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9年憧れたアイドルにイベント出演オファーされた

ダブルパチンコ🎰🎰

先週行われたでんぱ組.inc主催イベント『カオスフェス』に出演するため横浜を訪れた。

ルーレットで出演者決めたのかよ

開演の4時間前に入ったのだが、どうやらそれはこっちの事務所の連絡ミスで、本来よりかなり早かったらしい。

とりあえず楽屋に荷物を置く。壁ごしに、憧れたでんぱ組.incの練習する声が聞こえる。 受験生が部屋を片付けたくなるようなソワソワがつきまとう。立っては座り、座っては立ち、歩く姿はビッグ官能小説といった様相。とにかく落ち着かなかった。

今から9年前、札幌で観たでんぱ組.incのライブパフォーマンスに魅了され、なかでもセンターの古川未鈴のアイドルとしてのスタンスにやられた。ラジオを聞き、テレビを見、インタビュー記事を読み、心地よい毒が体を支配していった。

素晴らしい音楽とは作られたものではなく、さながらそこに有ったかのように表れる。これはかつて放映されていた『イカすバンド天国』という番組内において、たまという音楽グループを評した言葉であった。これはでんぱ組.inc、そして古川未鈴にも言えることだった。完璧なパフォーマンスと偶然居合わせたような存在感の共存に震えた。ああ、いつか彼女たちと仕事を一緒にできるようになりたいなあ、という夢を抱くことは芸人という生業を選んだからには当然でもあった。

カオスフェスの会場に弊社のマネージャーが入ってきた。周りに喋れる人もあんまりいなかったのでとにかくマネージャーと話した。このネタはウケるんだろうか?大丈夫か?など。マネージャーには常に『芸人が不安そうに質問をしてきたら問答無用で肯定しろ、わかったな』と恫喝している甲斐もあって、大丈夫ですよ、とたくさん鼓舞をしてくれた。それでもまだまだ落ち着かない。

めっちゃアイドル

共演者の塚リカちゃんが近くにいらっしゃったので軽くお話させてもらったのだが、自分でもびっくりするぐらい普通にしゃべれた。というか元来ビッグネームにまったく緊張しない性質なのである。なんならリラックスできた。塚リカちゃんは0から女性アイドルを構築しているすごい人で、ほぇ~と気の抜けた返事をする俺にも極めて真摯にいろんな話をしてくれた。きっととても大切な話をしてくれていたように思うが、右から左。それぐらい『このあとでんぱ組.incを対バンする』という事実がホログラムのように、塚リカちゃんとの会話を遮って空間に映し出されていた。ホログラムの奥で塚リカちゃんの腕筋が光る。

リハの時間だ。今回はカオスがテーマなので、でんぱ組.incのメンバーとネタをやる時間もあった。これこそ本物のドリームマッチだろう。今回はメンバーの中で、みりんちゃん、ピンキー!、ひなちゃんの3人とネタをすることになった(ここからは愛称でいかせてください)。事前に、この会場のキャパ、女性アイドルがやる、などの条件を考慮してこんなギャグはどうでしょう?という提案を用意してくるあたりYes!アキトはマジでプロなんですが、それを提案する前に彼女たちは『このギャグをやりたいんですけど・・・』と自らギャグを指定してきた。

もう一度言う。

彼女たちを一ファンとして9年前から応援をさせてもらっている。そんな彼女たちが自分の動画を事前に見て、このギャグは?このギャグかなあ、と思案を重ねて選んでくれたのだ。なんなら前の晩にも動画を見て1時間くらい話し合ってくれてたらしい。こっちの基本的なプロ意識なんかをはるかに飛び越えてきてくれた。向かい合ってくれてうれしかった。

どんぐりすまん、自分のネタみたいな顔してやったわ
射手座はどんぐりたけしのネタを共有しているものです

そしてそれを楽しげに話してくれる。応援している方々が、自分のこしらえたフルコースを楽しみ、私はこれが好き!と無邪気に言ってもらえる、幸せボルテージの限界値は優に超えていた。

