僕が抱えた問題児は、案外押しに弱いタイプでした
みk…一ノ瀬のやる気を引き出せた数週間後
〇〇:みんなおはよう
美空:おはようございま〜す、〇〇さ〜ん
〇〇:い、一ノ瀬…おはよう
〇〇:始めに、課題回収します
〇〇:みんな、提出してね
美空:せ〜んせ?
〇〇:ど、どうした?
美空:美空の愛のメッセージ、ちゃんと読んでくださいね?
〇〇:(やべっ、可愛い…)
〇〇:ん…愛のメッセージ?
〇〇が課題のプリントを確認すると
「大好きです♡」
〇〇:…//
和:むぅ…
〇〇:な…和さん…痛いです…
和は静かに、〇〇の腕をつねる
和:和の〇〇なのに…
〇〇:ふふっ、そうだな ナデナデ
和:…//
咲月:あのぉ…微笑ましい中すみません…
〇〇:あ、ごめん!菅原さん!
〇〇:い…いえ…
桜:私もここに出しておきまぁす
〇〇:あ、ありがとう、川﨑さん
〇〇:あとは…中西さん?
アルノ:あ、すみませ〜ん、忘れてきました
〇〇:中西さん…最近常習犯だよ?
アルノ:あ〜、すみません笑
〇〇:中西さん、最近…舐めてる?
アルノ:いや、そんなことない気がしますけどね?
〇〇:はぁ…
そう、最近、中西さんが舐めている
ただ、その原因は明確で…
_____
翌日
美空:〇〇さんって本っ当にかっこいいよね!
咲月:ま、まあ、そうだね…笑
美空:いや、さっちゃんは〇〇さんの魅力が分かってない!
美空:本当にね、なんと言ってもあの優しさ!
美空:もうね、キュンってしちゃう!
和:…わかる
美空:ね!ね!
〇〇:おはよ〜
美空:あ、愛しの〇〇さん!ギュッ
〇〇:一ノ瀬…いきなりかよ笑
和:…ギュッ
〇〇:和まで…
〇〇:2人とも課題やってきた?
美空:もちろんです!
美空は急いでバッグからプリントを取り出し
美空:はい!
〇〇:ありがとう
「I Love You♡」
〇〇:今日もか…
和:私も…書いたもん
「大好きだよ、〇〇」
〇〇:な、和まで…//
咲月:やっぱり毎回課題出しにくいんだよなぁ…
〇〇:いつもごめんね、菅原さん
咲月:〇〇さん、大変ですね笑
〇〇:まあ、嬉しいんだけどね…笑
咲月:これ、桜の分もです
〇〇:うん、ありがとう
〇〇:てことは…またか
〇〇:中西さん?
アルノ:あ、すいやせん笑
〇〇:はあ…
〇〇:中西さん、今日居残りね
アルノ:え、今日は嫌っすね
〇〇:いや、残すから
アルノ:強制とかありなんすか?
〇〇:ルールとか知らねえ
〇〇:ただ、今日は残す
そして放課後
教室には〇〇とアルノの2人のみ
〇〇:よし、残ったな
アルノ:まあ、さすがにっすね笑
〇〇:単刀直入に聞く
〇〇:なんで出さない?
アルノ:ん〜、別によくないですか?
〇〇:俺はみんなの学力をあげるために雇われてるの
〇〇:課題もそれのいっか…
アルノ:〇〇先生ってさ
〇〇:まだ俺が話してるさい…
アルノ:童貞っすよね?
〇〇:は?
アルノ:だから、童貞ですよね?
アルノは〇〇に詰め寄る
〇〇:だ…だから何…
アルノ:ははっ、めっちゃ顔強ばってる笑
アルノ:やっぱ童貞なんすね〜
〇〇:何が関係あるんだよ…
アルノ:美空とか和とか、女の子を手玉に取ってるつもりかもしれないですけど
アルノ:所詮、女性経験ない童貞ですもんね?笑
〇〇:そ、それは…
アルノ:あはは、やっぱりないんだ笑
〇〇:…
アルノ:襲ってもいいんですよ?
〇〇:は?
アルノ:この教室、先生と私しかいないですし
アルノ:多分力じゃ負けるんで
〇〇:そんなことするわけないだろ
アルノ:ま、そっすよね
アルノ:そんな勇気、あるわけないし笑
アルノ:てか、帰りますね〜
アルノは荷物を持って教室を出ていく
〇〇:あ、中西…!
〇〇:はぁ…
〇〇:…やってやるか
_____
その翌日
〇〇:みんなおはよ〜
〇〇:今日は金曜日なので、テストで〜す
咲月:あぁ…きちゃった…
美空:〇〇さ〜ん
〇〇:ん?
