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読書備忘録 #2 月とコーヒー
今回は月とコーヒーをご紹介します。
表紙も可愛いんですよ〜
では始めます!
短編集の魅力
月とコーヒーは24話の短編集です。
ボリュームたっぷりでございます。
短編集の魅力の1番はコスパ。
コスパと言っても値段のコストではないです。
時間と一冊の資源に対するパフォーマンスの高さが短編集にはあると思っております!
偉そうな言い方してますが、要はいくつもの物語を旅していくつもの思考を巡らせて、いくつもの体験をすることができるのです。
あとは飽き性や短期の人でも楽しめるという点です。
1話完結、10ぺージ完結、なんて読みやすい。
読書にとりかかる手段として非常におすすめだと思います。
私自身ずっと集中することは苦手なので相性がよい。
最近は選ぶ本気になる本が短編集ばかりで逆に良くない気がしています。
がんばります、、
この月とコーヒーも素敵な話だたくさんあるのでおすすめだけ紹介させてもらいますね。
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お気に入りの話
甘くないケーキ
最初の物語です。
もしかしてこの本を書いているのが主人公なのかと思い込んでしまいたくなる出だし。
あっという間に引き込まれました。
ゴーゴリというどこかにある喫茶店で繰り広げられていきます。
彼、彼女、彼の祖母、彼女の祖父の4人が登場します。
といっても彼の祖母と彼女の祖父はもう亡くなっていて、それぞれの繋がりが物語を通してだんだん見えてくるようになっているのです。
ただ どんでん返し!! みたいなものは無く、
ふ〜〜んニコニコ
で終わりです。
世界の果てのコインランドリー
とかげ男というあだ名の男が登場するのですが、私には
不思議の国のアリスのアイツ
しか頭に出てこなくてずっとアイツで物語をすすめました。
世界の果てと呼ばれるどこかわからない場所が舞台です。
ここにあるボロボロのコインランドリーを使用しているのがとかげ男。
ボロボロのコインランドリーにある洗濯機をメンテナンスをするマエゾノという男。
この2人の世界線は直接交わることはありませんが、読み終わる時にはどこか切なく悲しい気持ちにさせられます。
知らない話なのになぜか切ない懐かしいと思えるのがこの月とコーヒーという本のすごさだと思っています。
つづきはまた明日
弟が主人公で、姉に映画ツアーに参加をさせられて3日間の旅行をします。そこで弟は自分とよく似た『弟』に出会います。
町外れのコーヒー店で本を読み、夜は映画を見る2人。
2人は惹かれるような気持ち悪いような思いで3日間を過ごしていくのですが、ここの弟の心情の移り変わりや確信をつかない結末になんとも言えない気持ちにさせられます。
もやっとするのに気になることはないというか安心した未来を想像してしまうというか、、
これもまた月とコーヒーの代名詞ですね。
吉田篤弘の世界観がスキ!
月とコーヒーの作者吉田篤弘さん。
この本を読んで感銘を受けて他の本も買ってしまいまして、ハズレがない。
それらは短編ではないのですが、世界観はぶれない、最高です吉田篤弘!!!
おすすめの話で雰囲気伝わってるかもしれませんが、あるようでない、知っているようで知らない街が舞台となっています。
これが人を引き込ませる第一ステップなのか。
国語の授業で会話や情景から心情を読み取るテストありましたよね。
「あれが無い。なんだこれは。」となるわけです。
いや、あるんですよ。切ないな、あったかいな、とかね。
ただ明確な正解が全くと言っていいほど無い。むしろ切ないのか幸せなのかすらわからないものもたくさん。
「え、なんだったのこれ」もアリ。
ここがハマるポイントです、、。この迷宮に迷い込んだら出られません。
本当に不思議な気持ちにさせられる。
人って何考えてるかわからないな。
無理にきれいごとにする必要ないんだな。
私も友達いて家族いて毎日生きてて幸せだな。
何でもない最高!
なんて思います。
ぜひ吉田篤弘さん読んでみてください。