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パレットで虹を描いて

道端に咲いている花がきれいに咲く、4月の通学路。



「おはよ、〇〇!」

「先輩、おはようございます!」


バスケ部の先輩が後ろから話しかけてくれる。


「いや〜、新しく入ってくる女子マネージャー楽しみだな〜」

「気が早いですって」


「可愛い子入ってきてくれないかな〜」

「結局顔目当てですか…」


「何、楽しみじゃないの?」

「いや…楽しみじゃないと言えば嘘ですけど」


「だろ?勧誘頑張らないとな〜」


後輩に何を言わせているんだ。


まあ、正直少し楽しみではあるけど。


そんな先輩と春の通学路を歩いていると、あっという間に校門が見えてきた。


学校に着くと、新しいクラスが貼られているのが見える。


その紙の前で一喜一憂する生徒たちを見ながら



″いや、クラス確認したなら早く避けろよ″



と心の中で少しだけ毒を吐いた。


そんな生徒たちの間を抜け、何とかクラスを確認し、1組の教室に入る。


すると、見慣れた顔がいくつか見えた。



「あ、〇〇じゃん!おは!」

「おう、おはよう」


バスケ部のチームメイト兼友人の奴と挨拶を交わす。


「〇〇と同じクラスか〜」

「おい、残念そうに言うなよ」


「わりぃわりぃ、また1年よろしくな!」

「ああ、こちらこそよろしく」


「てか、全校集会だりぃ。サボろっかな」

「今年こそ彼女作るために真面目に行くんじゃなかったのか?」


「なっ…彼女いない〇〇には言われたくねぇよ」

「は?それ関係ないだろ」


「なあ、お前好きな人とかいんのか?おしえろよ〜!」

「無理、ほら早く列並ぶぞ」


無視したい話題を遮るように、廊下の列に並ぶ。




新学期最初の全校集会を終えると、ホームルームの時間となった。



「なあ、委員会何にする?」

「何だろ、あんまり仕事ないやつかな」


「だよな!いや〜、どの委員が一番楽なんだろ」

「俺はとりあえず、美化委員かな」


先に委員長を決め、その委員長を中心に決めていく。


幸いなことに、俺の考えていた美化委員は対抗馬がおらず、すっと決まった。


一方、友人の狙っていた文化委員は、別のクラスメイトに取られてしまったようだ。


よほど悔しかったのか、ホームルーム中ずっと落ち込んでいた。



「負けた…終わった…」



いや、落ち込みすぎだって。



「今日は全部の委員会で集まりあるから、放課後、忘れずに行けよ」




放課後、指定された教室に向かうと、既にほとんど席が埋まっていた。


辛うじて空いていた、女の子の隣の席に座る。



「すみません、隣失礼します…」

「うん、どうぞ」


たった1回の会話だけだったのに、妙にその女の子が気になった。



「あの、何年生ですか?」

「私は2年生です」


「なら、同学年か」

「うん、奥田いろはです」


「竹津〇〇です」

「よろしくね、〇〇くん」


笑顔が可愛くて、声も可愛くて魅力的。


最初は、そんな印象だった。



「〇〇くんはなんで美化委員選んだの?」

「まあ、楽そうだし、掃除嫌いじゃないからいいや、って」


「そっかそっか」

「奥田さんはなんで美化委員?」


「掃除が好きっていうのもあるけど、きれいな学校って素敵じゃん?学校をきれいにしたいな〜って」



動機まできれいで純粋だった。


「楽だから」なんていう俺の動機とは雲泥の差だ。



「そっか、奥田さんは素敵だね」

「いやいや、ただの綺麗事だもん」


「綺麗事でもいいとは思うけどな」

「そうかな?」


「まあ、俺的には、だけどね」



委員会は、担当の先生主導に話し合いが進む。


毎週二回、担当箇所の清掃をペアで行うらしい。


ありがたいことに、先程仲良くなった奥田さんとペアになることができた。



「〇〇くん、よろしくね」

「うん、よろしく奥田さん」


「その、奥田さんって堅い呼び方やだな〜」

「え、いろはさん、とかの方がいい?」


「ん〜、いろは、って呼んで?」

「じゃあ…いろは、よろしく」


「うん、よろしくね」



おく…いろはの優しい声と共に挨拶を交わす。


委員会終わり、いろはから


″仲良くなった証にLINE交換しない?″


と言われ、LINEを交換した。


アイコンが食べ物のナンなのが謎すぎてちょっと面白い。


相当好きなのだろうか。




家に帰り、部屋でゴロゴロしていると、スマホに通知が入る。



『〇〇くん、早速メッセージ送ってみた!』



いろはからのLINEだった。



『ありがとう、何か用あった?』

『ううん、ないけどなんか送りたくなっちゃっただけ』


