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ひとり旅に憧れたら読んでみて!

ひとり旅とグループ旅行の違いは正に旅と旅行の違いだ。
ひとり旅という言葉で表現するのが相応しいと言うより、そもそも一人旅行という言葉もしっくりこない。
今日はひとり旅に憧れはあるが、どうやればひとり旅を楽しめるのかについて私の経験を基にまとめてみる。


ひとり旅は楽しむというより苦しみから解放される喜びを得ること…

これはあくまで理屈っぽい私の主観的な考えだ。
ひとり旅に行く目的や思いはあくまで人それぞれだ。
それを踏まえた上で読んでみてほしい。

ひとり旅が似合う人と似合わない人

私が定年退職後に何度もひとり旅をしたのは、一緒に旅行に行く人がいなかったからだ。
言い換えれば行きたいところがあっても、同じ価値観の友人や家族がいなかったということだ。

ひとり旅は普段の人間関係に疲れている人や、非日常を求める人にお勧めだ。
辛い日常から離れたい人や、自分を見つめ直したい人には最適と言えるだろう。
なぜひとり旅が自分を見つめ直すことになるのかと言えば、長い時間一人でいることで普段よりも考える時間が増えるからだがそれだけではない。

一人で判断して行動することで、自分の行動や思考パターンを時間をかけて考える切っ掛けになるからだ。
結果的に主体性を伸ばすことになることから、リフレクションや内省に繋がるというわけだ。

逆にひとり旅ではない方がいいだろうと思えるのは、「ひとりで旅行をして何が楽しいの」と思う人や、日常も充分楽しいけれどそれよりももっと楽しいことを望む人だ。

もちろんグルメや景色などを誰かと共感したい人はひとり旅でない方がいい。

ひとり旅の目的にあった行先

ツアー会社の広告でよくあるようなグルメや観光は、元々ひとり旅に向いているとは思えない。
どれだけ美味しい料理であったとしても家族や友人と共感できてこそだろう。

一人でコース料理を食べに行かない理由と同じだ。
しかしひとり旅だからといって食べない訳にはいかない。
だから地元の人が行く一般食堂に入ってB級グルメなどを頂くのがお勧めだ。

つまりひとり旅ではグルメ優先で目的を決めるのではないと言うことだ。

それは行き先を決める時も同じだ。
ただの観光目的だとしたらひとり旅には向かないだろう。
ただの観光とは、行ったことがないという理由だけで目的地を選ぶことだ。

例えば有名な神社仏閣でも、歴史や神仏に興味があって行くのでなければひとり旅の目的地として相応しくない。
行ったという実績づくりならひとり旅で行く価値は低いと思えるからだ。

それではどこを目的にすればひとり旅に向いているのかと言えば、非日常を体験できる場所や落ち着ける場所だ。
具体的に言えば都会の喧騒の中で生活しているなら自然豊かな山や海辺だ。

海外がひとり旅に向いている理由は、目に入るものや文化など全てが非日常だからだ。

ひとり旅の楽しみ方その一

とにかく日常から離れ、日常とは掛け離れた環境に身を置くのがひとり旅を楽しむコツだと私は思っている。
今の私で言えば、見慣れた静かな環境で何の不自由もなく暮らしている田舎の平凡な日常からの脱出だ。

目的地が国内なら都会に行くだけでも非日常だ。
山の中に住んでいるから海辺に行くのも悪くはない。
もちろん海外ならどこであれ非日常を体験できる。

目的地までの道のりにも、ひとり旅を意義深い旅にするための要素が含まれる。
田舎暮らしで普段は車でしか移動することがない私は、鉄道や電車、バスに乗るだけでも緊張する。
ましてや飛行機なら尚更だ。

この緊張感こそがひとり旅の価値を高める要素になる。

目的地に行くまでのハードルが高ければ高いほど、自分を見直すチャンスにも恵まれる。
切符の買い方が分からないとかどの電車に乗ればいいのか不安だといったちょっとしたアクシデントが、行動力や反省を客観的に見つめ直す機会に繋がる。

日常では使わない脳をフル回転させて解決した証には、日常では感じることがない安堵感を得ることができる。
音楽で言うメリハリのようなものだ。

そんな時に近くにいる人の助けを借りるのも非日常体験ではあるし、一期一会のチャンスもそのような時に恵まれるものだ。
目的地では積極的にその地の文化に溶け込もうと努力することで非日常感は高まる。

