憧れの田舎暮らし!
田舎者の私が考えるタイトルではないが、最近は田舎移住もトレンドになったかのような番組を目にすることが増えた。
テレビや雑誌で紹介されている楽しそうな事例を見ると、もともと田舎に住んでいる私も羨ましく思えるほどだ。
今住んでいる田舎は?
私の住む田舎は、歩いて買い物に行けない。
駅まで徒歩10分だが、ディーゼル列車が1時間に1本しか走っていない。
コンビニにも車で行くが、セブンはない。
もちろんウーバーイーツのようなオンラインフードデリバリーもない。
緑が多くても公園はない。
夜は外灯の明かりのせいで星が美しく見えるわけではない。
自治会に加入して都市部より高い区費を払うのは当たり前だ。
そして自治会の加入者は組長や村役など地域の役をいいつかったり、草刈りなどの地域活動もある。
冬には雪も積もり、除雪作業もしなければならない。
どこへ行くにも車なので意識しないと歩くこともしなくなる。
しかし悪いことばかりではない。
ご近所さんから野菜が頂け、相対的に外部からの環境音が少なく静かで落ち着いて暮らすことができる。
憧れの田舎暮らし
田舎暮らしといっても、都会ではないというだけの田舎もあれば山奥の一軒家まで様々だ。
もし自給自足で仙人のような生活を望むなら中途半端な田舎では夢は叶えられない。
私が住んでいる田舎は、それでも100戸あまりの住宅の集落だ。
間違いなく田舎ではあるが憧れを抱くほどの田舎ではない。
田舎者の私が憧れる田舎とは、昔の生活を体験できるような田舎だ。
カマドで火を焚き料理をし、山に入って薪になる木を切ってくるような生活だ。
周りに家がなく孤立した一軒家なら、田舎のしきたりもないだろう。
朝はけたたましい鳥の声で目覚め、夜は早めに床に就く。
昼間はシイタケ栽培やキノコ採取をして生活の糧となればいい。
できれば家は山の頂上付近で見晴らしがよく、日当たりが良ければ更に理想的だ。
理想の田舎暮らしができない理由
今住んでいる所もすぐ近くに山があり、子どものころはよく山に入って遊んでいた。
しかしその山も数年前からヒルが生息するようになって、気候が良くなれば山に入ることもままならない。
いや、そんなことだけではない。
既に水洗トイレや光ケーブルのネット回線など、近代的な生活環境に慣れてしまっている者がそのような環境下で生活するのはどう考えても無理がありそうだ。
不慣れな環境だけではない。
そもそも私のように、田舎に住んでいながら畑もできない性分の者が言うことではないのだろう。
せめて家の横の畑でナスの1本でも育ててから言うべきだった。