好きは、声に、お守りに。そして笑顔で
はあ…今日もかっこいいな…
私、菅原咲月は、1人の男の子に見惚れています
その男の子は〇〇という子です
クラスのカーストは恐らく1番上
運動神経は抜群
バスケ部のエースらしいです
そして顔がかっこいいです
それでも謙虚で、決して人を馬鹿にせず
そんな彼に、恋をしています
でも、分かってます
私はクラスでは陰キャの位置
叶わぬ恋です…
△△:おい、次の試合いつよ?
〇〇:えっと…今週の日曜
△△:絶対応援行くわ!
〇〇:ありがと、お前の応援あれば百人力よ!
△△:はは、調子のいいやつめ!
はぁ…いいなぁ…
私も応援…行こうかな
〇〇くんのかっこいい姿を見たい
〇〇くんの力になりたい
そんな思いが、心に宿りました
_____
その日曜日
咲月:ここが会場…
来ました、〇〇くんの応援
ただ…
咲月:ここ…どこ?
方向音痴の私は、道に迷いました
私の手にはお守り
〇〇くんに渡したくて作ったけど…
咲月:そもそも、渡す勇気がないや…
手のひらに置いた、小さなお守り
諦めてバッグに入れようとしたとき
〇〇:あれ、菅原さん?
咲月:〇〇くん…
〇〇:もしかして、応援?
咲月:あ、え…その…
咲月:△△くんの会話で、今日が試合だと聞きまして…
〇〇:え、俺の応援!?
〇〇:うわ…まじか…
咲月:ご、ごめんなさい!盗み聞きなんて最低な人間がするこ…
〇〇:ありがとう!
〇〇:菅原さんにいい所見せるね!
咲月:あ…うん
〇〇:じゃ!
〇〇くんが去っていく
咲月:待って!
〇〇:ん?
咲月:あ…えっと…
咲月よ、今だ、渡せ!
〇〇くんが不思議そうな顔で見つめてるよ!
差し出せ、お守り!
咲月:あの…頑張って…
〇〇:うぇ、お守り!?
〇〇:ありがとう!めっちゃ気合い入った!
咲月:あ…よかった…
〇〇:ありがとう! ぎゅっ
咲月:ふぇ!?
私は…〇〇くんにハグされている?
〇〇:あ、ごめん!調子乗った!
〇〇:し、試合頑張る!
〇〇くんは頬を赤らめて、去っていった
咲月:…好き
_____
咲月:はぁ…やっと着いた
試合開始ギリギリ
何とか応援席に着けました
咲月:〇〇くんは…いた
〇〇くんはアップをしていました
咲月:はぁ…かっこいい…
〇〇くんに見惚れていると
〇〇:あ、お〜い!
咲月:!?
〇〇くんが手を振っています
でも、私な訳がない
でも、周りに見渡しても友達らしき人はいません
恐る恐る手を振ると
〇〇:にひひ
めっちゃ笑顔だ…
そんな笑顔見せられたら
嫌でも好きになっちゃうよ
そして試合は始まり
一進一退の攻防を繰り広げる
〇〇くんはさすがエース
何本もシュートを決めます
だけど、残り5秒
1点のビハインド
〇〇くん、負けちゃうの?
〇〇くんの負ける姿、見たくないよ!
咲月:頑張れ〜!
あれ、無意識に声が…
〇〇:!?
そして試合終了直前
〇〇くんの放ったシュートは
綺麗な放物線と
静かなシュート音とともに
逆転の2点をスコアボードに刻んだ
〇〇:よっしゃぁ!
なんでだろう
試合してないのに涙が流れる
〇〇:いぇい!
〇〇くん、ずるいよ
咲月:…いぇい!
好きが溢れて止まらないじゃん
〇〇:菅原さん!
咲月:〇〇くん!
〇〇:ありがとう!お守りパワーだよ!
咲月:いや、私はそんな…
〇〇:あと、あの応援
〇〇:あれが、本当に助けになった
咲月:あれは…
〇〇:ありがとう、大好きだ
咲月:え!?
〇〇:あ、いや…今のはその…
咲月:わ、私も好き!
咲月:〇〇くんが、好き!
〇〇:あ…ありがとう
咲月:大好き、〇〇くん! ぎゅっ
〇〇:うぉ…
〇〇:俺も、好きだよ ぎゅっ
ああ、すごい幸せ!
好きを口に出せるって、幸せ!
△△:おっと…
△△:俺は見てはいけないものを見てるようだ…
△△:幸せにな、〇〇
〇〇:はぁ…咲月
咲月:は、はい!
〇〇:来週、また応援してくれるか?
咲月:うん、もちろん!
咲月:〇〇くんのこと、私が1番応援する!
〇〇:ありがとう、咲月
〇〇:その笑顔で、百人力だわ!
咲月:んふふ、何それ笑
〇〇くんに、沢山の笑顔を届けたい
好き、って気持ちと共に
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