うれしそう

希望のギャグをヒヤリングしたところで、一度彼女たちのギャグを観ることになった。そして、こうした方がもう少しウケるかな、などとアドバイスとした。みりんちゃんと一緒に全身鏡を見て動き方を教えるなんて経験が自分の人生に訪れるだなんて思わなかった。身体能力の高さから1度言ったら10できる下別府過ぎる人たちで、すんなりネタ合わせは終わってしまった。ギャグの細かい所作をどうのこうの言うこともできたし、永久にダメ出ししてこの時間を終わらせたくなかったけど、ぶっちゃけ完成度が高くて言うこともなかった。でも自分の創作物がわずかながら彼女たちの人生に携われたようで、胸の奥から熱い振動があふれて、手に持ったコップの水面にさえ伝わりそうだった。

明るい

そんな状況ででんぱ組.incの振付師でもあるえりなっちさんがお話をしてくださった。自分もダンスサークルだったんですよ、と自己紹介するとジャンルはなんですか?と訪ねてくれ、少しお話をした。軽くダンスをお見せすると『すごい!上手!!!』と、孫に向けるような賛辞を送ってくれた。キッザニア・お笑い芸人体験ブースを作るなら、まずはえりなっちさんに励まされるセクションを作るべきだ。それくらいパワフルに、リラックスさせてくれた。

前室でピンキー!と写真を撮った
ダンスすごいです

そして本番まであとわずか、前室という本番直前の人たちがたまるスペースででんぱ組.incと自分が居る。すごい。すごすぎるよ。なんだこの緊迫感。車なしでサファリパークきたんか。落ち着かないので誰かと喋りたいけど緊張している顔見られたら恥ずかしいからすまし顔をする、という完璧な防衛術をしていたら、みりんちゃんから話しかけられた。『招待のやつすいません!』自分は単独ライブの招待をスタッフさん経由で送っていたのだがスケジュール合わず来れなかったことを詫びてくれた。そんなそんな、と返し、加えて無料で見れる関係者用のURLを送る旨を伝えたら喜んでいただけた。

カオスフェスの数日後のライブで出した大喜利の答え

そもそもこのカオスフェスへの出演は、ご招待の案内をぼぞさん(でんぱ組に長年携わる優秀な方)にDMで送ったことがきっかけで、じゃあアキトいいんじゃない?みたいに決まった、という話をスタッフさんから伺っていた。なにがきっかけでどうなるかなんて本当にわからないよなと思う。

そうだよな、なにか行動は起こした方がいいんだよな。その経験を基に自分は、でんぱ組.incのメンバーに写真集を渡すことにした。

ラブパチ

もちろん一人一冊である。じっくり見てくれたし、メイド姿にみんなウケていた。メンバーのりさちーが『えーあとでサインもらお』と言っててとてもりさちーらしくてうれしかった。勇気を出してよかった。

開演時刻。なんとでんぱ組さんが袖でやっている円陣、『あーよっしゃいくぞー!!』の輪に加わらせてもらった。いま書いてて思い出してわーってなってます。あまりにもいつもの『あーよっしゃいくぞー!!』より音程が低くなっててみんなで笑いました。イベントの勢いってすごい、そのときは何も感じてなかったのにあとからじわじわ効いてくる。

出番としてはオープニングでのでんぱ組.incとのコラボ、そして自分のネタという香盤。ここは死んでも盛り上げる、ここで終わっても悔いがないパフォーマンスと、素直な気持ちをぶつけよう、と決意して舞台上に飛び出した。

お客様は優しさにあふれていた。みんな天国行き確定!暖かく出迎えてくれた。まずは自分がひとりで出て行って、そのあとでんぱ組.incがやってくる。そして一言、『萌えキュンソングを、世界にお届け!でんぱ組.incでーす』『うわーーーーーーーー!!!!!』真横で自己紹介を見て咆吼してしまった。自分がでんぱ組.incファンでこの光景を見てたらYes!アキトの出待ち襲ってしまうかもしれない。そこからでんぱ組.incさんとネタやって自分のネタが始まるまでの数分間はマジで覚えていない。とりあえず盛り上がってたことと、みりんちゃんに見られて『そんなまっすぐな目で見るな!』とキレたのは覚えてる。他はもう感情のままに喋っていた。

