ひとり旅を楽しむ為に知っておくこと!
この年齢になっても好奇心は旺盛だ。
「人はどうして旅に憧れるのだろう」
これは旅好きなおやじの疑問だった。
冒険、それとも非日常、はたまた初めての経験をしてみたいのか。
家族旅や友人と行くグループ旅とひとり旅には、大きく違った欲求が隠れていることをこの歳で知ることになった。
偶然に支配されたひとり旅の期待値
今日は定年退職後の夢でもあった海外ひとり旅を諦め、ひとり車中泊旅に切り替えた私の経験談だ。
「何か違う」と思いながら車中泊旅を繰り返した記憶をさかのぼる。
それが何かは言語表現することが難しく、ある意味その答えを求めて車中泊旅を繰り返した。
旅人の環境変化
2020年に世界的パンデミックが始まって3年続いた。
この3年の環境変化が私の人生の計画を大きく変えることになった。
もちろん私だけではなく多くの人の人生が狂わされたことだろう。
これはまだ4年前の話だ。
私は他の人よりも少し早く定年退職した。
その目的のひとつは夢を叶えたかったからだ。
長年サラリーマンで人生を送ったので、人生最後に自由気ままに旅がしたいと考えた。
しかし裕福な訳ではないので、最低限の予算でできるだけ多くの異文化の国へ行ってみたかった。
そこで考えたのがアジアを歩く旅だ。
もちろん転々とした歩き旅だ。
若い人がやるようなバックパックを背負って何百キロも歩く旅ではない。
60歳を過ぎていて体力に自信があるという訳でもないからだ。
条件は安全で物価が安い国だ。
結局これからという時にパンデミックで諦めることになったが、4年経過した今からその夢を追うことは難しいと感じている。
健康や経済的理由もあるが世界情勢も関係している。
例えばミャンマーはクーデターで安全に行ける国ではなくなった。
ロシアも同じだ。
それに加え円安が追い打ちをかけている。
裕福ではない私が何度も海外に行こうと思うと、どうしても物価の安い国に限定される。
ところがこの円安で物価の安い国ですら行くことができないようになった。
例えばカンボジアやインド洋地域は米ドルで支払うことの方が多いが、その米ドルが1.5倍値上がりしたのだから日本人にしてみればカンボジアや東ティモールの物価が1.5倍になったのと変わりない。
つまりたった4年で安全や物価の環境が大きく変わったということだ。
このように変化することを退職した時点で分かっていたならと思うと残念だ。
やりたいことは思い立ったときに躊躇せずにやっておけという戒めになった。
環境変化に柔軟に対応した結果
サラリーマンを人より数年早く卒業したのは海外(アジア)を歩くという夢を叶えるためでもあった。
しかし世界規模のパンデミックでその夢が遠のいた。
不要不急の外出も難しくなったが、家の中に閉じこもっていたのでは人よりも早く退職した意味がなくなると思えてならなかった。
コロナのリスクに対応しながら夢を叶えるにはどうしたらいいかと考えて、思いついたのが国内車中泊旅だった。
車中泊旅はできる限り人との接触を避けひとり旅をする最善の方法だった。
しかし私が夢に見たアジアを歩く旅と国内車中泊旅はまったく別物だった。
つまり国内車中泊旅がアジアを歩く旅に変わるものではなかったということだ。
パンデミックの中で車中泊旅を頻繁に繰り返しながら徐々にそのことが分かってきた。
それならそれで車中泊旅をもっと単純に楽しもうと考えた。
ひとり旅に共通した偶然の期待値
海外貧乏旅とコロナ禍車中泊旅を比較すれば、元々期待値が違うことにも気付いてなかった。
共通しているのはひとり旅だということだけだった。
まだ行ったことがない観光地を巡るということに関しては共通していたので、ある意味大差ないのではと考えていたのだ。
しかしひとり旅で求める期待値自体を考えていなかった。
偶然に支配された期待値こそが求めている欲求だったのだ。
それが一期一会だ。
つまり行ったことがない観光地に行くこと自体は、そもそも偶然に支配された期待値ではなかったということだ。
国内ひとり車中泊旅でも人に会ってこそ旅の欲求が満たされるということだ。
家族や友人と行くグループ旅では非日常がその期待値になるのだろう。
豪華な料理や温泉、会話や一緒に行った思い出などだ。
しかしひとり旅では行き先そのものではなく、そこへたどり着くまでの経過やアクシデントなどに偶然の期待値が潜んでいると思った。
海外ひとり旅では飛行機や電車、バス、船など、そこには人と交わる偶然が多く潜んでいる。
しかし車でナビをセットし目的地へ行き観光して帰るだけでは、どんな偶然にも遭遇しないことが分かったのだ。
偶然という出来事を期待するなら、そのような行動を自ら演出する必要があるということだ。
コロナ禍の時はそれができなかった。
海外に個人旅行でひとり旅をする場合は、目的地へたどり着くまでにも小さなアクシデントに多く遭遇しその度に誰かに助けて頂くことになる。
正に偶然に支配された期待値であり一期一会だ。
それが分かってからは、敢えて偶然に支配された期待値を探す車中泊旅へと変わっていった。
例えば観光地や温泉地へ行って食堂へ入ったり、登山や絶景撮影でも知らない人に話しかけることを心掛けた。
そして車だけを使うのではなく船やバスを併用したひとり旅にもこだわった。
車だけで行ったことがない観光地へ行って帰ってくるだけでは、何ひとつ楽しいことはないということでもある。
ひとり旅を楽しむコツは一期一会など偶然に支配された期待値の機会を増やすことだ。
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