美空:1番成績良かった人にご褒美とかありますか?
〇〇:ん〜、ご褒美の内容次第?
美空:じゃあ、〇〇さんとセッ…んん!
咲月:美空、それはダメ!
〇〇:菅原さん…ありがとう…
咲月:もう…美空は欲を抑えようか?
美空:止まらないもん…〇〇さんへの愛は…
〇〇:(やっぱりやりすぎたのかな…)
〇〇:では、テストやっていきます!
いつものようにテストを行い、採点を終える
美空:〇〇さんとせっ××〜
咲月:自主規制かかって…
和:(私も…したいな…)
〇〇:では、採点終わりました
〇〇:まずは、菅原さん
咲月:うぅ…
〇〇:42点、まあ少しずつ上がってるね
咲月:はい…
〇〇:次に、和
〇〇:さすがだね、60点
和:ありがとう…
〇〇:でも、和ならもっと頑張れるかもな
和:うん…頑張る…
〇〇:次は…川﨑さん
桜:はぁい
〇〇:30点だね
桜:お〜
〇〇:お〜じゃないのよ…
〇〇:もっと頑張って…
桜:は〜い!
〇〇:そして…美空
美空:わくわく!
〇〇:すごいね…80点
美空:やった!〇〇さん!
〇〇:ちなみに絶対しないからね?
美空:えぇ〜ケチぃ〜
〇〇:美空がもう少し大人になったら…ね?
美空:え、してくれるんですか!?
〇〇:まあ…考える…かな?
美空:高校卒業したらお願いします!
〇〇:う、うん…
〇〇:で、最後、中西さん
〇〇:何…15点って…
アルノ:ちょっと難しくて〜
〇〇:中西…放課後残れ
アルノ:またですか〜?
〇〇:残れ、いいな?
アルノ:はぁい
〇〇:今から復習していきます
_____
その放課後
教室にはまた、〇〇とアルノの2人のみ
アルノ:また童貞いじりされたいんですか?
〇〇:あのな、中西
アルノ:何ですか?
〇〇:人の話聞きながら、飴舐めるな
アルノ:え、欲しいですか?
〇〇:は?
アルノ:あげますよ?あ〜
アルノはベロに飴を乗せて、〇〇に突き出す
〇〇:…
アルノ:いらないんで…んっ!
〇〇は飴を奪うと共に
アルノに、キスをした
〇〇:んっ…
アルノ:なっ、何してんの!?
〇〇:いや、飴もらっただけだよ?
アルノ:いや、え?
アルノ:いま、確実にキスしたでしょ!
〇〇:あ〜、まあ成り行きでね?
アルノ:ちょっ…ふざけないでよ!
〇〇:別にいいでしょ
〇〇:どうせ、中西なんて色んな男とキスしてるだろうし
アルノ:は?してる訳ないじゃない!
アルノ:あれがファーストキスだからキレてるのよ!
〇〇:へ〜、ファーストキスなんだ〜
〇〇:てことは…中西って
「処女なんだね?笑」
アルノ:なっ…
〇〇:いや〜、俺の事を散々、童貞呼ばわりするかと思えば
〇〇:まさか処女さんなんてね笑
アルノ:だ、だったら何なのよ!
〇〇:いや、都合いいな、って
すると
アルノ:都合…?きゃっ!
〇〇はアルノを床に押し倒す
アルノ:ちょ、何してんの!
〇〇:アルノ…
アルノ:な…なに…
〇〇:俺…アルノとしたいな…
アルノ:は…はぁ!?
〇〇:ねえ…だめ?
アルノ:っ…
〇〇:俺…アルノのこと、ずっと可愛いな、って思ってたんだ…
アルノ:へっ…//
〇〇:普段厳しいのは…好きの裏返しなんだ
アルノ:そ…そうなの?
〇〇:もちろん、生徒みんな好きだけど…
〇〇:アルノも…大好き
アルノ:…//
〇〇:ねえ…しよ?
アルノ:い…いいわよ…
〇〇:え…本当に?
アルノ:私も…〇〇先生となら…したいし
〇〇:ありがとう…中西…
〇〇:じゃあ、一旦起き上がって?
アルノ:う、うん…
〇〇:で、椅子座って?
アルノ:(え…そういうプレイなの…?)
〇〇:で、テキストと筆記用具出して?
アルノ:え?
〇〇:ん?
アルノ:え…今から何するの?
〇〇:何って…勉強でしょ?
アルノ:へ?
