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ワルツに魅せられて!

最近、日本人には馴染みのないワルツに魅せられている。
いや、馴染みがないわけではない。
昔からどこかで何度も聞いているであろうリズムだ。
楽器を演奏したり歌をうたうなど音楽に接していなければ、ワルツを聴いても3拍子だと気付いていないだけだ。


ワルツは着こなせないお洒落な服と同じ?

これでも昔は細かった。
今は毎年の検診で腹囲がメタボ基準(男性85センチ)に引っ掛かる体系だ。
足も短く何を着ても似合わない。
そうかといってお洒落を諦めたわけではない。
何とかお洒落なシニアを演出したいところだ。
そのお洒落なイメージがワルツを弾きこなすことに繋がったのだ。

よく聞くワルツはどんな感じ

誰もが知っている閉店の名曲といえば蛍の光だ。
この蛍の光は多くの店舗で閉店前に流されているが、4拍子と3拍子があることに気付く人は少ないだろう。

原曲はスコットランド民謡のオールド・ラング・サインという曲で4拍子だ。
その曲を蛍の光の4拍子や、哀愁(映画)で使われた別れのワルツとして3拍子にアレンジしたようだ。
4拍子よりもワルツの方が分かれ感が強いと思えるのは私だけだろうか。

そう言えば昔、キャバレーバンドで仕事をしていたころバンドが入れ替わる前の最後の曲は必ずワルツを演奏した。
その意味を知ることはなかったが、この別れのワルツと関係があったのかもしれない。

ゴスペルで有名なアメイジンググレイスという曲もワルツだ。
いつ聴いてもお洒落で美しい曲だ。
アメリカの曲だとばかり思っていたこの曲の原曲も、蛍の光と同じくスコットランド辺りの民謡がモチーフになっているようだ。

そう聞けば何となくスコットランドかアイルランドの匂いを感じる。
讃美歌として歌詞が付けられゴスペルでよく歌われているが、蛍の光もゴスペルで聴いたことがある。

お洒落なジャズワルツ

不思議の国のアリスのテーマ曲、Alice In Wonderlandはジャズワルツのスタンダードだ。
ディズニーの白雪姫で歌われた「いつか王子様が」という曲もよくジャズで演奏されるワルツの名曲だ。

どちらの曲も私のような田舎の爺には到底似つかわしくないお洒落で美しい曲だ。
似つかわしくないから逆にセンス良く演奏してみたくなるのだ。

ジョンコルトレーンをはじめ多くの有名ジャズプレイヤーがカバーしているMy Favorite Things(マイフェバリットシングス)は正に私のお気に入りだ。
この曲はミュージカル「サウンドオブミュージック」の中の1曲だ。

「ティファニーで朝食を」の中で主演のオードリー・ヘプバーンが歌ったムーンリバーは誰もが知っているワルツの名曲だ。
セッションでもよく歌われる曲だがスローで演奏されることが多いので難しい。

テンダリーは4拍子で演奏されるジャズのスタンダードだが原曲はワルツだ。
ビルエヴァンスのワルツフォーデビーやブルーゼットなども美しくてお洒落な曲だ。

とにかくワルツは品がよく美しくてお洒落なので、とても私が着こなせるような音楽ではないが、その中に入れた時は何とも表現できないような幸福感に包まれる。

今の私にはワルツこそが最高の贅沢になっている。

ワルツの起源から着こなせるまでになるには?

前半にも書いたがワルツと別れはどこかで結ばれている気がする。
ショパンの「別れのワルツ」はその代表曲だ。
ブラームスのワルツも何かもの悲しさを感じる曲だ。

ワルツの原点は円舞曲だ。
その起源もドイツ南部のドナウ川の源流と同じだ。
ドナウ川の水と共にその流域に流れていったのがワルツなのだろう。

子どもの頃に聞いた「美しき青きドナウ」もワルツだ。
ヨーロッパの哀愁を感じる曲の中にお洒落なイメージを持っている。

ワルツは美しくてお洒落なだけではない。
ダンス曲が起源というだけあって楽しくて心弾む音楽だ。

日本人に馴染みがないと言ったのも、田舎おやじの私のようにこちらから敢えて受け入れなければ着こなせない音楽だからだ。
何となく聞く音楽ではなく、ワルツだと感じて意識してこそ受け入れられるような気がする。

ワルツをワルツだと感じて聴いたり演奏することで段々と着こなせるようになる。
つまり慣れだ。
楽器を演奏する場合は、123,123と縦ノリではなく、日本語で例えるならドンブラコードンブラコ―とまるで川の流れのように揺れながら流れていくイメージだ。
ジャズならスイングしながら右に左へと波打って流れる川の水だ。
ドンは数えてもブラコーは流れに任せた方が良さそうだ。

口で言うのは簡単だが、あまり着たことのないお洒落な服を着こなすには何度も人前で着ることだ。

私が魅せられているワルツを文章で表現するのは難しくうまく書けなかったが、どこかの変人のうわ言だと思って読んで頂ければ幸いだ。

どちらにせよ、絵画や音楽のような芸術を文字にする難しさを知ることができたので良しとする。

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