申し子

あとひなちゃんのマッチョ生け花教室が異常に面白かった。
あとあと聞いたら、こういうでんぱ×○○みたいなとのコラボにおいて、かなり盛り上がっていたらしい。13年の経験値があってよかった。

マルハン2店舗分のパチンコ

オープニングを終え舞台からハケるとすぐに俺のネタの時間、出囃子をでんでんぱっしょんにしたせいで『お、でんぱ組がでてくるのか?』の空気の中Yes!アキトのはいどうもーだったのでちょっとウケた。ネタもびっくりするくらい反応がよくてうれしかった。これはお客さんが超よかったのか、でんぱ組のみなさんがよかったのか、わからないけれど、おそらく自分もそれなりに恥ずかしくないネタをできたと思う。ネタ直後の一服が何よりもおいしかった。

塚リカちゃん、えりなっち先生も素晴らしいパフォーマンスだったな。でんぱ組.incと対バンした喜びは無論大きいけど、この二組とも戦えたと思うと誇らしくなる。

そしてとうとうでんぱ組.incがライブを開始する。もちろん自分は戦闘服で戦いに臨んだ。

ソルジャー

あの日とおんなじメンタリティー、というフレーズがでんぱ組.incの楽曲にはある。 何年たっても、どこであろうとも、自分を取り巻く環境が変わろうともでんぱ組.incはそこにあった。自分が目指していた憧れは、憧れのままで居てくれたんだ、と思えた。 ここ数年自分はちょっとしたスケジュールなのに、その慣れなさから忙しく感じてしまって、なかなか現場に脚を運べずにいた。この日見たパフォーマンスはそんな過去の自分を恥ずかしく思わされた。

最後の曲はでんでんぱっしょん。自分は袖で見ていて泣きそうになってしまった。下手側の袖から見ていたのだが、そこはみりんちゃんが一番よく見える。強い照明から映し出されるシルエットに本気で涙を流す直前までいった。あーもう泣く。泣くのか、涙でるのか、というところまで。

が、その瞬間。

みりんちゃんが『あ!』という表情。

そして小道具のリボンがちぎれたのを掲げていた。

涙は帰って行き、大笑いした。
この天性の引き、やはり適わないなあ。
本人の気持ちはわからないし、自分がネタでミスをしたらすごく気にしてしまうのですが、僕はそれすらも魅力になっていて尊く感じてしまった。

この日のでんぱ組.incも完璧だった。
素敵な人を応援しているなと心からうれしくなった。

おもしろい

そして終演後、楽屋では写真撮影タイムになった。 ぺろりん先生は面白い画角で撮ってて、こういう前向きさを持っている人なんだなと実感できた。 そんなことをぼんやり考えていると、遠くからりさちーが片手にYes!アキト写真集『ラブパチ』、片手にサインペンを持って駆け寄ってきた。

女神

なんとほんとにサインを求めてくれた。

しかも他のメンバーも次々と並んでくれて、ラブパチ写真集のサイン会にでんぱ組.incの列ができた。

ラブパチサイン会

こんなことってあるかよ!もう今夜殺してくれ!!!いや生きるけど!!!とってもうれしかったです。

他にもうれしいことはたくさんあったな。りとくんは俺の楽屋を通るたびにすごく丁寧にごめんなさーいって通ってくれたり、ピンキー!はコンタクトつけるとき鏡貸してくれたり、りあちゃんには昔ディアステで接客してもらった話もできたし。でんぱ組.incは徹頭徹尾、優しさと愛にあふれていた。

こんな日は二度と訪れないだろう。
オタクの乱筆乱文は以上です。
とにかく俺はでんぱ組.incと対バンできたんだ、という事を誇りに生きていきます。

これはディアステ書類審査落ち

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