『そっか、てかいろはってナン好きなん?』


無意識のうちにダジャレを送ってしまった。


ああ、なんという失態。


お願いだ、そのままスルーしてくれ。



『あれ、狙ってます?笑』

『あの、忘れてください…』


『え〜、やだ〜笑』

『(〇〇はメッセージを削除しました)』


『ちょ、消さないでよ〜』



危ない、スクショされる前に消しておいて良かった。


いろはは、もしかしたらSな部分があるのかもしれない。


ボロを出さないように気をつけないと。




新学期が始まってから数週間。


美化委員の仕事にも慣れてきた頃。


いろはとも、結構仲良くなれた。


まあ、相変わらず、俺の出したボロを見事に拾ってくるが。


放課後、部活に向かおうとしていると、担任に呼び止められる。



「〇〇、これから部活か?」

「はい、そうです」


「一年でバスケ部のマネージャーやってる菅原咲月っているだろ?職員室に来るよう言ってくれないか?」

「はい、分かりました」


「すまんな、助かる」



俺はそのまま体育館に向かい、菅原を探す。


既にメンバーが練習をしているので、近くにいるはずだ。


辺りを見渡していると、1つのボールが視界の端の方から勢いよく飛んできた。


その先には、ボールに気づかないいろはがいる。



「いろは、危ないっ!」

「えっ?」


間一髪、手が届いてボールを弾くことができた。



「いろは、怪我ないか?」

「う、うん…」


「〇〇先輩、すみません!」

「いや、怪我ないから大丈夫だよ」


「あ、ありがとう、〇〇くん」

「ううん、いろはに怪我がなくてよかったよ」


〇〇に心配され、少しばかり、いろはの頬が赤らんでいた。


とりあえず、いろはにボールが当たらなかったことに安堵する。


そういえば、菅原を探している途中であった。


と思っていると



「〇〇せんぱ〜い、お疲れ様です」

「あ、菅原、ちょうど探してたんだよ」


「え、私に用事ですか?」

「うちの担任が菅原に用事があるらしくてさ、職員室来てほしいらしい」


「わかりました、今から向かいますね」

「走って転ぶなよ?」


あまり急がなくていいのに、何故か走る菅原に、心配な気持ちが募る。



「そういえば、先輩」

「なんだ?」


「さっきの先輩、めっちゃかっこよかったです!」

「は?」


さっきとは、いろはを守ったことだろうか。



「そういえば、体育館に何か用があったの?」

「更衣室に忘れ物しちゃってて」


「そっか、菅原呼び終わったし、俺はユニフォームに着替えてこよっかな」



用事を終え、部活に参加するために更衣室に向かおうとすると、制服の袖が掴まれる。



「ん、いろはどうしたの?」

「その…さっきの、かっこよかったよ」


「そっか…まあ、怪我なくてよかったよ」


女の子にストレートにかっこいいと言われると、結構照れることが分かった。


いや、いろはに言われたから嬉しくて照れるのだろうか。


というか、いろはの声、すごく好きかもしれない。




とある日の昼休み。


弁当を食べながら、いつものメンツで雑談をしていた。


すると、そのうちの1人が



「やっぱり女の子はロング一択だよな〜」

「は?女の子といえばボブだろ!」


「いやいや、綺麗な髪が風になびく様子想像してみろ?」

「まて、ボブのあの丸み、可愛さの塊だろ」


「なぁ、〇〇は女の子の髪の毛、何派?」



正直、こっちに話を振ってほしくなかったが、振られたので仕方ない。



「まあ、ミディアム派かな」

「へぇ…よし、うちの学年でミディアムの人探すか」


「は、なんで?」

「〇〇の好きな人探しだよ」


こいつにまんまと嵌められてしまった。


普段、そういう話になると全く会話に入らないからと、こいつなりに考えたのか。


意外と、頭がキレるやつなのかもしれない。



「ん〜、ロングの子ばっかりだな、うちのクラスは」

「案外、美化委員で一緒の子に恋してるとか有り得るんじゃね?」


そんな時、うちのクラスの女子と弁当を食べていたいろはと目が合う。


友人の発言があった直後だからか、恥ずかしくなってくる。


いろはも聞こえてたようで、頬を赤く染め、そそくさと教室を出ていった。



「ん、今〇〇が見てたの誰だ?」

「あの子、確か美化委員じゃなかったっけ?前掃除してたの見たけど」


「え…まさかあの子好きなのか!?」

「いや…いろはとは別にそんなんじゃ…」


「まさかの名前呼び!?」

「おいおい、詳しく聞かせてくれよ〜!」



この後、お昼休みが終わるまで、尋問に付き合わされた。


別に、いろはにはそんな感情は無いはずだ。


…ないよな?



