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老人でも楽器が早く上手くなる術はあるのか?
客観的に聴けば上手下手は分かるが、自分が演奏している時はどの程度上手でどの程度下手なのかを自覚するのは難しい。
上手下手をカラオケの機械のように数値で表すことができれば、楽器の練習も下手な欲望に流されることなく励めるのではないかと考えた。
ストイックに音楽に向き合うために考えたこと!
何も速いテンポの曲ばかりを演奏したい訳ではない。
せっかく楽器の練習をしているのだから早く上手になりたいだけだ。
理屈っぽい性分なのは自覚している。
それならその性分を楽器の独学に生かしたいと思っただけだ。
早く演奏することと演奏の上手さは比例するのか?
上手に聴かせるコツの話ではない。
実際に上手に演奏するためのトレーニングの話だ。
例えば1オクターブしか声の出ない人がボイトレをして1オクターブ半声を出せるようになれば、ボイトレをした後の方が明らかに上手になっているということだ。
それまでと同じ1オクターブの音域の曲だとしても、余裕ができるので上手に歌えるという理屈だ。
しかしボイトレをして半オクターブも高い声を出そうと思うと並大抵の努力では達成できない。
それなりに継続したトレーニングが必要だ。
この常識のようなことが分かっているようでなかなか理解できないことがある。
私くらいの年齢になればおそらく音楽的上手さを感情論で表現したい人もいるだろう。
「感情を込めて」とか「このフレーズは優しく」、「この曲はダイナミックに」といった具合にだ。
しかしそんな感情論ではどれだけ上手くなったのかは分かりずらい。
だが数字で判断できたなら演奏のスキルアップが見えるようになる。
例えば上のミの声までしか出ない人が、半音階でその三つ上のソまで出せるようにトレーニングするというようにだ。
歌に限ったことではない。
ドラムならBPM100でしか叩けなかったことを105で叩けるようにするトレーニングだ。
これなら上手になっていく段階が見えるから独学には持って来いだ。
これまでは技術的なことやうまく聴かせるコツのようなことばかりに目が言っていたが、もっと単純にトレーニングができないかと思った次第だ。
トレーニングで数字を稼ぐ
陸上選手がタイムを競うのと同じように、音楽も数字を競うトレーニングをするのが上手になる早道なのだろうと考えた。
例えば100mを11秒で走ることができる選手がトレーニングを頑張って10.7秒までタイムを縮めるようにだ。
0.3秒タイムを縮めるのに短距離選手がどれだけのトレーニングをしなければならないかということを、音楽にも共通した努力ができるのではと言いたい訳だ。
毎日100mを何度となく走っていれば、早く0.3秒を縮めることができる訳でもないだろう。
それなりの筋トレや体の動きを分析するようなことも必要だろう。
同じように毎日曲に合わせてドラムを叩いていれば自然に早く上手になるとは思えない。
筋トレと同じようにパッドを何時間も叩き数字を稼ぐことをやっているから早い進歩があると信じたいのだ。
テンポで言うと95から100という風に、5ポイントという数字を何時間練習すれば早く叩けるようになるのかという話だ。
これなら音楽的な要素を考えずにもくもくと練習をすることができる。
これは手だけの話ではない。
手と足を使うフレーズも最初はBPM60から始め、65、70と5ずつスピードを上げていけばスキルアップが目に見えるようになる。
数字を意識したトレーニングの成果
トレーニングによってほんの少し早く叩けるようにするだけでも結構長い時間が必要だ。
しかしそんな地味なトレーニングを1ヶ月も続けていれば結果になって返ってくる。
例えばアップテンポの4ビートに余裕が生まれ、シンバルレガートに変化を感じるといったようにだ。
演奏が楽にできるようになり、一つ一つの音の粒立ちも明らかによくなった。
4ビートだけでなくアップテンポのボサノバやサンバも小さな音でリズムを刻むことが可能になった。
たった1ヶ月と言っても、これまでやったこともないほどのトレーニングだ。
スポーツをやっている人には「一緒にするな」と叱られそうだが、まるでアスリート的な感覚だ。
65歳を過ぎた頃から始めたドラムの練習で試行錯誤した末のトレーニングだ。
しかしこれで数字を意識したトレーニングの効果も確認することができた。
効果も分からずトレーニングをするのではなく、上手になることが分かってやるトレーニングは遣り甲斐も大きい。
これはドラムに限ってのことではない。
特に私のように定年退職後に楽器を始めたなら、音楽的なトレーニングは後回しにして結果が早く見える数字を追う練習が効果的だ。
老化が目に見える年齢になってから楽器を練習して、果たして上手になるのかという疑問も払拭することができた。
もし私がドラムではなく独学でピアノをやっていたとしても、今ならこの方法でトレーニングをするだろう。
音楽的感情は後回しにしてメトロノームに合わせ、毎日ハノンで数字を追うようなトレーニングだ。
若い頃のように筋肉も脳も柔軟なら総合的なトレーニングを選ぶかもしれないが、老化と闘いながら行うトレーニングに余裕はない。
とにかく少しでも早く上手になりたいからだ。
残された時間が限られていると思うようになって、やっと音楽にストイックに向き合うことができるようになったようだ。
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