身近になったジャズの話
私は月に2度ジャズを演奏するためにセッションに出かけている。
ジャズと聞けば何か小難しそうな印象だが、ボサノヴァやサンバなど乗りの軽い音楽も演奏している。
ちょっと洒落た音楽を演奏し、コーヒーを飲みながらここでしか会えない顔見知りと世間話をした。
定年退職後に私の居場所になった場所
定年退職した当初は車で1時間のゴルフ練習場が私の居場所だった。
シニア割引なら格安で午前中過ごすことができた。
それが今はセッション会場が居場所に変わった。
ジャズやセッションがそのくらい身近に感じるようになっている。
身近なセッションで演奏されている曲
私はこれまで3ヵ所のセッション会場へ出向いた。
演奏される曲は概ねジャズと言われているジャンルだ。
リズムで言うと4ビートだが、ブラジル発祥のボサノヴァやサンバもよくリクエストされる。
時には中南米で聞くようなラテン音楽も演奏されたりするので、セッション=ジャズではない。
ヴォーカルで参加される方の中には、カーペンターズのようなポップスを歌いに来られる方もいる。
つまりセッションだからといってジャンルに決まりはないということだ。
音楽の好きな人は軽い気持ちで参加してもいいだろう。
例えば市販されているポップス曲の譜面を何部か用意してリクエストすればいいだけだ。
ヴォーカルの人が自分の歌いやすいキーでリクエストされることもある。
その時に移調して演奏できるスキルを持った人たちが伴奏してくれるという訳だ。
同じように管楽器の人ならテーマだけ演奏したいと伝えても問題はない。
アドリブ演奏は他の人にお任せしてもいい。
「習うより慣れよ」
例えば学生のころに吹奏楽部などで楽器を経験した人であってもジャズは敷居が高い。
管楽器で音を出せてもアドリブができないからだ。
即興で演奏しようと思うと、例え短音楽器であってもコード理論やスケール理論などを覚えなければならないからだ。
そしてそれには途方もない時間がかかると思っている人も少なくない。
即興演奏を自然に自由に演奏できることは、楽器を演奏している人なら誰もが憧れているはずだ。
だが今なら想像以上に早く即興演奏を習得できると思われる。
YouTubeなどの教材が使えるからだ。
私も独学でドラムの奏法を学んでいるが、YouTubeには優秀な講師が山のように溢れている。
中にはアメリカのバークリー音楽大学で学んだトレーニング方法をそのまま伝えている人もいるほどだ。
そのような講座を無料で閲覧することができるのがありがたい。
1本7000円以上もするVHSの教則ビデオを買って勉強していたころから思えば、夢のような時代だ。
「習うより慣れよ」と言われるように理論などを勉強しながら同時進行で積極的に演奏してみるのがお勧めだ。
それが全国に広がっているであろうセッション会場だ。
私が昨日行ったセッションは日曜日の昼間に行われている。
そこへ来られる人の演奏スキルも色々だ。
当然だが誰もがプロのような演奏スキルを持った人ではない。
先ほども書いたようにテーマだけを演奏したいと伝えて、他の人にアドリブをお任せすることもできる。
そのようにして先ずはセッションを経験するのがお勧めだ。
セッションを経験すればその楽しさを知ることができる。
因みに私も半年前に初めてセッションに参加した時は散々な演奏だった。
昼間のセッション会場
昨日はセッションに参加するため車で15分程度の会場に出かけた。
3万人程度の田舎町にもこのような場所があることがありがたい。
古民家を改修した趣きのある広いフロアに、グランドピアノとドラムが備品として置いてある。
私はドラムだが、昔のようにいちいち車にドラム一式を載せて運ばなくてもいい。
それが最近のセッション会場のいいところだ。
このセッション会場の参加費はコーヒー飲み放題で1,600円だ。
ここでは概ね月1回のセッションが行われるが、私が来るようになって半年程度が経過した。
この日もいつもの顔ぶれと初めて出会う人が半々だ。
年齢は30歳から70歳過ぎまでまちまちだ。
途中休憩を挟んで3時間行われるセッションは、心地いい緊張感に包まれそれぞれの音で刺激し合った。
ジャズという音楽のいいところだ。
いつもならドラムも何人か来られるが昨日は私だけだった。
曲名をリクエストするのは概ねフロント楽器の人たちだ。
ジャンルは4ビートジャズ、バラード、ボサノヴァで1/3程度は知らない曲だったが、自身の判断で演奏した。
これもジャズならではだ。
この日のメンバーは私よりも遥かに長い経験の持ち主ばかりだった。
自分よりスキルの高い人たちとの演奏は特に楽しいと感じる。
休憩中も和気あいあいと談笑したが、昔経験したコーヒーとタバコの煙でむせかえるような、薄暗い地下のジャズ喫茶のイメージは微塵もない。
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