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定年退職後にした韓国旅行の幹事経験!
定年退職してすぐのことだ。
私よりも早く定年退職していた職場の先輩二人が、韓国旅行に連れて行ってくれと言うことで幹事をすることになった。
幹事と言っても私を含め3人なので、私の決めたことに一切文句を言わないという条件付きで引き受けた。
計画通りには行かない旅行幹事
歳は10歳近く上だが、先輩と言っても定年退職した者同士で友人としての間柄だ。
それに海外旅行が初めてといった人たちではないのでツアーではなく個人旅行を選択した。
3人でツアーに申し込めばエキストラベッドを入れた狭い部屋に押し込まれることになる。
そうかといってオプションで部屋を追加すればツアーのメリットがなくなるからだ。
4泊5日の韓国旅行を計画実行
個人旅行なので旅行プランを自由に組み立てた。
定年退職した自由人ばかりなので日程も行程も私任せだ。
飛行機もホテルもNET予約した。
もちろんホテルは一人部屋だ。
私が一人旅するときは出来る限り節約してホテルを探すが、同行者の性分は分かっているので4つ星ホテルの中から選択した。
一任されているとはいえホテルに問題があれば文句を言われることは明白だからだ。
名の知れたホテルではないが、ソウルの市庁駅から歩いて数分の立地に恵まれたホテルを選んだ。
仁川空港からソウル市内まではA,REXという直通列車を使った。
いつもなら各駅停車の普通列車を使うが、確実に座ることができる指定席でないと不満の種になりそうだからだ。
一任されているとはいえ何度も旅行幹事をした経験上、満足度の高い旅行ほど後で感謝されることも分かっていた。
この二人は韓国が初めてと言うわけではなく、ソウルにも何度か来た経験があると聞いていた。
二人は会社の役員をしていたので、いくつかある会の旅行だったのだろう。
仁川からソウルまではリムジンバスかタクシーで移動したことはあるが、列車に乗ったのは初めてのようだった。
激辛のアクシデント
1日目はソウルの北エリアを案内した。
先ずは世界遺産のチョンミョ(宗廟)だ。
このような歴史的観光地は最も無難な旅行コースの目的地だ。
しかも建築関連の仕事をしていたこともあり、興味を持って見学してもらえる自信もあった。
二人とも景福宮には行ったことはあるがチョンミョは知らないと聞いていた。
日本語ガイドの案内時間まで調べていった甲斐があった。
しかも二人とも65歳以上で入場料は無料というおまけつきだ。
入場料は1,000ウォン(約110円)なので大したことではないが、「年齢を証明できるパスポートを持参して下さい」と言っていたこともあり大そう喜んで頂けた。
姫路城など日本の世界遺産の入場料の印象があったからなのだろう。
韓国の歴史的観光地の入場料は日本と比較しても概ね安価だ。
最初のアクシデントは仁寺洞にある韓国レストランで起きた。
メニューは日本語でも書かれていたので安心していたが、注文した料理の一つが超激辛だったのだ。
その料理を口にした一人が悶絶するかのような苦しみを訴えた。
水を飲んで外で深呼吸する程度のことしか手立てはなかった。
その料理のことを店の人に聞くと、韓国でも最も寒い地域の民族料理だったようだ。
その影響で他の料理もほとんど食べることができずに店を出た。
その後すぐ近くの韓国伝統茶の店に入り、甘いナツメ茶と油菓(もち米が原料の甘い発行菓子)で口直しをした。
知らない人との夕食
その日の夕方近くになって一人の同行者からリクエストがあった。
偶然ソウルに来ていた行きつけのスナックのママを夕食に誘ったと言うのだ。
「もっと早く言ってよ」と思ったが誘ってしまった後では仕方ない。
その3人グループはスナックのママと従業員、そして男性客の3人だった。
昨日焼肉を食べたので肉以外の料理がいいとのことだ。
「料金は全て誘った俺が持つ」と言うので、おそらく相手にもそう言っているはずだと思った。
私は急なリクエストにうろたえたが、その3人は明洞にいるというのでポストタワー前で待ち合わせた。
私がよく待ち合わせに使う場所だ。
昼の激辛アクシデントのこともあり、「どんな料理がいいですか」と聞いても「お前に任せる」の一点張りだ。
また何かあれば私に負わせるつもりだなと思ったが、「私は知らない」とも言えず引き受けた。
合流した後ポストタワー前の交差点を渡り、タクシー2台に分乗して江南エリアにある高速ターミナルに向かった。
このシチュエーションで思いついたのがサンドゥレ盤浦店(パンポテン)だ。
以前もひょんなことで知らない人と来たことがある店だ。
二人前以上でないと注文できないので、一人では入ることができない店でもある。
伝統的な韓定食を高級料理ではなく安価で提供しているレストランだ。
初めて行った人は、一度に運ばれてくる料理の量に驚く。
明洞から南山(ナムサン)下のトンネルを抜けて梨泰院(イテウォン)を通り過ぎ、パンポ大橋を渡ればすぐのところだ。
渋滞していなければさほど時間もかからない。
高速バスターミナル前でタクシーを降りた。
タクシーの運転手に説明するのが簡単だったからだ。
その西側の交差点を渡ったところにあるレミアンアパートの地下1階にサンドゥレはある。
時間が早いこともあって空いていた。
料理が運ばれてきた時は期待以上に皆が驚いてくれた。
それぞれの一品料理の量は少ないが、カンジャンケジャンまで付いている豪華さだ。
誘った本人は超ご機嫌で、ビールや焼酎を何本も注文する大盤振る舞いだ。
その本人も料金を支払う時には更に驚いたようだ。
想像以上に安かったからだ。
その人はそこにいた皆に感謝され嬉しそうだった。
それを見ていた私も嬉しかった。
「これまでにない面白い韓国旅行になった」と帰った後も言ってもらえたので幹事を引き受けた甲斐があった。
これも定年退職後の大切な思い出のひとつだ。
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