「ねぇ…私が髪切ったら変かな…」

「え、急にどうしたの?」


「いや…文化祭近いし、ちょっとイメチェンしてもいいかな、なんて」

「つ、ついに…いろはに好きな人できたの!?」


「ちょ、茉央!声大きい…!」



〇〇くんとお友達の会話を聞いてしまい、〇〇くんを変に意識してしまう。


〇〇くんは私がミディアムヘアにしてきたら、「かわいい」って言ってくれるのかな。



「でも、いろはは何でも似合うと思うで?」

「そ、そうかな…」


「そらそうよ!いろはみたいな美少女、見たことないもん!」

「茉央がそういうなら…」


「いろは…後悔なくがんばるんやで?」

「…いや、好きな人いる前提で話さないで!?」


結局、その週末に髪を切りにいった。


〇〇くん、褒めてくれるのかな。




文化祭が近づき、美化委員は装飾を担当することになっている。


放課後、場所などの担当決めのため、委員会が開かれた。


俺はいつもの席につき、委員会が始まるのを待つ。


すると、少し遅れていろはが入ってきた。



「〇〇くん、先来てたんだ」

「ああ…って、いろは?」


「ん?どうしたの?」

「いや…髪型、めっちゃ似合ってる」


ロングだった髪をミディアムの長さまでに切っていた。


正直、めちゃくちゃ可愛い。


前の俺らの話を聞いてたから、なんて淡い期待を抱いてしまう。



「その…なんで切ったんだ?」

「えっとね…その…文化祭のステージに向けて、この髪型にしよう!って…」


「あ、そっか…。めっちゃ可愛いと思う」

「うん…ありがとう」


そんな淡い期待は外れてしまった。


いろはが、俺に気がある訳ないよな。


言い聞かせるけど、やっぱり少し残念だった。


俺はなぜ残念がっているのだろう。



「いろはさ、文化祭回る友達とかっている?」

「えっと…いたんだけど、なんか色々やらなきゃいけないことがあるみたいで…」


「そっか…その、さ…俺と回んない?」

「え…うん、いいよ」


「はぁ…よかった…」

「でも、ステージあるから午前だけになるんだけど、大丈夫?」


「うん、全然大丈夫」

「なら午前一緒に回ろっか。約束ね」


小指を差し出し、指切りげんまんを提案するいろはが可愛くてドキドキしてしまう。


いろはに翻弄されている感覚が、妙に心地いい。





そして日は経ち、文化祭当日。


いろはの教室まで迎えにいく。



「いろは、行けそう?」

「うん、でも午前中あんまり回れないかも…」


「大丈夫、ステージ楽しみにしてるね」

「プレッシャーかけないでよ…」


ステージ発表があるため、食べ物系の出店は控え、お化け屋敷に行くことに。



「いろは、怖いの平気なの?」

「うん、平気だよ。〇〇は?」


「俺もまあ…平気な方かな」

「ふぅん、そっか」


文化祭にしてはクオリティの高いお化け屋敷を進んでいく。


すると、目的地のお墓にたどり着く。



「ここにお花を供えるんだよな?」

「うん、そう言ってたね」


お墓の前にお花を置こうとすると


″お前を呪ってやる!!″


という声と共に、お墓の後ろからお化けが飛び出してくる。



「うわぁ!びっくりした…」

「…ねぇ、〇〇」


「な、なに?」

「〇〇って、結構ビビりだよね?」


