『TBI-時間遡行捜査官-』について
今回は2024年5月26日(日)販売開始の新作『TBI-時間遡行捜査官-』について書いてみようと思います。
作品は、第一話のみノベルアッププラスで試し読み公開。
第二話からは書籍でお読みいただく形となっています。
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◆作品のあらすじ
2036年、日本は、人類のための革命軍「R.A.M」に統轄される。新政府となったR.A.Mは、人々に「プログラム細胞」を打ち、意識や行動を乗っ取り、殺し合いの「ゲーム」を繰り広げていた。
だが、警察だけは、断じてR.A.Mに屈服しない意思を貫いていた。
警察庁長官・蔵田武史は秘密裏に時間遡行システムを開発し、R.A.Mのクローン兵であるアルファを、時間遡行捜査官――通称「T.B.Ⅰ」として引き入れる。
アルファは新たに迎え入れられた捜査官・首藤銀也とともに、R.A.Mの壊滅をめざす。
“彼女”が生きられる世界をつくる――その、たったひとつの「正義」のために。
たとえ、R.A.Mを壊滅させることで、自分が消えてしまうとしても……。
◆作品の見どころ
①近未来のディストピア
ディストピアになった背景には、現代人の大好きな「ゲーム」があります。
もし、本当に「ゲーム」のような世界になったら……? を考えながらつくられたありえなくもないかもしれないディストピアが魅力の一つです。
また、近未来だからこそのわくわくする武器やタイムマシン装置などの設定が多々出てきます。未来に想いを馳せながら楽しんでいただけたらと思います。
②自らの「正義」のために戦う主人公たち
この物語の軸は、「正義」です。「正義」とは何か。彼らの「正義」とは本物か。
本物だろうとそうでなかろうと、自らの「正義」を自分の人生の軸として生きる主人公たちの生きざまがこの作品の魅力です。
③かっこよくも切ない世界観とストーリー
一番の見どころはやはり、主人公・アルファの戦闘シーン。
アルファの軽い身のこなしの一つ一つやガンアクションにぜひ注目してください。
また、アルファが「たとえ自分が消えてしまうとしても、”彼女”のために世界を変えたい」と自己犠牲的に動く姿が切ないポイントのひとつです。
そもそも”彼女”とはいったい誰なのか……?
謎の答えを求めながら、物語を読み進めてみてください。
◆キャラクターの魅力
①アルファ
RAMにつくられたクローン人間。戦闘用に作られたため、身体能力が異様に高く、頭もキレます。基本的に無表情で淡々としていますが、温かい心根を持つ人物です。
本来の年齢は18~19歳ほどですが、過去を変えたことと「忘れられないただ一つの記憶」が影響しているのか、14歳ほどの姿で生活をしています。
「忘れられないただ一つの記憶」は、過去を変える理由となった”彼女”に関するものなのですが……残念なことに、”彼女”の顔も名前も忘れてしまっています。
それでも――たとえ自分に何があっても、これから消えてしまおうとも、”彼女”のために命を燃やし尽くそうとするアルファの静かで強い「正義」に魅了されてください。
②首藤銀也
32歳の元エリートIT会社リーマン。「正義のため」に警察に入り、鋭い洞察力で蔵田がTBIという秘密組織をもっていることをつきとめます。
プライドの高さが邪魔して、いろいろとくじけそうになりながらも、「正義のため」に頑張ろうとする姿を見守ってもらえたらと思います。
③カヨ
警視庁官・蔵田武史の娘で、10歳ほどの見た目をしています。それにもかかわらず、深夜の屋上でタバコを吸っているというミステリアスな存在です。
首藤にはかなりつんけんしていて拒絶的、父である蔵田に対しても「お父さんはあたしのことなんかわかってない」と反抗期のような想いを抱いている様子……。
けれどアルファには心を開いているのか、アルファの買ってくるプリンを受け取り、言葉を交わしています。
彼女が事件や物語にどう関わってくるのか、ぜひご注目ください!
④蔵田武史
RAMをたおすために警察の矢面に立つ警視庁官。56歳。
こっそりとTBIをつくり、アルファを引き入れました。
こってこての警察用語を話す人物なので、刑事ドラマを想像しながら彼の姿を思い浮かべてほしいと思います!
⑤黒野
TBIの研究責任者。というかTBIのタイムマシンや武器など一式をすべて自分一人でつくりあげた天才研究開発者。26歳。
もともとは別の組織の研究者で、警察では「死刑囚」としてとらえらえられていた人物で、牢の中で手錠をはめて生活していますが、研究さえできればいい!というような感じのようで楽しく生活しています。
2話以降で、彼の過去も明かされるので、ぜひ本を手に取っていただけたらと思います!
◇制作秘話
①作者初のSF!~理数系が苦手で苦労しました~
構想が浮かんだ際、
・警察の組織や用語について
・タイムスリップ(相対性理論)について
・その他、必要な情報について
を本や研究資料などで調べたのですが……
どれもこれも初めての世界で学びの連続でした。
特に、タイムスリップ等の理数系の学問については理解するまでかなり時間がかかりましたが、とても面白かったです。
というわけで、今回はこうした本物の学問・知識を参考に物語を書いています。
②『戦鬼伝』に近い世界観にした理由~中学生向け文学をつくりたくて~
『戦鬼伝』と近い世界観の物語をもう一度書きたい。
その想いから生まれたのが、『TBI』でした。
というのも、これまで、自分の作品に「ターゲット層」を意識したことがなかったのですが、『戦鬼伝』は特に中学生に人気が高い傾向にあることを目の当たりにし、このごろそうした作品を書いていないな、と……。
同時に、私が一番物語を通して何かを伝えたいと思うのは、この年齢層だな、と思ったのです。
また、今の自分の最初の作品である『戦鬼伝』を越える作品をつくりたい、という挑戦心もどこかにありました。
主人公が自己犠牲をはらう点や、不幸な世界観(ディストピア)など、『戦鬼伝』との共通点はいろいろあります。
ぜひ比較して読んでみてもらえたらと思います。
※『戦鬼伝』はこちら⇩
③制作裏話~深夜のコンビニにプリンを買いに行きました~
私は小説を書きながら、登場人物と同じ場所に行ったり、同じことをしたくなったり、同じものを食べたくなったりということがあるのですが、
今回はアルファがカヨのために深夜のコンビニにプリンを買いに行くシーンを実演しました。(笑)
本作品は2023年8月に5日間かけて書いたのですが、かきおわった日にふらっと……。
プリンだけをいれたビニール袋を揺らして歩いた夜道はたぶん忘れません。
ちなみその日だけに限らず、プリンが無性に食べたくなって、構想~制作期間中は人生で一番プリンを消費しました。(笑)
また、毎回物語を書くにあたり、イメージソングを選んでBGMとして流しながら執筆するのですが、今回は人生で初めてUverWorldさんの楽曲に手を出しました。
とてもいいですね。いつかライブに行ってみたいと思います。
* * *
今回はここまでとなります。
また時間ができましたら、追記したり、他の作品についてをまとめたりできたらとおもいます。
質問、アドバイス等ありましたらお気軽にコメントしてくださいね!
繰り返しとなりますが、本作品は一話のみ無料試し読み可。
二話以降は書籍で読んでいただく形となっております!
掲載したイラスト(ILLUSTRATOR:Osu様による)もカラーで掲載しておりますので、画集としても満足の一冊です。
気になっていただいた方はぜひお手に取ってお楽しみください!
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