3話 個性豊かな先生たち
一学年のクラスが増えて、教科ごとに先生も変わる。
関わる先生の数がぐっと増えた。
小学校の先生は真面目でこれと言った特徴がない人が多かったが、中学に入ると個性豊かな先生たちが居た。
まず一人目。
たぶん、令和の時代には問題になるかもしれないが、平成では問題にはならなかった。
『竹刀を振り回す先生』
数学の先生だったが、授業に竹刀を持ってきて黒板をバンバンと叩いて授業をしていた。
最初は怖かったが、やがて竹刀を人に向けることはほとんどないという事を学んだ。
理不尽なことや曲がったことが大嫌いな先生だったが、決して厳しいだけの先生でもなかった。
ベランダを廊下のかわりにして使ったり、生徒の話をちゃんと聞いたりとしていたので、生徒の評判も良かった。
私の担任になった事はなかったが、癖が強すぎて、印象に残っている。
次は1年の担任だった『まるちゃんの先生』
某漫画の先生にそっくりだったので、私の家では『まるちゃんの先生』と呼んでいた。
特に可も不可もなく、印象はあまりないけど、担任だったので覚えているという程度。
2・3年の担任だった『壺の妖精』
当時放送されていたドラマに出てきた『壺の妖精』にそっくりだった。
悪い先生ではなかったとは思う。若干真面目で融通が利かない部分もあったかもしれない。
加齢臭が強くて、生徒の評判はあまり良くなかった。
ただ、私個人としては可もなく不可もない先生だと思っていた。
隣のクラスの担任だった『母の元同級生』
母曰く「あの人、いじめっ子だったのよ」だそうで……。先生が母に話しかけていたけれども、良い顔をしていなかった。
個人的にもあまりいい印象はないけど、生徒の評判は悪くはなかったと思う。
この他にも、校則にうるさく厳しい先生や、甘い先生。残念ながら、かっこいい先生はいなかった気がする。
関わる大人の数が増えて、クラスメイトの顔だけではなくて先生の顔と名前を一致させるのも一苦労だった。
※加齢臭と書いたけど、調べると病気の匂いだったようです。加齢臭は古書の香りです。