手元を見てみると、いろはの手を強く握りしめていた。



「これは…その、たまたま握っただけだから」

「そっか、別に私はこのまま手を繋いでてもいいんだけどね」


「…手、繋いでてもいい?」

「うん、いいよ、繋ご」




ちょっとSないろはに翻弄され、いろはと手を繋ぐ。


ただ、時折わざと手を離してくるから、本当にやめてほしい。


でも、ビビる俺の姿を見て笑ってるなら、それでもいいのかもしれない。



「はぁ…これ、文化祭クオリティじゃないって」

「〇〇がビビりなの知れてよかった」


「だって…いろはが急に手離すからさ」

「〇〇の反応、面白いんだもん」


「はぁ…てか、練習大丈夫?」

「うん、ちょうどいいから今から行くね」


「俺、いろは以外に回る人いないし、ついて行ってもいい?」

「え、うん、むしろ見守っててほしいかも」


いろはの本番前の練習を、そばで見守ることにした。


本番前に発表を見るのはどうかと考えたが、いろはから″見守っててほしい″なんて言われたら見ない訳にはいかない。


練習を見ていると、いろははセンターを務めているらしい。


その表情から、すごく緊張しているんだな、と傍から見ても感じる。



「いろは…緊張してる?」

「え?う、うん…」


「大丈夫、いろはならできるから」



俺は優しくいろはの手を取り、不器用なりに元気づける。



「ありがとう、頑張るね」

「うん、俺も見守ってるから」


「ねえ〇〇、後夜祭って暇かな?」

「うん、別に何も予定ないけど」


「後夜祭のとき、2人になりたいな、なんて」

「うん、わかった。じゃあ、ステージ成功させたらね?」


「もう…またプレッシャーかけてくるじゃん…」

「ははっ、ごめん。空き教室見つけて待ってるね」


いろはと指切りげんまんを交わし、いろははクラスの輪に戻っていく。


高身長の女の子に何やらいじられているのか、いろはは頬を赤らめていた。



いろはの輝く姿を1番近くで見ようと、客席の1番前を取った。


司会の挨拶が終わり、色々なクラスのステージ発表が行われる。


3年生の先輩方は、さすがと言ったダンスや照明で、場を盛り上げていた。


その中にはバスケ部の先輩もいる。


普段のおちゃらけた雰囲気とは違った、かっこいい姿に、惚れ惚れしてしまう。



「すげえ…」



思わず感嘆の声を上げてしまう。


尊敬しちゃうな、先輩。



″続いては、2年2組の発表です!″



司会のセリフと共に、可愛い衣装を纏ったいろはがセンターに立つ。


センターというポジションに、顔が引きつっている。



「いろは〜、頑張れ〜!」



俺の声に気づいたのか、ステージのいろはと目が合う。


引きつっていた顔が、だんだんと優しくなっているのが分かる。



「皆さ〜ん!楽しんでね〜!」


そう、その笑顔だよ。


いろはにしか出せない、周りを幸せにする笑顔。


そして、心を浄化されるようなきれいな歌声。


俺は、その姿に見とれてしまう。


ああ、俺って、いろはのこと好きなんだな。


だけど、この時だけは、いろはが少し遠い存在に感じてしまった。


この好きの気持ちは恋として実るのか、不安になってしまう。


ステージ発表が終わる頃には、体育館は拍手で覆われていた。