タクシーを使わず、主にその地の市民が利用しているバスや路面電車で移動することもその地の文化に溶け込む手段の一つだ。
海外なら積極的にその国の言葉を使ってコミュニケーションを取ることなどだ。

ひとり旅の楽しみ方その二

その地の文化に積極的に溶け込むことだけでなく、一人の時間を大切に過ごすこともまたひとり旅の醍醐味だ。

知らない街の散策や街歩きは一人旅の大きな楽しみの一つだ。
私は名も知られていない海辺の街を一人で歩くのが好きだ。
路地を歩いていると坂道の向こうに青い海がチラッと見える時がある。

そんな時は宝物でも見つけたような喜びを得られた気分になる。
カメラでその景色を切り取ると、ひとり旅の思い出としては充分なお土産になる。

海外なら、街の路地歩きをしていてちょっとおしゃれな看板を見つけた時がそれにあたる。

気候のいい時には、知らない街でベンチに座って通りゆく人を観察するのも悪くはない。
街歩きをしていて疲れた時など、都合のいいベンチを探して一時間程度ボーとして過ごす。
これもまたひとり旅でしか経験できないことの一つだ。

私は韓国に行った時これをよくやるが、見ず知らずの人が隣に座ってきて話しかけられることは稀ではない。
道を聞かれることもあれば世間話を始める人もいるが、これこそがその地の中に溶け込んでいる証しだ。

誰も私を日本の田舎に住む老人だとは思ってはいない。
近所に住む老人が散歩の途中にベンチで休んでいると思っているのだ。
これは私が一人だという理由からだ。
フレンドリーな国民性ならではの体験談だ。

一人の時間を楽しめるのはベンチだけではない。
一時間程度ゆっくり過ごすことができるカフェを見つけるのもひとり旅の楽しみだ。

ひとり旅で四人掛けテーブルや壁に向かって座るカウンター席は落ち着かない。
天気のいい日なら屋外にテラス席があるカフェはお勧めだ。
動きのある人通りを眺めながら時間を過ごせるからだ。
その意味では窓際のカウンター席でも問題はない。

古民家カフェでも落ち着いた時間を過ごすことができる。
海外でも古い建物をリメイクしたカフェは落ち着ける。
街歩きをしながらそんなカフェを見つけることもひとり旅の面白みだ。

ひとり旅に適した予算

予算はできるだけ抑える方がひとり旅としての価値は高まりそうだ。
豪華さや便利さがひとり旅を思い出に残る旅にしてくれるものではない。

貧乏旅であればあるほど高いリフレクション効果が期待できる。
その低予算こそがひとり旅の魅力でもあるのだ。

一人なのだから高価なグルメや豪華なホテルでなくても自分さえよければそれでいい。
低予算で旨い料理や、小奇麗で居心地のいい宿を見つけた時の方が満足度も高くなる。

ひとり車旅で高速道路ではなく敢えて下道を優先するのも、思いがけない景色や道に迷うといった非日常経験のチャンスを増やすためだ。
私がバスや電車で移動するのも、タクシーの一人当たりのコスパが悪いことに加え非日常のチャンスに欠けるという理由からだ。

ひとり旅に適した年齢や性別

ひとり旅だからと言って若い人や男性の方が適しているという訳ではない。
しかし行き先や目的などは危険リスクを考慮して考えた方がいいのは確かだ。
極端な例を挙げれば、経験も少なく体力に自信がない人が難易度の高い山に一人登山するような計画のことだ。

治安が悪いと言われる国で、女性が一人で夜歩きするのも同じことだ。
私のような体力に自信のない老人が、標高の高い海外でトレッキングツアーに一人で参加することも無謀だ。

一人と言うだけで危険リスクが倍増する例でもある。
そうかといってどれだけ若くて元気でもこれらの危険リスクが低い訳ではない。

ひとり旅のハードルとは命を目安に決めるものではないということだ。
そして冒険欲求とひとり旅の欲求は別物だということを理解してほしい。

これまでにもひとり旅に関する記事を何度も書いてきたが、その都度文章の表現が変わってきていることを自覚している。
その理由は文章表現のスキルだけでなく考え方にも変化があったからだ。

ひとり旅だけでなく、色んな旅をして経験値が増えたことでも考え方に変化があった。
また何度も文章にすることで、ひとり旅と言う曖昧な表現に輪郭が見えてきたことだ。

一人で旅行するというのではなく、今の日常から飛び出すことこそがひとり旅ではないだろうか。

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