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山の中でインロックしてしまった車中泊

想像してみてほしい。
山の中で一人車中泊をしていて、深夜に外に出てインロックしてしまった時の状況をだ。
スマホは車の中に置いたままだ。
外は小雨が降っていて星も出ていない。


コンパクトカーでインロックしない方法

最近の車はインロックしないような仕組みになっていると思い込んでいた。
しかしそれは運転席に限ってのことだった。
私は日産ノートで車中泊をしていてインロックしてしまった。
インロックとはカギを車内に残したまま外に出てロックしてしまうことだ。

インロックしてしまった車中泊

まだ車中泊を始めて経験も浅いころだった。
それまでは道の駅や公園の駐車場で車中泊をしていたが、一度山の中で野営車中泊をしてみたいと思った。

近くの低山に早朝登山をしたいと考えたからだ。
早朝、暗いうちに登山口まで車で行くのはリスクも高い。
夜は夜行性の動物と衝突したりガスで1m先も見えない日も多いからだ。

そこで登山口近くで車中泊をしようと考えたが、私は自分が思う以上に臆病だった。
山中でひとり車中泊をするのだから勇気が必要だとも思った。

とにかく慣れることから始めようと家の近くの山に入って、山中車中泊とはどんなものなのか一度経験することにした。

家から近いとはいえ夜になると車が通ることもないダム湖畔の小さな駐車場だ。
もちろん外灯などもなく、その夜は月も出ていなかった。
夜になるとギャーとかフィーとかムクドリや鹿の鳴き声もするが、気持ちのいいものではない。

起きていると怖いのでさっさと寝ることにした。
早く寝たこともあるだろうが深夜に雨の音で目が覚めた。
車の屋根を打つ雨の音は小さくない。

目が覚めてしまったので一度外へ出て背伸びをしようと思った。
寒い日だったから上には防寒着を羽織り、百均で買った手のひらに収まるくらいの懐中電灯を持った。

いつものように運転席側の後部席ドアを開けて外へ出た。

何も考えることもなくバタンとドアを閉めた。
雨は大したことはないが、外は漆黒の闇夜だ。

背伸びをしてすぐに車内に戻ろうと後部席ドアのノブを引いた時、頭が真っ白になった。

ドアが開かない。

運転席から助手席、助手席の後部、リアのハッチバックドア、どれも確認するが開くはずもない。
寝る前に闇夜の恐怖感もあり、戸締りに念を押して確認していたからだ。

これまで愛車ノートでインロックなどしたことがない。
いや最近の車がインロックするとは思ってもいなかった。

確かに昔は何度かインロックをしてしまったことがある。
ゴルフ練習場で、セダンのトランクを開けてシューズバックを放り込み、両手でゴルフバックを降ろそうとついそのシューズバックの上にキーを置いてしまった時だ。

ゴルフバックをトランクに降ろし、トランクに手を掛けた時はまだ閉めてなく、一瞬アッと思っていたが癖とは怖いもので閉めたら駄目だと直観的に感じながら閉めてしまったことがある。

しかし最近の車はインロックしないような設計で作られているため、最初からそんな心配はしていなかったのだ。

だがインロックしてしまった。

後で検証して分かったことだがインロック出来ない仕組みなのは運転席ドアだけで、他のドアに限ってはロックしようと思わなくてもロックが掛かってしまうような仕組みになっていた。

数分車の横に立って、どうしたら車内に戻ることができるのか考えた。
車を出る時、車中泊で使っているLEDライトを付けていたので車内は明るかった。
外から覗くと車のキーもスマホも小さなシートテーブルの上にあるのが見えた。

家に電話をしてスペアキーを持ってきてもらうこともできない。
一番安そうな後部の三角窓を石で叩き割って入るか、電話のあるコンビニまで歩いて出るかだ。
コンビニまでは約5キロだ。
その道中で真っ暗な道はおそらく半分程度だ。

恐怖心と闘いながら真っ暗な道を小さな懐中電灯を持って歩くことにした。
やっとコンビニの近くまで来た時、財布を持っていないことを思い出した。
状況を事細かく説明して電話を借りるしかない。

しかし家に電話を掛けたとしても妻が電話に出る確立は極めて低い。
なぜなら家の固定電話はほとんどが営業電話か詐欺に近い電話で、着信音も小さくしていて気付いたとしても出ないことの方が多いからだ。

そして妻のスマホの番号を覚えていないことも思い出す。
家まで歩くしかないと思った。

この時は家が近かったことで救われた気がした。

もし県外の山深いところで車中泊をしてインロックをしてしまったとしたらガラスを割っていたことだろう。

コンパクトカーでインロックしない方法

それをYouTubeで発信したら多くの方から色んなコメントを頂いた。
多かったのは車の外部にスペアキーを隠し持つ方法などだ。

ひとつだけあるスペアキーは家に置いておきたいので、もう一つをホームセンターへ行って作ろうと考えたがホームセンターで断られた。
ディーラーで注文すれば数万円必要なようだった。

それからは意識してインロックをしないよう、車中泊中に車外へ出る時は両側のロックを外して出るようにした。

ドアノブに手を掛けドアを開ける時ロックスイッチを押してしまうような設計のため、どれだけ気を付けていたとしてもインロックする可能性が高いと分かったからだ。

開けることがない反対のドアのロックを外すことで、もしものインロックに対応しようと考えた。

それから時が過ぎ、ひょんなことで違う方法を思いついた。

私は車中泊で寝る時は助手席の後ろにベッドを作っている。
運転席の後部席空間は寝る前にくつろぐ、例えるならリビング的な空間だ。

シートアレンジも色々試していたが、やはり一番車内が広く感じるようにと運転席も前方にスライドさせて前に倒すことにした。
その動作を車中泊現場に到着してから行うことにしていた。

ある日その動作をしたら運転席から後部席に乗れることに気が付いた。

ノートは4ドアだが、2ドアのように運転席から後部席に乗り込むことが出来たのだ。

運転席はインロックできない仕組みになっているので、これでもうインロックのことを考える心配はなくなったという訳だ。

その後は車中泊で後部席に乗り込む場合、必ず運転席から乗り込んでいる。

運転席から後部席に乗り込んで解消された悩み


運転席から後部席に靴を脱いで乗り込み運転席に靴を置く

そうしたことでインロックだけでなく、車中泊の悩みがあと二つ解消された。
その一つは靴の置き場だ。

後部席から乗り込んでいた時は靴の置き場に苦労していた。
運転席の後部席はリビングなので、車中泊時は靴を脱いでくつろぎたいからだ。

下駄箱を作ったこともあるが邪魔になった。

それが運転席から乗り込むことによってダイレクトに運転席に靴を置けるようになった。

もう一つの悩みは後部ドアの窓の開け閉めだ。

後部席から乗り込んでいた時は運転席シートを前方に倒す必要がなく、運転席のヘッドレストから吊ったテーブルを使っていた。
そのせいもあり、後部席の窓を開けるためにエンジンスイッチを押すという動作がとてもしずらいと感じていたのだ。

運転席から乗り込むために運転席シートを前方にスライドさせ倒したことで、後部席からエンジンスイッチを押すという動作がとてもしやすくなった。

因みに、その時はブレーキは踏めないのでエンジンが始動するという心配もしなくていい。

この4ドアなのに運転席から後部席に乗り込むという動作が、私のコンパクトカー車中泊のひとつのルールになった。

私が定年退職後に車中泊旅をした動画(この記事に関連した動画)


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