いろはのステージを見終え、空き教室を探す。


すると、誰もいない2年2組の教室を見つけた。



『いろはのクラスで待ってるね』


俺は、ステージ発表あるから、といろはが我慢していたスイーツを抱えて待つ。


頑張ったいろはを、とびっきり甘やかしてあげよう。


一応、ナンも買ったけど、食べるのかな。


いや…文化祭でナン?



「はぁ…はぁ…おまたせ」

「お疲れ様、そんな焦らなくても…」


「だって、〇〇くんに早く会いたくて…」

「えっ…」


「〇〇くん、1番前の席で応援してくれてありがとう」

「いや…こちらこそ、素敵なステージを見せてくれてありがとう」


いろはが律儀にお辞儀するものだから、俺もついつい頭を下げる。


だけど、その後の会話が続かない。



「…あ、これ、いろはが我慢してたスイーツ」

「え、ありがとう!」


「一応、ナンも買っておいた」

「ありがとう!ん〜、美味しい〜!」


「…やっぱり、好きだな」

「えっ…?」


「俺さ、いろはの声が…好きなんだ。いろはの声を聞いていると、心が優しく包まれるような気がして」

「ふふっ、ありがとう。でも…声だけ?」


「その…もちろん、いろはが好きだ」

「じゃあ…」


「でも、聞いてほしいことがあるんだ」



俺は、改めていろはの方を向き、真っ直ぐに目を見つめる。



「冬に、ウィンターカップがあるんだけど、それの県大会で優勝できたら…付き合ってほしい」

「優勝、できなかったら…?」


「3年の春にある県大会で優勝する、そしたら…」

「なんで、付き合うために優勝しなきゃいけないの…?」


「その方が、本気で戦えるから」

「やだな…いろは、今からでも〇〇くんと付き合いたいのに…」

「絶対勝つから、待っててほしい」

「冬まで待たなきゃいけないの…やだな…」


珍しく甘えた声のいろはに、正直ドキドキが止まらない。


ナチュラルなあざとさに、せっかくの固い意思が壊されそうになる。


「ねぇ…いろはと付き合ってよ…」



耳元で囁かれた甘い声に、俺の心は完全に溶かされそうになる。



「でも…ウィンターカップが…」

「いろはが彼女として応援してあげるから、ね?」


「だけど、俺が覚悟決めた約束だから…」

「そんなものに、いろはの気持ちが邪魔されたくないな…」


「いろはを…〇〇の彼女にして?」

「っ…はいっ」


甘く優しい声は、俺の堅牢な意思をも打ち砕いていった。


男の変なプライドと引き換えに、何物にも代えがたい幸せを手に入れた。



「あ、もうすぐで花火始まる!ねぇ、こっち来て!」



いろはに手を引っ張られ、窓際に椅子を2つくっつけて座る。


窓から覗いたグラウンドには、生徒がたくさん見えた。


その光景が、2人きり、ということを改めて実感させてくれる。




「2人きり、だね」


「まぁ…そうだな」





「何しても…バレないよね?」


「それってどうい…んっ」




「ふふっ、好きだよ」



「…俺も、好きです」





「花火、きれいだね」

「いろはの方がきれいだよ」





「ばか…」

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