〇〇:だって言ってくれたじゃん
〇〇:私も…したいし…、って
アルノ:あれ勉強のことなの!?
〇〇:え…逆に何ある?
〇〇:ここ、塾だよ?
アルノ:あ…それ…は…
〇〇:もしかして…
〇〇:えっちなこと考えてた?ボソッ
アルノ:…//
〇〇:あはは、可愛いな、アルノは
アルノ:っ…//
アルノ: ※△?%&#〜!
アルノは机に突っ伏しながら、悶える
〇〇:そんなにしたかったんだ…
アルノ:し…したいって思っちゃ…だめなの?
〇〇:ううん、思春期の女の子らしくていいと思うよ?
アルノ:本当に童貞なの…?
〇〇:正直いうと…1人だけ経験はある…
アルノ:じゃ…じゃあ…
〇〇:俺はファーストキスじゃないんだよね…
〇〇:てか…まじでごめん!
アルノ:え?
〇〇:正直、鎌かけるためのキスで…まさかファーストキスだと思わなくて…
アルノ:べ、別にいいわよ…
アルノ:正直…嬉しかったし…
〇〇:ほ、本当に!?
アルノ:嘘なんてつかないわよ
〇〇:よかった…
〇〇は力が抜け、その場に座り込む
アルノ:そ、そんなに?
〇〇:だって…女の子にとってのファーストキスって、めちゃくちゃ大事でしょ?
〇〇:俺、軽率な行動取りすぎた、ってめっちゃ後悔して…
アルノ:そんな…
〇〇:中西…
アルノ:な、なに?
〇〇:なんかお願いごと、1個聞いてやる
アルノ:は?
〇〇:たとえ大丈夫だとしても、やっぱり責任は取らなきゃいけないな、って
〇〇:男として、最低限のことはしないと
アルノ:お願い、っていっても…
〇〇:別に今じゃなくて…
アルノ:デートしたい
〇〇:え?
アルノ:私と、デートしてよ
〇〇:え、いいの?
アルノ:責任取るんでしょ?
アルノ:なら…
「私を虜にした責任…取りなさいよ」
〇〇:…うん、分かった
_____
〇〇:中西…食いすぎじゃね?
アルノ:だって、全部〇〇の奢りでしょ?
〇〇:そうだけど…
〇〇はアルノの要望で、近場の商店街で食べ歩きをしている
〇〇:そんな食べたら太るぞ?
アルノ:うわ…最低…
〇〇:だって、事実じゃん
アルノ:デリカシーの欠片もないんだね…
アルノ:ちょっと引くわ…
〇〇:なんでよ笑
アルノ:だって…女の子に普通言う?太るぞ、なんて
〇〇:いや…でも、太っても可愛いじゃん、絶対
〇〇:アルノである限りは
アルノ:なっ…
アルノ:本当に女たらしすぎて腹立つ…
〇〇:ねえ、なんでよ笑
アルノ:こうやって美空や和は手玉に取られてたのか…
〇〇:酷い言われ様だ…
アルノ:まあ…私も見事に手玉になってるんだけど…
〇〇:ふふっ、俺の手のひらで転がってていいぞ〜? ナデナデ
アルノ:なんでこんなクズ男みたいなやつを…
〇〇:明日も頑張ろうな、勉強
アルノ:…うん
その翌日、昨日デートしていたことが美空にばれ…
美空:〇〇さん!アルノとデートしたって本当ですか!?
〇〇:ちょっ…一ノ瀬…近い…
美空:信じられないです!私という彼女がいるというのに…
〇〇:俺、一ノ瀬の彼氏じゃ…
美空:てか、ずっと一ノ瀬って呼ぶし!
美空:美空って呼んでください!
〇〇:いや、一応みんないるし…
和:私のことは和って呼んでくれるよね?
和:すごい…嬉しい…
〇〇:な、和…今それ言っちゃ…
美空:むぅぅぅぅぅ!!!
美空:今日は美空って呼んでくれるまで許さない!ギュッ
すると、アルノが教室に入ってきて
アルノ:あ、〇〇
〇〇:おはよう、アルノ
〇〇:あ…
気づいた時には既に遅く
美空:あぁぁぁぁ!!!ギュー
〇〇:痛い痛い!美空、痛い!
美空:っ!?今、美空って呼んだ?
〇〇:へっ?俺呼んだの?
和:聞き間違いじゃなければ
美空:プリーズワンモア!
〇〇:み…美空?
美空:はぁ…大好きです!ギュッ
〇〇:どうにかならんかな…
手の焼ける生徒が増えた?エスカレートした〇〇であった
押し弱問題児、中西アルノ編 完
続く
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