宮下ゆめ子
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ブレナム宮殿の庭の広さは甲子園球場210個分
日本では意外と知られていないイギリスのコッツウォルズ地方の入り口にあるブレナム宮殿の広さについてご説明したくて、この動画をご覧いただけると広大な庭と森のある敷地のイメージが伝わるかなと思い動画を付けることにしました。(動画の中でお客様をご案内しているのは私です。) さてブレナム宮殿の敷地のある総面積をご説明するのに東京ドームが何個入るという表現ではなくタイトルに甲子園球場210個分と書いた理由は、私大阪生まれの大阪育ちで東京ドームに行ったことがなく甲子園球場の方が馴染みがあるので甲子園球場と比較することにしました。ちなみにイギリス人にはロンドンのミレニアムドームが何個入るって説明しています。 日本の本にブレナム宮殿の広さは7エーカーとか書かれているのを見たことがあるのですが7エーカーは宮殿の建物だけの面積で、庭を含めた敷地の総面積は2000エーカー、宮殿の部屋数は187室です。ちなみに甲子園球場の総面積は9. 51エーカー(38500平方メートル)、広大なブレナム宮殿の敷地の総面積は甲子園球場が210個入る広さ。しかもこんなに広いのに個人の所有地で世界遺産でも唯一の個人が所有する家、モールバラ公爵の私邸です。 たまに日本の旅行会社の方からブレナム宮殿の正門の前にバス停があるのでバスを降りて宮殿まで直ぐです。と説明を受けて実際に日本から来られてバス降りて宮殿まで直ぐあるはずの宮殿は見えず、バス停から遠くの方に見えるのは内門。内門からさらに歩いてやっと宮殿にたどり着いてビックリされる人が多くいらっしゃいます。 宮殿前のバス停でバスを降りて宮殿まで歩いて10分ぐらい、団体旅行でバスで来られても宮殿まで結構歩くので、初めてブレナム宮殿に来られる添乗員の方もビックリせれることが多く、たまに宮殿とお庭、森やキッチンガーデンも全部見たいというガイドの依頼があるのですが、日本の旅行会社の作られているアイテナリー(ツアーの日程表)を拝見させていただくと3時間しか時間を取られていなかったり、到着されて出発までに3時間で宮殿と庭の全部を案内するのはかなり難しいです。休憩を入れて最低でも半日コース。仕事でお庭のご案内をする日は私は一日平均1万歩ぐらいは歩いています。 それからブレナム宮殿の歴史は300年と少しですが、敷地のウッドストックの森はヨーロッパで最古の樫の木の森で1000年以上の歴史のある古い樫の木が沢山ある土地です。 元々はヘンリーニ世王からの英王室の狩り場でした。スペイン継承戦争のブレナムの戦いでフランス軍と戦い勝利を収めた英国軍の将軍ジョン・チャーチル初代モールバラ公爵にアン女王より国家褒章としてウッドストックの土地と£240,000をお与えになられ、ブレナムの戦いの翌年1705年に建築が開始され28年かかってブレナム宮殿が建てられました。 現在でも毎年9月末から2月半ばごろまでは狩りが行われていますが、この2年間はコロナの規制で狩りもほとんど行われていませんでした。 狩りが行われている森なので一般の人が入れる部分はごくわずか、1000年以上守られたきた森ですから自然が保護されています。つい最近、絶滅したと言われていた古代蜂が敷地の森の中で発見され調査が始まり自然保護を積極的にブレナム宮殿では行っています。 (注意:森の中でPRIVATEと書かれたサインのある地域には立ち入らないで下さいね。)
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ブレナム宮殿 ファッションの歴史
5年前にブレナム宮殿ではダイアナ妃がお召になられたブラックドレスやクリスチャンディオールのドレス、ブレナム宮殿のユニフォームを含めるファッションをテーマに「ファツションへの情熱」A Passion for Fashion展が行われました。その展覧会の様子と300年間の宮殿のファッションの歴史を短くまとめた動画です。 ブレナム宮殿では戦後1950年から宮殿の一部が一般公開されて以来、クリスチャン・ディオールなどのファッションショー、音楽会、60本以上の映画撮影の舞台となり様々なイベントが行われてきました。 この動画に使われている白黒の映像は1954年11月3日にブレナム宮殿で開催されたクリスチャン・ディオールの非常に貴重なファッションショーの様子です。 1958年11月12日に2度めのディオールのファッションショーが開催されましたが、準備を進めていたクリスチャン・ディオールは残念にも52歳で1957年10月24日にお亡くなりになられ、当時クリスチャン・ディオールのアシスタントをしていた22歳のイブサンローランがディオールのヘッドデザイナーを引き継ぎ無事にブレナム宮殿のファッションショーを実現させることが出来ました。 また2016年5月31日にはディオールは3度目のファッションショーをブレナム宮殿で開催し、この時はクルーズコレクションを披露しています。 只今、ブレナム宮殿では4月15日から6月19日まで「戦場とバロック」展が開催されておりヨルゴス・ランティモス監督の映画「女王殿下のお気に入り」で使われたアカデミー受賞コスチュームデザイナーのサンデー・パウエルが制作したコスチュームの展示が行われており、詳しい内容は私の「戦場とバロック」記事をお読み下さい。 別の記事であらためてブレナム宮殿で行われてきた映画撮影の歴史やファッションの歴史を語りたいと思います。