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ドラム独学の手引き(第1回)
これからドラムを始める人の手引きになるよう、ドラム独学の具体的なトレーニング例を書いていく。
これは私が定年退職してから始めた独学事例だけでなく、それまでの記録でもある。
独学だからと言って出来る限り遠回りをすることなく上達する方法を、論理的に示すことを目標にしたNoteだ。
このNoteは音楽的な感情論やニュアンス的説明は避け、具体的トレーニング例だけの事例を説明することにしたものだ。
あくまで私の独学経験なので素人の経験談でしかないが、そのつもりで読んで頂ければ幸いだ。
今は、あらゆるジャンルの演奏を自分のスタイルで楽しめるようになったことが私の自信だ。
後に有料でシリーズ化する予定だ。
ドラム独学の準備と知識
ドラムを始めるにあたって最初に知っておいた方がいいだろうと思える知識と、トレーニングに必要なものを紹介する。
全てのことを書くと紛らわしくなるので、ここではドラムトレーニングに必要な最低限の知識とする。
先ず1段階の目標は8ビートが叩けるまでだ。
楽しみながらトレーニングすることもドラム独学のコツだ。
ドラムトレーニングのために用意するもの
1. ドラムスティック
スティックは音楽のジャンルや演奏スタイルで違ってくるが、先ずは一般的な5Aと言われるものでいいだろう。
2. 練習用ドラムパッド
昔は電話帳や雑誌などを使ったが今は安価で販売されているのでスティックと共に購入してほしい。
3. メトロノーム
ドラムのトレーニングにメトロノームは必須だ。
最初はスマホのメトロノームアプリを使ってもいいが、早く上達したいならリアルメトロノームを購入するべきだ。
スマホでは電池を気にしながら使うことになるからだ。
4. 練習用ドラムセット
もちろん練習用ではなく演奏用のセットを買うことが望ましいが、毎日の練習で近隣迷惑が気になるなら消音できる練習用がお勧めだ。
少し調べるとPEARLのサイレントパックが税込5,380円で販売されていた。
トレーニング内容の考え方
ドラムのトレーニングは大きく分けて基礎と実践だ。
基礎トレーニングは主に練習用パッドを使い実践トレーニングはドラムセットを使う。
基礎トレーニングの内容はストローク(シングルやダブル)のような両手のコンビネーションで、実践トレーニングの内容は主に両手両足のコンビネーションだ。
基本的な考え方では、上達はトレーニング時間と比例している。
つまり練習した時間が上達に直結するということだ。
毎日1時間トレーニングする者と2時間トレーニングする者では上達速度は単純に2倍違ってくるということだ。
一つの目標に対し到達目標時間は100時間だ。
1日1時間で100日(3カ月)としておけばトレーニングと上達が見える化できる。
最初の3カ月でどこまで上達できるかがその後の継続に大きく影響を与えそうだ。
無駄を省くために基礎トレーニングと実践トレーニングを合体させたトレーニングも上達速度を上げるには効果的だ。
スティックの持ち方
スティックの持ち方にはマッチドグリップとレギュラーグリップがある。
マッチドグリップは右手と同じように左手も持つ握り方だ。
親指と人差し指で支点を作り、後の指は卵が入るくらい余裕をもっておく感じだ。
レギュラーグリップ(トラディショナルグリップ)はマーチングやジャズで使っている人が多いグリップだ。
左手の手のひらを上に向けて親指と人差し指の根元で挟む感じの握り方だ。
どちらのグリップにもメリットデメリットがあるので詳しくは書かないが、私が基礎トレーニングで使っているのは概ねマッチドグリップだ。
実践トレーニングやジャズセッションではレギュラーグリップをよく使っている。
どちらも使えるようにトレーニングするのが理想ではあるが、上達時間を短縮したいならマッチドグリップから練習するのがお勧めだ。
その理由の一つが支点の位置だ。
マッチドグリップとレギュラーグリップでは支点の位置が問題になる。
マッチドグリップの場合は握り方が同じなので支点の位置も自然に同じになる。
パワーを求めるなら打面に当たるチップとは反対側に支点を大きくずらすのが理屈ではあるが、最初のトレーニングではバランスが均等な位置から指1本の太さの幅だけ後ろに持つくらいが適当だ。
叩くという動作、ストロークの知識
・ ダウンストローク
高い位置からスティックを振り下ろし、低い位置で止めるストロークだ。
主にアクセントを付ける時に使うストロークだ。
そのアクセントの大きさによって打面からの高さが変わってくる。
当然大きい音を出したいときは打面から離れることになる。
・ タップ
