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定年退職後の思わぬ出費

田舎ぐらしとはいえ我が家の設備も近代的だ。
もちろん下水道などのインフラも整備されトイレも水洗式だ。
暖房付きのユニットバスに台所はシステムキッチン、IHクッキングヒーターにエコキュートシステム完備だ。
ただこのような住宅設備にはメンテナンス費用が発生する。


家主と同時に老化する住宅設備

昨年もエコキュートのリモコンにエラー表示が出た。
調べると圧力弁の不良だった。
給湯システムに不備があると風呂に入ることもできないからすぐにメーカーサービスに修理依頼をした。
修繕費は1万数千円だった。
このエコキュートの修理は初めてではない。

老朽化した住宅設備

夫婦二人暮らしの我が家にはトイレが3ヵ所もある。
自慢している訳ではない。
エアコンも6台あるが最近の田舎の住宅ではありふれた設備だ。

家電が多い分修繕費の負担も増えるのが一般的だろう。
毎年決まったように何かが故障して修繕するか買い替えを余儀なくされる。

おそらくどこの家でも当てはまるだろうが、これらの設備機器を購入したのは私が働き盛りの年代だった10年以上前のものがほとんどだ。

これらの設備が家主である私と同時進行で老朽化しているのだ。

営業とはいえ、概ね建築関連の仕事で人生を過ごした私はまだ恵まれている方だ。
なぜならこのような住宅設備の知識があるからだ。

トイレが詰まったとしても自分だけで解決することができる。

これまでもトイレの入れ替えや漏水修理など、自分でできることは業者に依頼せずに自分でやってきた。
そのお蔭で住宅設備の修繕費もかなり安く済ませることができていた。

しかし最近は自分も老化したことで体力や気力が低下し、自分の力でできないことが増えてきた。

水が出ない騒動

一ヶ月ほど前、地下水を組み上げていたポンプが故障した。
家の裏で栽培しているほんの少しの野菜に、妻が水やりをしようとして気付いたのだ。

水やりは妻の毎朝のルーティンだ。
「水が出なくなった」といって朝から騒いでいた。

遂にポンプが故障したかと思った。
このポンプも17年前に私が取り替えたものだ。
カバーを外しリセットスイッチを入り切りすると、ポンプは何でもなかったかのように動き出した。

しかしその次の朝も「水が出ない」と言って騒いでいたので、昨日と同じようにポンプをリセットした。
この水が出ない騒動が我が家の朝に必ず起こる出来事になった。

ポンプのリセットで水が出るようになるところを考えると、圧力スイッチ不良が疑われる。
圧力センサーという部品を取り寄せ交換しようかと迷ったが、ポンプ自体を取り替えることにした。

以前ならネットでポンプを買って自分で取り替えるところだが、今回は業者に依頼することにした。

連日の猛暑でポンプを取り替える気力と体力に自信がないからだ。
無理をして自分のポンプ(心臓)を壊してしまっては元も子もない。

神話になった日本の家電

家庭にある機器類の修繕は昭和の時代と比較して大きく変わった。
昔は電気屋さんが概ね家電の修理もしていたように思う。
手元に部品がなければ手作りしてでも直してくれたものだ。

修理代金もお得意様なら無料サービスがまかり通っていた時代だ。

しかし機器類の構造が複雑になってからはメーカー有料サービスが一般的になり、消費者の負担が極端に増した。

アフターサポートが販売者から製造者に変わり、有料化することでアフターサービス自体がビジネスとして成立するようになったのだ。

製品そのものも耐久性を争っていた時代は終り、販売台数が正義のように変化した。
そのことによってメーカーの信頼度も昔とは大きく変わった。

有名な会社の製品ほど壊れないというのは伝説になったと言わざるを得ない。
私も何度も裏切られているからだ。
今や日本製品だから安心できるという言葉も神話になった。

日本最大手のエコキュートの同じ部品が何度も故障しているからだ。
いや、ひとつのメーカーに限ったことではない。
負荷の掛かる部品が壊れやすいことは一般的な認識のはずなのに、対策をとろうとする日本企業がないことの方が不思議だ。

だから壊れる確率の高い部品はどのメーカーも同じだ。

今回壊れた我が家のポンプも、おそらく壊れたのは最も耐久性がないと言われ続けている部品だ。
このポンプに限っては17年も使って壊れたのだから文句は言えないが、保証期間が過ぎたとたんに壊れる有名メーカーの製品にはうんざりだ。

質素倹約に努めて生活をしているのに、毎回家電の故障に悩まされている高齢者の愚痴だ。

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