車中泊ひとり旅における目的3選
この前も一人旅について書いたが、今回は車中泊一人旅に絞って経験を基に掘り下げようと思う。
もし車中泊をしながら日本一周をしようと、何となく思っているなら考えるきっかけにしてほしい。
一人旅の思いには個人差もあるので、これが正解だと言いたいわけではない。
あくまで車中泊一人旅を繰り返して得た私の主観だ。
車中泊で本来の旅の目的は叶えられない?
この前も書いたように、まだ行ったことがない観光地を見学するといった目的は一人旅には相応しくない。
一人旅ではなく夫婦などで車中泊旅をするなら楽しい旅になる要素も多いだろうが、思いにふけるために国内を一人旅しても非日常を感じるのは難しい。
車中泊で一人旅をするなら、一人旅を目的にするのではなく他の目的を見つけることが旅の価値を高めるだろう。
この常識とも思える一人旅の価値観もインドア派の私には分かっていなかった。
非日常生活を車中泊に求める一人旅なら
YouTubeを見ていると美しい景色の中に車を止めて車中泊をし、独り占めした自然の中で優雅な食事をするような動画に憧れることがある。
私も最初はそのような一人旅に憧れ、コンパクトカーでありながら料理に挑戦したこともある。
実際にやってみて分かったのは車内で料理をする大変さや、そもそも憧れたような美しい景色を独り占めできるような場所がないことだ。
私の場合はコンパクトカーだったこともあり、車内で火を使うリスクや狭いところで料理をするデメリットを知る結果になった。
以前も書いたが日本は海に囲まれ、全国どこへ行っても海岸はあり湖や池も多い。
しかし独り占めできる美しい海岸や湖畔などどこにもないのが実情だ。
生活的非日常を求める車中泊一人旅をするなら、最もお勧めなのが全国にあるオートキャンプ場だ。
キャンプ場なので美しい景色を独り占め出来る可能性は低いが、一人キャンプと同じように非日常生活を経験できる。
車中泊するつもりならテントは必要ないが、目隠し目的のタープがあればサイトによって人の目線を遮ることができる。
私が当初何となく一人旅に抱いていた一番の期待が非日常だということは分かったが、その非日常体験を満たしてくれるのは車中泊自体ではなかったということだ。
そのようなオートキャンプ場なら遠くに行かなくても見つけることができるだろう。
しかしその非日常感は日常生活の格差によって生まれるものだ。
私のような田舎生活者よりも都市生活者に相応しいと思える価値観だ。
目的在りきの車中泊一人旅
私が言うまでもなく、自然を被写体にした写真家なら車中泊一人旅は常識のようになっているはずだ。
それでも敢えて伝えたいのはこれから車中泊一人旅を考えている人たち宛だ。
撮影や登山、釣りなどを目的にしている車中泊一人旅の人たちは、車中泊や一人旅が目的なのではなく手段に過ぎないと言うことだ。
ところが車中泊一人旅をしたいと思った私は、車中泊ひとり旅自体を目的にしてしまっていた。
そして想像していた一人旅と何か違うと感じていた。
何が違うかといえば想像していたほど楽しくなかったのだ。
ただ遠くへ一人でドライブをして行ったことがない観光地へ行ったとしても、それはそこへ行ったという実績を作ったというだけでそれ以上の価値は見いだせなかった。
私の場合はYouTubeの撮影という目的を持っていたが、結局その撮影や編集の大変さを思い知らされ楽しめるまでには至らなかった。
YouTube用の撮影も車中泊一人旅の楽しさをアピールした動画を心がけていたが、実際に楽しめていないことで違和感を感じていた。
これから車中泊で一人旅を考えるなら目的在りきが賢明だろう。
先ず目的を持って車中泊一人旅はその手段にすることだ。
カメラ趣味や撮影趣味はその目的に最も相応しいと思えるが、その目的を絞り込んだ方が効率的で深く楽しめそうだ。
例えば絶景写真や野鳥写真のような目的だ。
目的がハッキリ見えているほど、より深く楽しむことが出来るというものなのだろう。
因みに私が当時撮っていた一人車中泊旅動画は四六時中動画撮影を意識しなければならず、その大変さが勝ってとてもお勧めできるような目的にはならなかった。
車にこだわらない車中泊一人旅
車旅の一番のメリットはその自由さだ。
しかしその自由さこそが一人旅に相応しくないと思えたのだ。
「旅の価値は目的地ではなくそこへ行く道中にある」と言われることがある。
敢えて遠回りをする人がいるのもその価値を高めたいからだ。
私が一般道を優先した理由もそこにあるが、それだけでは旅の価値が想像したほど高まったとは言えなかった。
もし旅目的で一人車中泊旅をするとしたなら、車旅ほど楽しくない道中はない。
運転しているだけになるからだ。
私はその疑問にも真剣に取り組んだことがある。
そこで港に車を置いてフェリーで瀬戸内海の島に渡り、路線バスで島内を巡るような旅をした。
レンタサイクルを使って島内を廻ったこともある。
途中から列車に乗って目的地へ行くのも悪くないだろう。
つまり敢えて車を捨て不便さを取り入れたことで旅の価値を探ったのだ。
車を置いたことで得られる価値はひとつではない。
旅のハードルを上げる効果としては、時刻表を調べるなどの計画に脳を使うことになった。
路線バスや路面電車はその土地の文化の中に入り込むことにも繋がる。
公共の乗り物は一期一会のチャンスを増やし、社会からの疎外感もなくしてくれる。
つまり旅を目的とした移動手段に、閉鎖感のある車は相応しくないということなのだろう。
本来の旅の価値は目的地へ辿り着くための経験にあると言いたいのだ。
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