
ドラム独学の手引き(第3回)
前回は8ビートのコンビネーションをやったが、それで8ビートが攻略出来て終わったわけではない。
ただ8ビートの両手と右足のコンビネーションが理解できたというだけだ。
今回はシングルストロークとダブルストロークの基礎トレーニングだ。
ドラム独学の手引きと題したこのシリーズは、私が独学した経験を基にしたトレーニングの内容を説明したものだ。
独学のデメリットである回り道の時間を出来る限り回避して、ドラム演奏を楽しめるようになるまでの事例だ。
しかしこれが正解だと確信したものではない。
あくまでひとつの例として実践していただければ幸いだ。
シングルストロークとダブルストロークの理解
今回のトレーニングは練習パッドを使った基礎トレーニングだ。
将来的にはフィルインやソロ、16ビートなどで使うことになるテクニックだ。
この二つのコンビネーションは終わりのないトレーニングになるから今回は理解するまでに留める。
シングルストロークの基礎トレーニング
シングルストロークとは右手と左手を交互に打つコンビネーションだ。
交互のことをオルタネートと呼んだりする。
第1回目でやった基礎トレーニングのことだ。
今回はその第1回目の基礎トレーニングに16分音符も加えたチェンジアップを提案する。

ただ、このチェンジアップは第一回目のトレーニングと比較すれば遥かにハードルが高いトレーニングだ。
そのハードルを少し下げる意味も含めアクセントを付けることにした。
アクセントを付けることによってストロークのトレーニングも兼ねることになる。
アクセントの音はダウンストロークでアクセントの付いていない音はタップを意識したトレーニングだ。
アクセントはメトロノームのクリック音と同じ位置に付けている。
つまり1拍を意識しながらのチェンジアップだ。
4分から8分、8分から16分、16分から8分とリズムの変わり目が最初のうちは難しいと感じる。
これも最初は♩=60のテンポで始める。
このチェンジアップトレーニングは慣れるまで時間がかかるが、1回目の目安は15時間だ。
15時間やってみて違和感なく出来るようになっていれば、5ずつテンポを上げてトレーニングする。
因みに私がやった独学では、このチェンジアップが最もリズム感を養うトレーニングとして効果があった。
今も尚チェンジアップは続けている。
チェンジアップは最初にアクセントを付けてトレーニングする方が習得しやすい。
将来的にはアクセントを抜いてタップだけでやったが、その難易度は遥かに高くなる。
先ずは♩=60でシングルストロークに慣れることとリズム感を養うことを目標にする。
ダブルストローク
ダブルストロークとは右右左左と2回ずつを交互に叩く奏法だ。
慣れるまでにはそれ相応な時間が必要だ。
シングルストロークばかりをトレーニングしているとダブルストロークが置き去りになることから、同時に始めることでダブルストロークも自然に身に着けるように意識した。

最初は♩=60で♪♪♪♪♪♪♪♪ / ♪♪♪♪♪♪♪♪ ~と8分で2つずつ叩く。
ダブルストロークなのでRRLLRRLL / RRLLRRLL~(右右左左~)だ。
BPM(Beats Per Minute)60なら早くもなく遅くもないスピードに感じるはずだ。
先ずは全てが同じ音量で同じストロークになるようトレーニングをする。
このトレーニングの目安はトータル15時間だ。
1日1時間なら15日と言うことだ。
あくまで目安なので早く出来るようになれば5ずつテンポを上げて練習するといいだろう。
同じ音量、同じストロークで、メトロノームとタイトにシンクロ出来るようになることがテンポを上げるタイミングだ。
そして最初はどれだけテンポが速くなろうと2打目をバウンドを利用せずに叩く練習をする。
これは私がやった独自のトレーニング方法だ。
例えばまったくバウンドしない座布団や膝の上でやったりもした。
経験者の人ならBPM60~80で32分音符を膝の上でダブルストロークができるか試みてほしい。
バウンドを利用してしかダブルストロークのトレーニングをしたことがない人には難しいはずだ。
このトレーニングでダブルストロークの理解が早くなった気がしたのでお勧めだ。
パッドで練習するときも少し意識すれば2打目をバウンドを利用して叩いているか否かは判断できる。
特にBPM60で8分音符ならバウンドを利用しなくても充分叩けるスピードだ。
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