら、〇〇さん落ち込むし
咲月:〇〇さんに申し訳なくて…
〇〇:そっか、優しいね ナデナデ
咲月:優しくなんてないです…
咲月:私、〇〇さんが好きなだけです…
〇〇:そうなの?
咲月:〇〇さんの真摯に向き合う姿、本当に大好きなんです
咲月:だからこそ、裏切れなくて…
〇〇:ありがとう、菅原さん
〇〇:僕も菅原さんのこと、好きだよ
〇〇:菅原さんの真面目な姿、本当に素敵だし、モチベーションだったんだ
咲月:そうなんですか…?
〇〇:うん、今でこそ和や美空はやる気出してるけど
〇〇:最初、ただの問題児だったじゃん?
咲月:あぁ、確かに
〇〇:それでも、菅原さんだけは真剣に取り組んでくれて…
〇〇:僕は、菅原さんに沢山救われてきたんだ
〇〇:ありがとう、菅原さん ギュッ
咲月:こんなに褒めてくれるの…〇〇さんだけです…
咲月:私、いつもドジしたりミスばっかりで…
咲月:「何してんだ菅原!」って怒られてばっかりだったんです…
腕の中にいる菅原さんは、体を震わせていた
〇〇:大丈夫、菅原さんのいい所知ってるから
咲月:〇〇さぁん…!
〇〇:いいよ、存分に泣いて
咲月:うぅ…うぐっ…
それから数分経ち、菅原さんの気持ちは落ち着いた
咲月:〇〇さん…1ついいですか?
〇〇:ん?
咲月:毎週やってるテストの前に
咲月:ハグしてくれませんか?
〇〇:は…ハグ?
咲月:〇〇さんのハグ、気持ちがすごく落ち着くんです
〇〇:そうすれば、テストに集中できそう?
咲月:はい
〇〇:分かった、次のテストで試してみよっか
咲月:はい!
_____
そして迎えた、金曜日
〇〇:みんな、今日はテストです
〇〇:だけど、前伝えたように、今までの総復習のテストです!
美空:点数取れるかな…
和:1位になって、〇〇とデート行きたいな…
咲月:はぁ…はぁ…
〇〇:あ、ちょっと待ってね
僕は緊張してる菅原さんに近づいて
〇〇:菅原さん、頑張ってね ギュッ
咲月:はぅ…
美空:なっ、咲月ずるいぞ!
アルノ:え〜、ずる〜
〇〇:これで大丈夫?
咲月:はい、ありがとうございます
〇〇:よし、頑張ろうね
咲月:はい!
美空やアルノが戸惑う中、強引にテストを始めた
美空:(えぇ…難しい…)
和:(こんなのやったっけ…)
アルノ:(うわぁ…忘れたなこれ)
桜:(あ、やばい…)
咲月:ふふっ…
〇〇:?
咲月:(解ける…落ち着いたら解ける…!)
〇〇:はい、時間で〜す
〇〇:みんなの答案回収します
咲月:よし…
〇〇:大丈夫そう?
咲月:はい、〇〇さんのハグのおかげで!
〇〇:そっか、良かった
僕は採点するために、準備室に
美空:ねえ咲月、どういうこと!
和:私の〇〇に何したの…?
咲月:な、和…怖いよ…
咲月はみんなに事情を説明した
アルノ:はぁ、心の安定剤的な?
咲月:まあ、そうなるね
美空:じゃあ美空もハグ頼も〜
和:ハグされて、心落ち着いてられる?
美空:あ、無理だ…
和:私も絶対無理
アルノ:私も舞い上がっちゃいそうだな
咲月:桜は?
桜:ん〜、別になにもないかも
咲月:桜はいい意味で、何にも動じないもんね…笑
和:確かに、わかる
美空:でも、咲月も〇〇さんのこと好きってことでしょ?
アルノ:あ…ライバル増えちゃった
咲月:そう…だね
和:〇〇は渡さない
美空:美空の〇〇さんだもん!
アルノ:あ、〇〇帰ってきた
〇〇:は〜い、返却するぞ〜
〇〇:まず、和
和:お願いしますお願いします
〇〇:50点、まずまずだね
和:一位じゃないな…
〇〇:次に、美空
〇〇:55点、和よりは上だね
美空:やった…!
和:むぅ…
〇〇:次は、アルノ
〇〇:70点、さすがだな
アルノ:まあ、やればできるんで!
〇〇:で、川﨑さん
〇〇:はぁ…30点
桜:みんなすごいなぁ…
〇〇:関心してる暇ないぞ?
桜:はぁい
咲月:(相変わらずマイペース…笑)
〇〇:最後に咲月
咲月:えっ!?
〇〇:おめでとう、90点
咲月:え、嘘!?
〇〇:嘘じゃないよ、咲月の実力だよ
咲月:やったぁ…!
〇〇:ご褒美は何がいい?
美空:え、ご褒美あるの!?
アルノ:後出しずるいよ〜
咲月:え…じゃあ…
咲月:き…き…
咲月:キスしてください!
和:咲月、大胆だな…
〇〇:分かった、唇でいい?
咲月:は、はい!
目を瞑って待っている咲月に
優しくも、長いキスをした
〇〇:咲月、お疲れ様
咲月:…//
美空:咲月だけずる〜い!
和:私、まだキスしたことないのに…
アルノ:〇〇とキスしたことある私はまだリードかな
美空:え、いつキスしたの!?
アルノ:あ…
和:アルノ、教えなさい
美空:ねえ、いつしたの?教えなさいよ!
アルノ:そ、空耳じゃな〜い?
美空:逃がさないぞ!
1つの失言きっかけに、アルノは美空と和に問い詰められた
咲月:〇〇さん
〇〇:ん?
咲月:ありがとうございます
〇〇:ううん、咲月の実力だから
咲月:〇〇さんがいなかったら…こんなに自分に自信が持てませんでした
咲月:〇〇さん、お願いがあります
〇〇:いいよ、何?
咲月:私を…彼女にしてほしいです
〇〇:え、彼女…?
咲月:もちろん、今すぐにとは言いません
咲月:でも、ちゃんと志望校に受かって、素敵な女性になれたら…
咲月:〇〇さんの彼女になりたいです
〇〇:そっか
咲月:いいですか…?
〇〇:先に1つ聞いていい?
〇〇:志望校って、どこ?
咲月:乃木坂大学です!
咲月:〇〇さんと、同じ大学でキャンパスライフを送りたいです
〇〇:そっか、分かった!
〇〇:乃木坂大学、甘くないからな?
咲月:分かってます!だけど…
咲月:〇〇さんパワーで頑張ります!
〇〇:期待してるよ!
咲月:待っててくださいね、〇〇さん!
〇〇:う、うん…
〇〇:(咲月、めっちゃ可愛いじゃん…)
純粋問題児、菅原咲月編、完
続く
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?