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【コレールパスは本当に得?】韓国列車旅をリサーチ!

この前は青春18きっぷを使った国内旅をリサーチしたところだ。
その旅にもまだ行ってないがリサーチするだけでも楽しいものだ。
今回は韓国列車旅をリサーチしてみたら意外な事実を知ってしまった。
多くのブログやYouTube動画で絶対お得だと紹介されているコレールパスについてだ。
この記事はあくまで私のリサーチした結果であり主観的感想だ。

私なら使わないコレールパス!その理由は?

韓国で列車旅をするためにリサーチすると必ず目にするのが、コレールパスという韓国鉄道周遊券だ。
韓国鉄道が乗り放題のチケットだ。
日本の青春18きっぷと違うのは、新幹線のような高速鉄道のKTXにも乗れてしまうところだ。
もちろんセマウルのような特急にも乗れる。
しかも青春18きっぷのように一種類ではなく、2日券から5日券まで目的や旅程に合わせて買うことができる。
そしてコレールパスが買えるのは韓国籍ではない外国籍の人に限るという条件だ。

青春18きっぷと比較した韓国列車旅

上に書いた韓国コレールパスと日本の青春18きっぷを比較した場合、どんな列車にも乗れてしまうコレールパスの方がお得なようにも錯覚してしまう。
しかしコレールパスの5日券の大人料金は青春18きっぷの倍以上だ。

今日のレートでコレールパス5日券の大人(満28歳以上)の料金は26,962円(24,400W)だ。
そして今発売中の青春18きっぷの値段は12,050円だ。

もちろんまったく性質の違う乗り放題チケットなので、その価値を値段だけで判断するのは間違っているだろう。
しかしそれぞれのチケットのお得感は価格差が最も重要だ。

この前青春18きっぷをリサーチした時、あまり無理をせず組んだ行程の1日のJR通常料金は8,000円程度だった。
つまり12,050円/5日=2,410円は通常料金の30%ほどの割安感だということだ。
青春18きっぷの場合は、少し無理をすれば通常料金の20%以下にまでお得感を上げることも可能だ。

日本の場合、最も高い鉄道料金は新幹線だ。
同じように韓国で最も高い鉄道料金はKTXだ。

コレールパスを5日で割れば5,392円になる。
ソウルから釜山まで、コレールパスが有効な最も高いKTXの一般車両指定席に乗れば約8,000円としても67%の割安感しかない。
よく見る割安感を強調する記事は1日でソウルから釜山を往復する旅だ。
そのように試算した場合は一気に割安感が33%にまで上昇するが、価値が高いと感じるのは時間を無駄にしたくないサラリーマンくらいだろう。

日本で例えれば新幹線指定席の通常料金の1/3で東京~大阪間を往復できるという訳だ。
この旅程が成立するのは、KTXなら最短2時間30分でソウル~釜山間を移動できるからでもある。
その移動時間も東京大阪間と同じだ。

実際の旅行でイメージした場合

ここからが本題だ。
実際に韓国に行く場合はほとんどが飛行機だ。
ソウルが目的の場合は仁川国際空港か金浦国際空港だ。

そして釜山が目的の場合は概ね釜山にある金海国際空港を利用する。
わざわざソウルからKYXに乗って釜山に向かう人の方が稀だ。

釜山に行くもう一つの方法は大阪、下関、博多から出ているフェリーを利用する場合だ。
もしフェリーで釜山に入港し、ソウルまでKTXで行くとしても、その日のうちに釜山に戻ってくる人は少ない。

日本の青春18きっぷも韓国のコレールパスも少しでも長い距離を列車で移動してこそ割安感が増す券だ。
ましてや日本の1/4しかない国土の韓国内移動で乗り放題のフリーチケットがお得だとは思えない。

私がイメージする列車旅は新幹線のような高速鉄道で移動する旅ではない。
青春18きっぷのように各駅停車でのんびり移動する旅だ。
それが韓国だとしても同じことだ。
韓国で列車旅をイメージしても時速300キロオーバーのKTXを使う旅が楽しいとは思えない。

ソウル~釜山間を高速でその日のうちに往復するような旅は尚更だ。

韓国列車旅をシュミレーション

シュミレーションで移動した区間(赤線はコレールパスが使用できる区間)

実際に韓国列車旅をシュミレーションしてみた。

格安航空券で仁川国際空港へ到着すればTマネーカードに少しだけチャージして地下鉄でソウル市内に向かう。
その日はソウル市内のホテルに宿泊する。
もちろんソウル市内では地下鉄移動だ。