低い位置から打面を叩き低い位置に戻すストロークだ。
四つあるストロークの中でも最もよく使う最も難しいストロークだ。
ドラムは打楽器なので大きい音は出しやすいが、小さい音を出すのには高度な技術を必要とするからだ。
・ アップストローク
タップを叩いた後に高い位置にスティックを戻すストロークだ。
タップの後、アクセントなど大きい音を出す準備のためのストロークだ。
・ フルストローク
大きな音を連続させたいときに使うストロークで、高い位置から振り下ろしたスティックを高い位置に戻すストロークだ。
この四つのストロークを実際に練習パッドを使ってやってみるところからトレーニングをスタートさせる。
この四つのストロークは実際にドラム奏法で使う理論だ。
高い位置と低い位置の基準は一つではない。
概ねタップで使う低い位置は打面から5センチ未満で、高い位置とはそれ以上のことだ。
基礎トレーニングをスタート
練習用パッドを使う基礎トレーニングからスタートさせる。
パッドトレーニングでは常に先ほど説明したストロークを意識する。
ストロークの練習はそれ単体でするよりも連打しながら行う方が効率的で覚えやすい。
例えばフルストロークでタン、タンと一つずつ打ってみるのではなく、メトロノームを使ってトレーニングする方法だ。
先ずは♩= 60のテンポで右手、左手、右手、左手と交互にフルストロークで叩くトレーニングだ。
スティックを交互に振り下ろすことをシングルストロークという。
RLRL(ライト、レフト、ライト、レフト)だ。
![](https://assets.st-note.com/img/1733215679-VDHkBGmX76EQxpclzwvdaqZb.png?width=1200)
60という速さは1分間に60回叩くという速さだ。
それを右左交互に32回叩いてみる。
数え方は1,2,3,4,2,2,3,4,3,2,3,4,~ 8,2,3,4,だ。
引き続き今度はそれを4回(32小節分)繰り返すと124回パッドを叩くことになる。
124回は約2分だ。
このトレーニングは最も一般的なAABAという8小節×4セクションの曲構成に慣れるためだ。
この124回の1フレーズを4回繰り返すと8分だ。
その8分を7セット熟せば約1時間だ。
トレーニングに変化を付ける(チェンジアップトレーニング)
そんな単調なトレーニングを1時間もやるのは面白くない。
基礎練習とはいえ楽しくなければ続かない。
![](https://assets.st-note.com/img/1733215818-ROoh86ZF2547yrDICVKY3mwA.png?width=1200)
そこでメトロノームのスピードは60のままにしておき、奇数の小節は4分音符で叩き偶数の小節は8分音符で叩いてみる。
つまりこれはチェンジアップというトレーニングだ。
チェンジアップトレーニングはリズム感を養うのが目的だ。
ドラムに限らずリズム感を鍛えるにはこのトレーニングは必須だ。
このトレーニングをせずにドラム上達の道はないと言っても過言ではない。
言葉を変えればドラム演奏はチェンジアップと両手両足のコンビネーションで成り立っている。
早くからチェンジアップトレーニングを取り入れることが上達の早道とも言えそうだ。
音楽的感情論は後で自然に付いてくるものだ。
このトレーニングでの注意点は、タイトなリズムを刻むこととメトロノームの音にシンクロさせることだ。
理論上はフルストロークのスティックの高さの違いを知ることができる。
当然4分音符と比較して8分音符は低い位置からスティックを落とすことになる。
その結果音量も異なるが、同じ音量を出したいならスティックの位置を8分音符に合わせることになる。
トレーニングプラン
このトレーニングは1日1時間を5日間行う。
1日30分なら10日間だ。
1日10分なら1カ月だ。
この時間的トレーニングプランこそが私が勧めるドラム独学の近道だ。
こんな単純なトレーニングは少しでも早くクリアして次に進みたいと思うなら1日で済ますこともできるということだ。
しかしトレーニングの効果については個人差も大きい。
例えばこのトレーニングを5時間して習得したと決めるのはあくまで自分次第だ。
習得できていないと感じるなら更に時間を増やすことも検討しなければならない。
次回は8ビートだ。
この独学トレーニング法は基礎トレーニングと実践トレーニングを並行して行うことを目指している。
その利点は楽しくトレーニングができてモチベーションを保てることだ。
上達を肌で感じながらトレーニングすることが習得の早道だ。
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