歩くプール
中学生時代に、完全に水中で水の中を歩けるプールができ、友達とみんなでそこへ行った。一区画ごとに仕切られており、そこで息を吸って歩くという寸法だ。慣れている人たちはまるでランウェイを歩くかの如く、水中でも地に足をつけ、悠々と歩いていく。全くブレずに浮きもせず歩く姿は未来的でかっこよかった。何度か挑戦したが、体が浮いてしまい結局手を動かし、泳ぎながら地に足を押し付けている形になってしまう。面倒くさくなり、途中から泳ぎだした。区画が切れるとパッと地上に立てるので、泳いだほうがスピード感があって楽しいのだ。一通り遊び、泳ぎ疲れて、着衣室で着替えているとふだん喋らない友達(ケント)と話が弾んだ。
しばらくすると、備え付けのテレビからNBAのフリースローが流れており、試合は歓喜の渦に巻き込まれていた。逆転のチャンスなのだろう。1回目、外してしまった。空気がスン、となる。選手のひざが震えているが頑張ってほしい。2回目、リングにかかり、くるくる回ってなんとか入った。しかし観客たちはさっきまでの盛り上がりが嘘のように静まり返っていた。
目が覚めた
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