因みに仁川国際空港からソウル市内に向かう空港鉄道や地下鉄ではコレールパスは使えない。
つまりソウルにいる間はコレールパスは意味を持たない。

2日目はソウルのホテルを出発して先ずはソウル郊外の春川に行くことにする。
地下鉄で清凉里駅まで行き、そこから春川(チュンチョン)までは特急のITX青春に乗車する。
京春線(ソウル~春川)はKTXは走っていない。

ITX青春でも移動時間は1時間だ。
春川観光をして名物のタッカルビで昼食を済ませた後、原州市(ウォンジュシ)へ向かうことにする。
原州市へ列車で向かう場合は一度ソウルまで戻らなければならないが遠回りだ。

列車なら2時間程度必要だがソウルから原州方面に走っている中央線の時刻表を確認すると、午後のKTXを含め原州駅や西原州駅に停車する列車は極端に少ない。
おそらく列車移動なら夕方になってしまいそうだ。

そこで春川から原州までは高速バスを使うことにする。
高速バスならソウルまで戻る必要もなく直線で原州まで行くことが可能だ。
因みに原州には小金山グランドバレーというスリリングなトレッキングコースなどがある。

2日目は原州市でホテルを取り、3日目は直指寺(チクチサ)、そして韓国の歴史的観光地の慶州(キョンジュ)へ行こうと思う。

有名な直指寺の最寄り駅は京釜線の金泉(キムチョン)だ。
原州から中央線で栄州(ヨンジュ)まで行き、慶北線(在来線)で金泉まで行くことにする。
時刻表で確認すると原州8:04発のムグンファ急行で栄州9:10分着だ。

栄州10:57発の慶北線に乗ると金泉が13:10着だ。
栄州で2時間近く待ち時間があるので、少し早いが駅前当たりの食堂で昼食でもするのがいいだろう。

金泉で下車して直指寺へはバスかタクシーだ。
直指寺は昔、釜山からセマウルに乗って家族旅行で来た思い出の地だ。
直指寺観光の後は金泉15:57発のセマウルで東大邱(トンデグ)まで下る。

東大邱着は16:46だ。
東大邱からは東海南部線で17:00発に乗れば17:51に慶州(キョンジュ)着だ。
この日は慶州で1泊し、4日目は慶州を観光する。
慶州は日本で例えるなら奈良のようなイメージだ。
1000年続いた新羅王朝の首都があった場所だ。

観光の後釜山には在来線の東海南部線で1時間半程度だ。
ただ、本数が少ないのでその日に釜山から飛行機かフェリーに乗るなら昼過ぎに慶州を出なければならない。
釜山に宿泊するつもりなら夕方まで慶州を見学することができる。

4日目は釜山に宿泊して5日目は釜山を観光し、夕方に大阪行のフェリーに乗れば6日目の朝は大阪だ。

韓国列車の旅シュミレーション結果とまとめ

やはり私のような列車旅ならコレールパスは必要なさそうだ。
ソウル釜山間で最もよく使われる京釜線は日本で例えるなら山陽本線だ。
京釜線だけを使うなら本数も多く列車旅も難しくはないが、春川や慶州など違う路線を使うならKTX(高速鉄道)を使うことすらできなくなる。

そして韓国は列車よりも高速バスの方が便利な場合が多い。
都合のいい列車がない時だけではなく、地方都市から地方都市間は高速バスの方が交通網が網羅されているようだ。
線で結ぶ鉄道路線と点と点を結ぶバス路線といったところだ。

もう一つ肝心なことを言えば料金だ。

確かに最近は韓国の物価も高くなり、食堂やレストランでの食事代などは日本と変わらないようだ。
しかし乗り物を日本と比較すればまだまだ韓国の方が遥かに安い。
今回シュミレーションした列車の運賃もイメージでは日本の半額以下だ。

例えばソウルから春川までのITX青春(特急)も1,200円程度だ。
春川から原州の高速バスも日本円に換算すれば約1,000円だ。
同じ距離を私が住む関西で例えるなら大阪から福知山と同じ距離だ。
この間をITX青春と同じ条件で、乗り換えなしの特急こうのとりを使った場合の運賃は4,370円だ。

日本と変わらなくなった食事代やホテルと同じように考えればコレールパスは安く思えるが、今回のシュミレーションでコレールパスの3日券を165,000ウォン(18,232円)で買っていたなら大損していたところだ。

韓国旅行の魅力は乗り物や世界遺産などの入場券が安いことだ。
もちろんバスやタクシーの運賃も日本より遥かに安いイメージだ。

韓国旅行前にコレールパスを日本でネット購入することもできるが、そのことで余計に韓国鉄道の通常料金の安さを見えにくくしている。
私ならコレールパスを使わずに韓国列車旅を楽しむだろう。

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